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傷ついた警察官と、傷ついた犬。
ハラハラドキドキの展開ではなかったけれど、ふたりが寄り添って頑張る姿は自然と応援してしまった。マギーかわいいよー。
読後はとても幸せな気持ちにさせてくれた。
そしてリーランド巡査部長いいなぁー。
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ロス市警の刑事スコットは相棒とパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、相棒は死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだに捕まっていない。警備中隊へ配属となったスコットはそこで新たな相棒―スコットと同様に、大切な相棒を失ったシェパード、マギー―に出会った。アメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞した著者の大作登場。
ロバート・クレイスの作品を読むのは、「天使の護衛」以来だと思う。私立探偵エルヴィス・コールのシリーズは何冊か読んだし、「破壊天使」というノンシリーズものも読んだな。それはともかく、これはなかなかよい。私は犬好きでもなんでもないが、それでも読ませます。
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なんとなくミステリーが読みたいと思って、kindleにてポチって購入。
読み終わって思うこと。
犬好きはぜったい読むべきです。
格別犬好きでない私が読んでも、相棒を失った人間と犬との心の交流に涙しそうになりました。(出張の移動中に読んだのでこらえました)
ミステリーそのものはスタンダードな感じで進んでいきます。それはそれで読者を引き込む力があります。
しかしそれより、犬目線、人目線で描かれる光景の違いや、犬目線の描写力に私は引き込まれてしまいました。
ネタバレしないように記載しますが、マギーがグリーンボールに示す態度の違いに、悲しさとかつての相棒へのリスペクトを感じました。
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市街でパトロール中、銃撃を受け、同僚は死亡、自らも重症を負った警察官スコット。一方、戦場で戦闘中に飼主が銃殺され、自らも重症を負った軍用犬マギー。ともに相棒を失い、自分だけが生き残った彼らが出会い、パートナーとして警察捜査に携わる。
水谷豊ドラマの「相棒」の片方を犬にした感じの警察小説。ただし、「相棒」ほど主人公に個性はない。純粋な推理ミステリー。人情とか、感動とか、恋愛とか要素は一切ない。タイトルももうひと工夫ほしい。
犬を飼ったことがある人や犬好きな人は楽しめる・・・のか?
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プロローグからやや涙目…
軍用犬と警察官の傷を負った者同士の
出会いと第一歩
犬を相棒にした作品はD・クーンツの何作かと「約束の森」と言う作品くらいだったけれど…これはど直球過ぎて、細かなケチをつける隙もなくのめり込みました。
この人の作品、シリーズモノ含め復刊して欲しい。
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字ぃちっちゃいのよ、創元推理文庫。同程度の厚さでも、講談社文庫と比べたら文字数は倍くらいちゃうか。というのは言い過ぎか。老眼が来るとついつい創元推理に及び腰になってしまいます。この文字の小ささで400頁超やけど、読むのに何日かかるやろと思ったら。こんなん反則、プロローグから涙がこぼれる。
パトロール中に事件に巻き込まれ、相棒女性を亡くしたロス市警の刑事スコット。アフガニスタンで狙撃され、ハンドラー(指導手)を亡くした雌のジャーマンシェパードの軍用犬マギー。心身ともに深い傷を負った一人と一匹が出会うとき。事件から9カ月経つも挙げられない犯人を見つけようと、スコットはマギーと組み、捜査を開始する。
私は犬よりも猫派ですが、このマギーはたまらん。しばしばマギー目線で綴られる部分は、有川浩の『旅猫レポート』を思わせます。大切な人を失って、悲しみのどん底にいたマギーがスコットと心をかよわせる過程が良い。また、ミステリーとしても非常に面白く、一言多いけれど人情味のある上司や、そのほか警察関係者も個性豊か。犯人との対峙のシーンは「お願い、スコットもマギーも死なないで」と思わず祈りました。
猫派の私でもやられましたから、犬派の人はもっとたまらんことでしょう。人間を喜ばせるか救うかのためにしか動かない犬たち。べっぴんマギーに私も惚れ込みました。海外ミステリーはなんだか読みづらくて手が伸びないとお思いの方にもお薦めです。
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1月-2。3.5点。
大切な人を喪った、刑事と警察犬。
最初はぎこちないが、段々と絆を深めていく。
刑事を襲った事件を、捜査していく。
当初の捜査ではわからなかった事実を見つけ。。
面白い。ストーリー自体は単純だが、絆を深めていく過程が非常に面白い。
次作も期待。
