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南部藩については伊達政宗と敵対していた位のことしか知らなかったので、とても興味深かった。おそらく史実に沿ったものだと思われるが、そこに遠野という民話的なテイストが相まってちょっとホンワカとした内容になっている。
遠野へ行ったら河童せんべいを買ってみよう。
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青森の歴史に詳しくない私には、史実なのか創作なのか分からないことも多かったけど、羚羊の角であったものが語る物語として、存分に楽しめた。
女の人生っていうのは、なかなか面白い。
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日本史は好きですが、南部の女当主のことはこの本を読んで初めて知りました。
ファンタジー要素がかなり入っていますが、実在した女当主の生涯は、史実だけで十分にドラマティックです。
先が気になって,読み出したら止りませんでした。
「かたづの」に語らせるというのはユニークな試みですが,ファンタジー要素がなかった方が私好みでした。
晩年の清心尼が嫁ぐ妙に語る,生きる知恵ともいうべき言葉がこの小説の肝でした。
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中島京子なので読んだだけなので、「かたづの!」が何の意味なのか、途中でやっと分かった次第。
思ったよりも読むのに時間がかかった。
やさしく書いてあるんだけど、もうちょっとくだけても良かったかな?
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徳川の世が始まる少し前に八戸南部氏に生まれた姫“祢々”(後に出家し清心尼)の波乱に満ちた一生を、ずっと傍で見てきた“かたづの”(片角)が語るファンタジー大河ドラマ。
こういう話は大好き。こういう語り口は大好き。祢々さんの気性やキャラクターが大好き。南部に伝わる伝説や、遠野の風物も興味深い。もちろん河童の発生から繁殖そして人との関わりも面白い。
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一本角のカモシカの一人語りで、語られる
東北の武家の姫の物語。
時は戦国の終わり。
悲惨な出来事も多いなか全体にユーモアがある。
姫が「教養の限りを尽くして罵る」に至っては大笑いだった。
生き物たちが混在してて、それが当たり前の世界。いいなあ。
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この小説の語り部は1本角の羚羊(かもしか)の角
河童や屏風の中のペリカンも語ります
羚羊の角が主人公の祢々様の姿を借りて角が語ることもあり
江戸時代の、八戸や遠野の領地を巡るお話の中に
とても不思議な現象が混ざりあい
なんとなく、最後までなじめずに読み終わりました
江戸時代の無情や理不尽の中
凛として生き抜いた祢々様の姿は美しく悲しく
なじめなかったけれど、面白かった・・・です
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これだけの波乱万丈の人生を
悲惨さを前面に出さずに最後まですごくおもしろく
読めた。
民話も盛り込んだかと思える河童の登場も
すごく興味深かった
東北 特に遠野に行ってみたくなったよ
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まぶしい光の中で目覚めた「私」が、過去の自分が出会ったり経験してきたことを語り始める。
最初の数ページで読者の私もその世界に入り込んでしまう。あの時代には「本当」だったかもしれないエピソードの数々。哀しくて愛おしくて、読み終えるのが勿体無いような一冊。
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普通、羚羊の角は一対二本。ところが一本しかない羚羊がいた。お城の年若い奥方さまにかわいがられ、死したのち角を残して奥方さまのお守りになり、やがては伝来の秘宝「かたづの」と呼ばれるようになる。
一角獣というと勇ましいようだが、じつはコンプレックスのかたまりで、たいそうな役に立つわけではない。この無力さがすばらしい。だからこそ、主人公の奥方・祢祢が輝くというもの。いや、ときどき、2度くらい、ちょっと活躍はするのだけれど。
東北に実在したとある女大名の一代記。次々と祢祢へと襲いかかる不幸の連続に、息継ぎするひまもなく一気に読まされる。しかし、ただのエンタメには終わらせない。主人公・祢祢も、カタキ役の利直も、じつに複雑な人物として注意深く描かれている。そして、それを語るのは、無力な角のみの存在となった羚羊。この絶妙な距離感が、権謀術数×謀議謀略といった人間たちのおろかないとなみを、不思議に軽く、魅力的な読みものに昇華させているのだろうか。
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江戸時代の実在の女亭主(城主)、清心尼の逸話をもとにしてますが、遠野物語のような幻想的な話も盛り込んでいて楽しい話ですんなりとよめました。
ただ、時代物としては勧善懲悪ではなくいかに耐え忍んでわずかな時間を引き延ばして・・・みたいなお話なので、池井戸さんのようなスカッと感はないです。
語り手が東北の秘宝とされる片角なのですが、これもちゃんと羚羊の角であるという事実を踏まえてうまく料理してあります。
うん。面白かったです。
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南部藩、遠野などの血なまぐさい歴史と、それに翻弄されながらもしたたかに立ち向かう袮々。そういう歴史としての確かな面白さに加えて、羚羊の角、河童、ペリカンの経立等の確かな存在感と母娘の情愛などとても奥行きの深い物語だ。
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中島さんの書く歴史上の人物をモチーフにする物語はやはり好き。東北地方の藩が舞台というのもなんともいい。
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江戸時代唯一の女大名、祢々。彼女の一生を、一本の角が語る。角は、昔は祢々の友だちの羚羊であり、今は南部の秘宝の片角である。
羚羊が祢々の中に入ってしゃべりだしたり、河童が出てきて薬をくれたり、絵に描かれたぺりかんがぺったんぺったん歩き出したり。ファンタジーの時代小説だった。
面白かったのはやはり河童の話。頻繁に河童会議を開き、遠野に引っ越す際は胡瓜があるかを心配し、河童煎餅があると聞きびっくりする河童たちには、思わず笑ってしまう。
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400年余り前、南部藩(現在の岩手)に実在した女大名、第二十一代根城南部氏当主・祢々と、一本角(片角)の羚羊の出会いから始まる歴史ファンタジー。第二十代当主であった夫と幼い嫡男が相次いで叔父の手にかけられ、夫の跡を継ぎ当主となることを決意し剃髪し尼になった祢々。望まない相手に腰入れした長女は後に夫を亡くし自害、その忘れ形見である孫とも長らく会うことさえ叶わず、さらに自らの跡継ぎとすべく次女の婿養子に迎えた二十二代当主と共に遠野への国替えを命じられ、住み慣れた八戸を離れることになる。翻弄され続けても、ひたすら戦を避け自らの領を治めるために尽力した祢々の生き方に寄り添う片角。すでにカモシカとしての命は全うし角のみとなった片角と祢々との関係は、何と呼ぶのがふさわしいのかわからない。ファンタジー系の物はほとんど読まないものの、これもまたどんな話か知らずに読み始めたため読了。中島さんはこういうものも書くんだ、という驚きがあった。欲を言えば祢々の人となりをもっと深く描いてほしかったものの、母親とのやりとり、関係はとても良かった。ただしタイトルが今ひとつという気がするのは私だけ?