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文章は平易だが、内容は高度で、暗黙知を形式知化して具体的に見せてくれているような気がする。
プロローグの「ダビデとゴリアテ」の名前は知っているが、話はしらなかった。弱者(に見える)ダビデが強者(に見える)ゴリアテになぜ勝つことができたのか?そのメカニズムを解明するところから始まり、他の事例に展開していく。
過去200年で、人口・兵力に10倍の差がある国同士の紛争をひもとくと、大国の勝率は71.5%にすぎない。しかも、ゲリラ戦を採用すると、小国の勝率が63.6%まで上がる。
子育ての難易度とその家庭の所得の分布図は実感値と似ていた。豊かになるほど、よりよい教育ができると考えがちだが、逆U字曲線を描く。豊かになるほど、子どもを教育するのが困難な事例が増える。
それは豊かさだけが原因なのか?所得が多いことで、父親に当たる夫が母親、つまり妻を選ぶときに、さまざまな変数を抱えることになり、よき母親を選びにくい環境になるのかもしれない、と勘ぐったことがある。
〈CRT(認知反射テスト)はけっこう難しいが、実は正解率を簡単に上げる方法がある。ハードルをちょっとだけ高くするのだ。〉
ちょっとが難しい。個人差があるし。上げすぎても下がるだろう。しかしその効果は計り知れない。本書では「よい苦労」と表現されているが、ハードルを上げることでアタマを使う。それこそが、学習の役に立つ姿勢ナノだと思う。
〈権威の正当性を裏付ける原則〉
1、権威に従う側に発言権があること
意義を唱えたときに傾聴してもらえるかどうか
2、法の運用に信頼性があること
今日の法律が明日もおおむね同じように適用されること
3、権威に公平性があること
この集団とあの集団で対応が異なってはいけない
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『ティッピングポイント』で有名なグラッドウェルが、ダビデとゴリアテのように逆転劇はどのように成し遂げられるかについて、事例を交えて説く。弱者がどのように強者を倒すか。ネガティブをどのようにポジティブにするかについて。
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レビューはブログにて
http://ameblo.jp/w92-3/entry-11942755121.html
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もちろん、ダビデはゴリアテと戦う時には正面から向かい合わずに礫を投げて倒したし、識字障害の若者はとっさの機転や勇気でゴールドマン・サックスの社長にまで登りつめることがある。弱小バスケットボールチームはフルコートプレスのような突飛な作戦を使うことで勝利を重ねることもある。
様々なエピソードを重ねながら話を進めるスタイルは健在で、対象者から話を聞き出すインタビューの手法もすばらしい。
読んでいて時間を忘れる内容ではあるが、、、東洋では「兵は詭道なり」と言われてきたことでもある。
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これも以外に戦略論。ダビデがゴリアテに何故勝てたのかとか、小国が結構大国に勝っている史実とか。あとはちょっとランクを落とした大学とかでNo.1を得るとか。勝ちにこだわる方法論的。好きこそものの上手なれ的なところもあり。
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副題に「強敵や逆境に勝てる秘密」とあるが、結識字障害や親が早くに亡くなった人などの逆境を抱えた人が、成功をおさめる過程でどの様に困難に立ち向かい、成功の階段を登って行ったのかと言う事を通して、逆境をばねに逆転をする行動を解説している。
個々の実例について話をしているが、自分はどちらかと言うと、共通要因を体系的に分類しているのを想像していたが、違ったので残念だった。
最初にダビデとゴリアテの話で、強者の土俵で戦わない事が、強敵や逆境に勝てる秘密だと分かる。
そして素人バスケコーチがルールの範囲内でバスケ経験者から邪道と言われる戦術で勝ち上がる話の中で、なぜ他のチームも同様の事をしないのかと言う疑問について、そのような邪道と呼ばれる戦法を練習して実践させる事は、「自分たちは弱者だ」と言う事を受け入れ、辛い練習をやり続ける必要がある。
しかし多くは最初「弱者」である事を認められても、ある程度練習して自信がついてくると、邪道と呼ばれる練習を続けることが出来なくなる。と言うのが理由だと言っているがなるほど納得。
名声があって、富があってエリートに属していればどんなにいいだろう。私蜂はそんな想像をたくさんしてきた。
しかしそうした好条件が選択肢を減らしている事は、なかなか考えが及ばない。
ただ面白いのは、そのような逆境から成功した人すべてが、自分の子供に同じような経験はして欲しくないと考えている事。それだけ彼ら成功者は思い出したくもない程の辛い経験をしていたのだ等と容易に想像できる。
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私の記憶ではこの本の著者であるマルコム氏の書いた本は初めてですが、彼の著者は必ず世界的なベストセラーとなる凄い人が書かれた本です。図書館でタイトル(強敵や逆境に勝てる秘密)に目が留まったので読んでみました。
私にとって一番印象に残ったのは、第一部(不利は有利で、有利は不利)に書かれていた内容で、弱小チームが強いチームに勝つための戦略立案の独自性、二流大学の学生が、一流大学のそこその学生よりも有望、とい内容は面白かったです。
特に、勇気に関するくだり(勇気とは、困難をくぐりぬけた後、「思ったほどきつくなかったな」と感じたときに湧いてくるもの(p143))は面白かったです。
以下は気になったポイントです。
・古代の軍隊には三種類の兵士がいた、1)馬や戦車を駆る騎兵、2)鎧を着けて、剣と盾を持つ歩兵、3)擲弾兵(砲兵)で弓や投石器を使う。これらは丁度ジャンけんの関係の様であった。歩兵は騎兵を寄せ付けない、騎兵は擲弾兵の攻撃をかわせる、歩兵は擲弾兵の恰好の的(p7)
