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高校生の男女4人組。
それからの20年、彼彼女たちは別々の道を歩んでいく。
その間、お互いの思いを手紙(ハガキ、FAX)などでやりとりしながら、付かず離れず、いや、くっ付いたり離れたりして、人生を歩んできた。
その過程を全編、すべて文章のやりとりだけで構成された異色の作品。
書き損じ、或いは書きながらも投函できなかった手紙なども含め、登場人物の思いが読者に伝わってくる。
青春時代から、中年の時代になるまでの足跡。
高校時代、卒業、就職、結婚。
1970年代、80年代頃の時代に流行した懐かしい音楽やその時代の風俗も思い出させてくれる貴重な物語。
十年以上も前に書かれた作品だが、今読んでもその面白さは十分に伝わってくる。
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一番好きな本です。まず構成に驚かされ、内容にも惹かれてしまう。後味が悪いわけではないですが、読み終えた後は切ないもやもやが残り良い意味で引きずりました。年代でいうと、私よりもっと上の方々の青春でしょう。しかし人間の感情と言うものはどの世代でも変わらないもので
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男女の縁はタイミングなんだなぁ。
ままならなさにグッと来てしまう。
遠藤さんと都築くんの絶妙な距離感がなんともです。
書簡形式の小説って読みやすいし面白いなと改めて思った。前に読んだ森見登美彦の「恋文の技術」も書簡形式で面白かったなぁ。
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最初はなんか文章は読みやすいのに読みづらくてなかなか入り込めなかったけど、段々と面白くなってきて最後の方はあっという間に読んでしまった
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この本の中の4人は高校の同級生
わたしより、ちょっと年上かな
なので、高校生のときに流行ったもの
流行歌、アイドル、なんだか懐かしい
そして、高校生のころの
いま思うと愚かで、でも一生懸命だったことなど
ちょっと笑っちゃう
縁がずっと細く繋がっていき
それぞれの事情が変わり、新しい出会いがあり
間違えて、つまづいて、苦しんで、
出した手紙、出せなかった手紙
メモ、FAX、4人以外の人たちのものも含めて
とても変わった小説形態だと思いますが
結構、楽しく読みました
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8/1
p168
ラクってなにかっていうと、他人と深く接触しないですませる、ってことです。それがぼくらの世代の美意識だって言ってしまうのは簡単だけど、逆に言えば、他人と接触することや自分の内面を直視することを、前の世代よりもはるかに怖がるようになってるんでしょうね。
p342
あのころ。なんて単純で、なんて、一日一日が新鮮で、なんでもドキドキしてたんだろう。なんて、一年が長かったんだろう。体育祭での優勝がなんて大事なことだったんだろう。夜まで教室に残ってる日がなんて「特別な」日だったんだろう。体育祭の夜、チャリンコで神社に行って興奮して笑った。〜〜〜なんて、なんでもないことがきらめいてたんだろう。テストがなんてこわかったんだろう。
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すべて手紙形式なのでスルスル読めました。次へ次へどんどん読めるので退屈がありません。
この時代を自分自身で体験していたら雰囲気も感じ取れてもっと面白かったのかな、と思います。
内容は同級生たちの大人になってのストーリーで、縁やタイミング、男の性質、女の性質など色々感じさせる場面も多くありましたが、全体的には残念ながらそんなに面白い内容ではなかったです。時間がある時にでももう一度最初から読んでみます。そしたら何か変わるかな…?
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タイトル「終業式」に惹かれて
初めて読んだ姫野カオルコさんの作品。
高校時代からそれぞれ登場人物が大人に
なっていく過程が手紙形式で描かれています。
手紙形式でどこまで話が進むのか…
疑問に思いつつ読み進めると、不思議。
通常の小説のように登場人物の心理や背景が
描かれてなくても話は進んでいく!
最初は高校生。
誰もが授業中に受け渡ししたような
日常を綴った手紙のやり取りから、
大学生、社会人となるにつれて
それぞれのタイミングごとに綴られる手紙。
もしくは出すことはなかった手紙。
もちろん100%出来事を説明はしていないので
足りない部分は読者の想像力でカバー。
でもそれでも話としては成り立つのですね。
中盤以降は落としどころはどこなんだ~?と
想像しながら読んでいたが、
まさかの元サヤとは(笑)
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高校時代を共に過ごした4人の男女の物語.設定は昭和50年代が舞台だろうか.僕よりも一回り前の世代の主人公たち.それでも今みたいに携帯やインターネットが無いということではあまり変わらないだろう.全編が手紙の形で物語が進むので慣れるまでちょっと苦労したが,なんともノスタルジックな雰囲気が良かった.そして今も昔も若者は変わらないなぁと少し安心しました.初読みの作家さんでしたが満足.
