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様々な運命の始まりの場所となった断怪衆本山が決戦地となる展開は熱いね
そしてそこで繰り広げられる戦いはどれも興奮がいつまでも終わらないかのような激闘ばかり
けれど、敵は様々な方法で千夜達を苦しめてきた無の民なのだから激闘ばかりというわけには行かず
やっと再会できた灼岩が敵の手に落ちている状況はあまりに辛い……。おまけに操られた灼岩が猩々達を手に掛けるかもしれないという理不尽さ
その辛さと理不尽をぶち壊してくれるのが激闘の熱さに舞い戻っていく展開は素晴らしい
操られているはずなのに道錬との決戦を望んだ神雲
全てを救うなんて無理と言われて全てを救う者になると決意した千夜
これらは絶望的な戦場を一変させるもの
……あの毘沙門天は別の意味で辛さや理不尽さを吹き飛ばしたような気がしないでもないけど。幾ら何でも巫山戯過ぎでは?と思ってしまう(笑)
特に千夜の変化には眼を見張るね
人でも闇でもない者になる言われてきた千夜はずっと自分が何者かを問い続けてきた。通常、人でも闇でもないとなればあらゆる法則が適用されない無法の者を想像してしまう
けれど、人に不可能な技を求められる戦場にて千夜が悟ったのは人を超える衆生救済の存在
千夜の歪さを主張するかのようだった人外の腕が、全てに救いを差し伸べる千手へと変化する様子はとても感動的
そうして熱さと驚きと悲しさが混じり合う戦場で浮気現場を目撃されたみたいな状態になってしまった千夜の明日はどっちだ(笑)