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この作家はよく知らなかったが、デビュー30年の手練れらしく、互いに手負いの過去を追う人間と犬の繋がりが深まる様子を実にうまく描く。
足元の事件を追っていたら警察内部の腐敗にぶつかったというのは割とありふれた設定だが、過去の事件とも絡め、緊迫感を高める手法はさすが。
結末のカタルシスも十分。
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海外小説の刑事小説は日本のような陰湿な内容と違い颯爽としている。銃社会がそうさせているのは否定しない。
銃で傷ついた警官と、銃で傷ついた軍用犬のコンビドラマはずーっと高テンションを維持したままラストまで迎える事が出来た。よくあるオチではあるが、忠誠をつくしまくりの犬の気持ちを犬主観から書いているのが面白い。
このブクログで誰かが読んだ感想をきっかけに古い書物から掘り出した作品、なんとか賞とか本屋のおすすめ、とかもいいけれど、"誰かが読んだ本”や、図書館での"返却棚"というのはお勧めの宝だね。
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奇をてらうこともなくストレートに面白い”相棒もの”の娯楽小説。 主人公スコットの、失った相棒への思いが、せつな過ぎるやないかーい! 俺的に一番、響いたのはシェパードのマギーが”仲間”に馳せる想い。 俺に、ピークでは体重50kgオーヴァーの超大型犬がパートナーだったときのことをいろいろと思い出させてくれて、激しく感情が揺さぶられちゃいました。電車で読み終わったときには、涙を流し嗚咽をこらている不審者モード全開状態に。。 犬好きには、たまらないんじゃないでしょうか。
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犬が登場する小説は多分にあれど、犬の心を描く小説というのはそう多くはない。西村寿行や稲見一良、日本のシートンと言われた戸川幸夫の名作『牙王物語』などなど。アメリカ探偵小説では、ロバート・B・パーカーやアンドリュー・ヴァクスのどちらも家から一歩も出ない巨犬がいるが、犬の心は描写されない。
心や感情の描写をしないのがハードボイルド、であるけれど、本書は犬の感覚での喜怒哀楽まで含めた描写が最初から際立っている。犬と日頃ともに生活しているわけではないぼくのような人間でも、愛着を覚えたくなるような、それは優しく、かつ特殊能力を備えた危険な犬でもある。
さて、本作はLAを舞台にした警察ミステリ。私立探偵エルビス・コールのシリーズでお馴染みの作家ロバート・クレイスは、2010年にアメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞。巨匠の仲間入りを果たしたこの作家、ぼくは恥ずかしながら全くノーマークだったのだが、本作品はシリーズ外の比較的新しい作品ということもあり、これを機会にと手に取ってみた次第。
物語は、いきなりアフガンの戦場で幕を開ける。哨戒および爆発探知チーム所属のミリタリー・ワーク・ドッグであるジャーマン・シェパードのマギーが、自殺的なゲリラ攻撃によってパートナーである兵士ピートを失うシーンが痛々しい。自らも彼を庇いつつ被弾する。パートナーを守るために。
舞台は移り、深夜のパトロール中に、銃撃事件に巻き込まれた警察官スコットは、相棒のステファニーを失い、自ら被弾し意識を失う。
訓練され被弾し主を失った犬と、負傷しパートナーを失った警察官との、運命的な出会いにより、銃撃事件を探り始めるという内容の、至ってわかりやすく、かつ胸の熱くなるような再生のドラマが展開されるのだ。
素晴らしいのは、やはりストーリーテリングである。前述の通り勲章を受けた作家は、それに値する言葉と文章を駆使し、読者を惹きつける。決して急ぐことなく、一人と一匹が、徐々にPTSDから互いを救い出し合って、チームとして再起してゆく痛みさえ伝わるような日々を、事件以上に殊更丹念に描くからこそ、ことの真相や、悪党たちの正体を暴き出してゆく過程に、無償のエールを送りたくなってくるのだ。
そして敵どもが決してやわな存在ではなく、一筋縄ではゆかない危うい気配を漂わせるからこそ、展開はスリリングで、ラストに待ち受ける対決もまたタフ極まりないものとなる。
次作『約束』で、この一人と一匹コンビは再登場するらしいが、続編と言うより、本来のエルビス・コール・シリーズでのゲスト出演といった役割になるようだ。ゲストというばかりでなく、再びこの傷だらけの名コンビが復活して元気な笑顔を見せてくれる日を期待してやまない。
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父が面白かったと貸してくれた本。
お互いにトラウマがある警察官と相棒の犬が頑張るお話。犬がとても可愛い。そして犬ってこんなこと考えてるのかな~とか思える犬視点が面白い。
作中で一番好ましいのはK9部隊の長官?かな。コワイ見た目でどなるけど犬には優しい。いいなぁ。
話のオチ的には又組織腐敗のお話かぁと言う感じですが、それ以前の情報が少ない辺りは不気味で面白かった。話が動きだすとそうなるよねって感じでしたが。
帯には号泣必至みたいに書いてあったけど… 泣く場面ってあったかなぁ?
