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評価内訳
2014/08/26 07:33
投稿元:
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本作の題名である『九重の雲』…「九重の雲をはらいてやがてまた はれし都の月を見るべき」という、中村半次郎こと桐野利秋が慶応3年11月11日に詠んだとされる歌から取ったのであろう。苦難を潜り抜け、明日の展望が開けたというような、故郷での極貧を脱け出して京で活動した日々を想い起こしながら、討幕の密勅を受けて更なる前進を思うというような状況の歌かもしれないが…何か彼の人生を象徴するかのような歌だ…自らの性分と、刻苦勉励して磨いた剣技と、可能な範囲で書見して学んだことを活かしながら、“九重の雲”のような眼前の苦難や時代状況を潜り抜けることを繰り返し、やがて月の下で「時代の波涛」に呑み込まれる…何かそういう気がする… 「愛すべき漢」という感もする中村半次郎こと桐野利秋を視点人物に据えながら、「幕末・維新・明治」というモノが「何だったのか?」、または「今日を生きる人達が汲み上げるべき“教訓”は?」を問うような力作に仕上がっている…