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あとがきでは、八木悦子が主人公とあるが、私は遠藤さんと都築くんの話だと思って読んでいた。
いやらしい女性をかかせたら、やはり姫野カオルコさんにかなう人はいないですね。ミポリンのキャラは秀逸だと思います。ホイホイ引っかかる男性も頷けます。
ただ、私が共学出身じゃなくて同世代じゃないからでしょうね、所々「そういうものなんですかね?解らない」箇所があり躓きました。よって星は三つです。
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手紙、時々FAXの往復書簡形式。時代をわかりやすくするために当時の流行り言葉やニュースなどがちょこちょこ挟まれている。それが???となったりもしたけどまあストーリー上は問題ない。
行間に光や色が見えたり感情が見えたりして面白かった。ノスタルジック!
遠藤が幸せになってよかった。
遠藤と都築のなんともいえない関係性が好きです。
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夏休みの課題として読んだ本。この作品はすべてが人から人への手紙だったりメモだったりして、初めは読みにくかったけど一気読みしてしまった。私たち読者への想像の余地がたくさんあって楽しんで読むことができた。
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ツ、イ、ラ、ク、以来の姫野カオルコ。
真っ当にいい小説だなと思った。書簡体小説好きなので気に入った。
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読み始めてみて、初めは「あー、帯に騙されたかな。」と思ってました。
というか、単に読み辛かったです。
中高生の色々な話し方が混じった文章だったので。
だけど、読み進めていく内に引き込まれていきました。
というのも、手紙って基本的には1対1でやりとりするもので。
他の人に見られるものではない、と思ってます。
ましてや、書いて投函しなかったものなんて誰にも見られない本音の部分です。
で、純粋に本音の綴られた人様の心内を盗み見てる気がして、悪いなって気持ちと同時にドキドキしました。
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僕が一番好きな小説です。
恋愛小説として大好きです。
今までも沢山恋愛小説を読みましたが、この小説が一番です。
他の恋愛小説と、何が違うのか。ちょっと考えてみました。
一言で言ってしまうと、それは「僕の身の丈にあっている。」と言うことです。
もちろん、傷心の海外旅行での出会いとか、クルーザーで港の夜景を見ながらのデートとか、そういう恋愛小説も好きなのですけれども、そこには「僕」がいません。
そう、「終業式」を読んで、僕が「一番好き」と断言できるのは、「たとえば登場人物の中に僕がいても違和感がない。」僕の身の丈にあった恋愛小説だと言うことです。
物語は、一九六〇年頃生まれた同級生四人の高校時代からスタートします。舞台は、静岡県浜松付近。僕が生まれた年代や土地柄とは全く異なります。それでも、「僕が登場してもおかしくない。」と思えます。何故なのでしょうか。
それが、この小説の他では読めない、恋愛小説であるポイントのような気がします。恋愛に対する四人の試行錯誤。これが、ポイントではないかと思います。
都築は行き当たりバッタリですし、悦子は雰囲気に流されやすい。島木は猪突猛進ですし、優子は考えすぎなのですけれども、みんな失敗しながら、少しずつ大人になってゆきます。
おきまりのパターンを踏まない恋愛は、試行錯誤、遠回りです。でも「恋愛」って、そういうものですよね。自分の好みの異性は、自分で見つけるしかないし「見つかった」と思ったら、相手にも「見つけた」と思ってもらえるように努力しなくてはならないのですけれども、それって、必ずしも雑誌に載っているようなテクニックがうまくいくとは限りません。もし、失敗したとしても、誰もフォロー(例えば、替わりを見つけてくれるとか?)してくれません。結局、自分でどうにかするしかないのです。たとえ、うまくいって、ドラマに出てくるような、トレンディーな恋愛になったとしても、それが幸せへの切符であると思えません。そんな僕は、登場人物の試行錯誤に励まされるのです。僕も「今は遠回りをしながら、でも前進しているのだ。」と思えるのです。
自分の恋愛観を「遠回りが趣味」とは思いませんが、こんな登場人物たちに共感がもてる人とは、きっと仲良くなれる。そんなふうに思える恋愛小説でした。
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角川書店から新たに刊行されたので、買ってみました。今回読んでも「やっぱり、保坂の気持ちがよく分かる。」なのですが(^_^;) 今回は、都築が終盤に悦子へ送った手紙(角川文庫ではp328~)にも注目しました。悦子が、相変わらず別れた男へ自分の欲求を訴えている(同p308~)のに比べ、都築のこの手紙は、悦子への接し方(つまりは女性への接し方)の変化が伺われます。男三兄弟の真ん中ッ子として育った彼が、遅まきながら、女性への接し方を学んだ様子が伺えます。僕も、男三兄弟の真ん中なので、今後(ていうか、今、ちょうど、ラストの都築と同い年(^_^;)だから、今こそ!)彼の後に続こうと思います。