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なかなか面白かった。トリックというか真相は、実現可能性を考えるとアレしかないので、特に意外性はない。ですが、登場人物の人格形成がなかなかに巧みで、ドラマとして読み応えのある内容でした。
登場人物の名前がやや安直なのは、少しだけマイナス点ですね。
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このトリックは、ミステリーを書く際には使ってはいけない奴だったような…。ヴァン・ダインだったかノックすだったか、そんなこと言っていなかったか?
でも、ぼちぼち楽しめたのでいいとする。
書き方の問題だとは思うが、中途半端にそして読者に分かりやすく秘密が出てくるのはいかがなものか。ちょっと興ざめ。何か秘密があるならもっとうまく描写してほしい。
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小児性愛者による殺人、犯人が捨て子という救われない話ですが、この真相を描いた作者の意図が知りたい。
家の近所に児童養護施設があり子供達の同級生が多くいるのですが、彼らの性格は生い立ちと無関係とは言わないものの、多種多様です。
事件のトリックを成立させるためだけの目的でこのような偏見を助長しかねない設定をしたのではなく、他の真意があることを願います。
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壊れてしまった人間は、たとえどんなに一分の理を唱えたとしても、本来持っていなければならない人間らしさを失ってしまっているのだろう。
可愛がっていた姪を突然殺された荒巻。
愛しい我が子を理不尽に殺された松原。
二人とも犯人を憎む気持ちに違いはない。
ただ荒巻は警察官であり、松原は一般人だったということだけだ。
真犯人を捕まえたい。
犯人に相応の罰を与えたい。
その執念にも似た気持ちが真実を明らかにしていく。
読み終わってみればそれほど奇想天外なトリックでもなく、犯行の動機もありがちなものだった。
逆に言えばありがちな動機、どこかボタンを掛け違えたような動機は、リアルさがあるといえばある。
自分を守ってくれなかった社会への復讐心が犯行の底に見え隠れして、薄気味悪さだけは飛びぬけていた。
物語の中で松原への描写が一番共感できた。
大切なものを奪われた喪失感は、簡単に埋まるものではないだろう。
犯人側へもう一歩踏み込んだ描写がほしかったような・・・。
薄っぺらな犯人像になってしまったことが残念だった。
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猟奇的殺人の捜査を追うに連れ、関連してくる16年前の同様の事件。服役中の犯人の不可能と思われるアリバイを解き、犯人に迫るストーリー。
犯罪被害者の苦悩と葛藤、少年犯罪、異常性癖の果て、鑑別所、児童用土施設の闇など。各人物の視点で物語は進んでいく。
内容的にかなり精神的に堪えるものでした。
正義とは何かというのも。
坂本一寛の秘密と彼に関わる人生、人間関係が物語進行の鍵でしょうか。
ラストは解決と思いきや…。相当なバッドエンドでした。
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登場人物の視点から、謎が解けていく過程がおもしろかった。最後はなんだか、こわくて救われない感じだった。