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子供の頃、テレビのニュースに度々登場したサッチャー首相。「鉄の女」の相性?と政権末期には演説を「I」ではなく、英国女王のように「We」で行い批判にさらされた、ということくらいしか記憶になかった。
少し前にメリル・ストリープ主演のサッチャーを描いた映画が上映され興味があったが、見る機会を逸してしまったので、この本を手にとってみた。
一言で言えば、努力と信念に生きた人。「私は好かれるために首相をやっているのではありません」と語っていたように、正しいと思ったことには大きな犠牲にも躊躇なく突き進む。彼女のとった政策は、イギリス経済を立て直し、後の日本もそれを手本に国営企業を民営化していく。
中産階級出身の彼女は、労働者階級でも努力すれば報われる社会を目指したが、長く政権にとどまり過ぎたためか、終わりを迎える頃には弱者を切り捨てる社会へと変貌させてしまった。
このあたりはブレイディみかこ氏の著書、「子どもたちの階級闘争」も読まれると、イギリスの現状、ひいては日本の現状も透けて見えてくる。
大なたを振るった成果は大きかったが、失われた物も少なからずあり、それがサッチャーが国民から一番好かれ嫌われた首相であった所以であろう。
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マーガレット・サッチャーの生涯を簡潔にまとめた良書。名前は知っているけど、実際にどのような政策をしたのか、当時のイギリスの社会背景などと合わせて知ることができます。「鉄の女」と異名を持つ彼女が、国民に媚びることなく信念に基づいて政策を実行したように感じます。
幼少期に影響を与えられた家族や生活環境、本や映画、ラジオなどの存在も大きいけど、本人の努力あってこその成果は読む人に、「女性としての政治家」ではなく「政治家とはどうあるべきか」を投げかける内容だと思いました。
サッチャーを前にして、性別の話は不要。
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双子がいたなんてびっくりした。
幼い頃から政治に関わりのある家庭だったから知識が多かったんだなと思った。
自分が決めたことには最後まで責任を持っていてすごい。
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「大人と子どもの間で立ち止まっている中高生に向けて、ポルトレを創刊します。ポルトレとはポートレート、肖像。あなたと同じように、悩んで、戸惑って、たくさん失敗して、だけど自分の人生を自分の力で切り開いていった、世界中の人たちの姿をポルトレは写しとっていきます。いまは、自分を肯定できないかもしれないけれど、わたしたちはあなたを未来そのものだと思う。だから、あなたの人生をほんの少し前へ進めたい。」
中・高校生向き の伝記、評伝シリーズ。
「好かれるために首相をやっているわけじゃない」正義感の強い真面目な少女が「鉄の女」になるまで。
目次
序章 イギリスで最も愛され、嫌われた首相
第1章 少女時代
第2章 思春期時代
第3章 オックスフォード時代
第4章 議員時代
第5章 党首・首相時代