・世帯年収は7.5万ドル程度が幸福レベルが一定になる、それ以上年収があってもいい車や外食が増えるだけで幸福が更に大きくなったり、良い親になるための条件がクリアできるわけではない(p53)
・クラスの規模と学習の習熟度は逆U字カーブを描く。これが世の中の有利と不利を取り違えてしまう理由の一つである(p56)
・アメリカでは科学、テクノロジー、数学といった理系科目を専攻した学生の半数以上が、1年生か2年生で退学、転部をしている、これがエンジニアが不足している原因(p81)
・一流エリート校は、トップクラスの学生には素晴らしいが、それ以外の者には苦難の場所である(p90)
・失敗への備えは対応が、ビジネスの世界でキャリアを積むのにとても重要だと知った彼は最後には、ゴールドマンサックスの社長になった(p121)
・勇気とは、困難をくぐりぬけた後、「思ったほどきつくなかったな」と感じたときに湧いてくるもの(p143)
・何が正しいか、という基準は、往々にして特権階級がよそ者を排除するときの言い訳であったりする(p181)
・権威の正当性を裏付ける原則、1)権威に従う側に発言権がある、異議を唱えたとき傾聴されるか、2)法の運用に信頼性があるか、3)権威に公平性がある(p193)
・カリフォルニア州が行った壮大な刑法運用実験(スリーストライク制)は、2012.11住民投票により、大幅な見直しとなった。20年間の施行で誰も効果を断言できない結果となったので(p228)
2015年1月31日作成
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識字障害の人は人一倍聞く力が発達する。どんな逆境にあっても、それを逆転させる作用が働くことの不思議なエピソードを数々紹介され力がみなぎってきた。
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自分の中の前提条件が変わる本であった。特に逆U字型の話や、リモートミスの話など。また、逆転との題名がついているように、数々のエピソードから逆転劇が繰り広げられている点も気持ちよく読めた。
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ビジネス書とか評論、というより、長編のコラムと思って読むといいだろう。
エピソードを中心に、調査を援用しながら「こういう考え方もある」と示唆してくれる。
自分の実力をできるだけ知ったうえで、いかにそれを活用しきれるか、それでどこまでやれるか、きちんとモニターしながら改善し続けることが重要。
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本の帯には「弱小チームでも、貧しくても、二流大学でも、「勝利の方程式」は必ず存在する」と。こちらの本は、アメリカの人気コラムニストが過去の様々な研究や事例・事件から、弱者が強者を倒した番狂わせを分析し、何がそれを可能にしたのか、強大に見える相手のどこにつけいる隙や弱点があったのかということを綴っています。スポーツだけではなく、貧しい家庭の子ども、二流大学、識字障害者、マイノリティといった社会的に弱い立場に置かれた者が逆境に打ち勝った事例をふんだんに取り上げていて、一冊目よりも多角的に弱者の戦略を学べそうです。
ちょっと考えてみると、ほとんどの人は自分が不利な立場、弱い立場で誰かと仕事をしたり、競争したりしていると思いますが、これらの本を読むと、うまくことが運ばないときに「だって・・・だもん」と言い訳してみたり、「しかたがない」と諦観してみたりする前に、「何かできることがあるはずだ」と思えるようになることでしょう。
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ラグビー日本代表HCエディジョーンズがW杯前に読んでいた、と紹介されていた本です。南ア撃破、という結果がついているからこそ、の説得力だとは思うが今の自分にはジャストタイミングで必要だった本でした。世界にはゴリアテに立ち向かうダビデが溢れている。勇気が湧きました。
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元日本代表ラグビーコーチの人が読んでいた本だと言うことで読んでみた。各種の人生における逆転劇について書かれており、序盤から数章は最高に面白い。
ただ、後半に行くに従って尻すぼみという印象。後半まで序盤のテンションで突き進んだら最高の本だったと思う。まぁ、総じて面白かったので、読んで損なしだとは思うけど、序盤が良すぎたという感じかな。
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一般的に圧倒的に不利だと思われる立場の個人や組織が結果として大番狂わせによる大逆転を演じることができたのはなぜだったのか、について、具体的な事例をもって説明している。感覚的な話ではなく、定量的・論理的に整理されており、とてもわかりやすくまとめられている。
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私たちは得意・不得意が異なっている。それがのりしろになって他の人とつながり協業できる。本書はこれを極端なカタチで示したものである。
「不利」と思われる状況。これを逆に活かして大逆転。本書はこのような話の事例集である。非常識が世の中を変えた例について述べている。
本書では「白血病のカクテル治療」の話が出てくる。これを思いついた医師の話はかなり強烈である。
ガンの治療薬は副作用が強い。このため投与自体をせずに安楽死サせたほうが良い。人体への影響が大きいのだから複数の治療薬の同時使用などはもってのほか。
これらの常識を無視した医師がたった一人だけいた。これがことの真相。自分自身がその医師の同僚、患者、その親だったとしたら。応援はしないとしても、逆に反対してやめさせる方にまわってしまうのではないだろうか。そんな話ばかりが並ぶ。
識字障害(ディスクレシア)は本を読むのも一苦労。しかしその障害を克服するなかで言葉に対する特別な能力を身に着けて弁護士になった例も提示サれている。