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事件が起きたところの描写、車に詳しくないのでイメージしづらくて何度も読み返してしまいました。
あと、最後、活躍した女性刑事がどうなったかについて触れてほしかったな。
まー、犬が出てきて活躍する時点で、私としては☆一つは+されててしまうので。
マギーが出てくる続編は、すぐに入手して読む予定。
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初っ端から涙が止められなくて、というか、しゃくり上げるほどの号泣で目が腫れてツラかった!!
でもわんこ好きな人には超絶オススメです!!
読んだ後にはウチのわんこをぎゅーってしたくなるし、いつも思っている以上にウチの子への愛が爆発します。
しかも、ちゃんと人間のドラマもあり。。
なんで今までノーマークだったんだろう?
これから、ますますわんこ本に傾倒していきそうです♩
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ちょっとズルをして解説から読んだ。どんな犬なの? 興味津々だった。
北上次郎さんは
これは、心に傷う撃った人間と犬の物語だ。ミステリー・ファンはもちろんだが、犬好き読者にも是非おすすめしたい、もう、たまらんぞ。
肉声を聞くような 笑
犬も猫も好き。猫語は少し分かる気がする。犬はいなくなって随分日がたった。
家に来た子供の時はくりくりした丸い眼でそれは可愛いかった、コッカースパニエルだ。大人になると金色の長い毛を持ち成長するにしたがって優美になって声も低く、怒ったこともない。夕方の散歩にいくと逆光で長い毛が光の玉のようになって走る姿が今でも浮かぶ。病気になって、いなくなってしまってからもう犬は飼わないと決めた。
でもこの本を読んで、ジャーマンシェパードと一緒に歩きたくなった。
勇敢なのにメスでマギーという。、仕事が出来るががなんとも優しい雰囲気を持っている。元は有能な爆発物探知犬でしっかり教育を受けている。アフガニスタンでハンドラーが撃たた時にかばって腰を撃たれた。それが深いトラウマになっていて、訓練所でも優れた力があるが勇敢さに欠けるように見える。
そこに、パトロール中に銃撃に巻き込まれ同僚を失った警官スコットが来る。休養の勧告を無視して、現役を望み、犬と組む仕事を選んだのだ。
勧められた警察犬の中から、ストレス障害だといわれたマギーをとっさに選んでしまう。
この傷ついた2人組がいかにもたまらん、この結びつきを折に触れて、ちょっと、これでもかと書いてある部分は、泣かせる気?解っていてもウルウルとなってしまう。
そんなマギーとスコットの友情が深まるにつれ、銃撃の犯人を捜すことも核心に近づき、ますます危険が迫ってくる。
情け容赦なく発砲した犯人たち、殺された2人の側からつながりを探しだそうとする、危険な仕事に足を踏み入れる。
そういったストーリーも面白い。マギーの特殊な嗅覚は驚くべき力を発揮する。嗅覚の鋭敏さは全ての犬が持っているが、マギーのような犬種はそれが特別に優れているそうで、その鼻腔の構造も、関知細胞も人とは比較にならないほど発達していると言う。
殺された相棒が「置いていかないで…」といった最後の言葉が悪夢になって苦しめる。犯人探しは止められても止められるものではない。だが徐々にマギーもも回復しているようだ。
事件は意外な展開を見せてくる。
これを読んでいる間中、スコットがそばで座っているマギーを撫でていると、なぜかそばに犬がいるような気がした、余りに従順で勇敢で、言葉に敏感である。落ち込めば気配を感じて慰める眼をする。
マギーを読んでいる時はマギー一色になった。久々の一気読み。