投稿元:
レビューを見る
箕浦との関係に嫉妬する。読んだきっかけが先生だったし、江戸川乱歩なんてよんだことなかったけどめちゃおもしろかった。表現が少し難しいところもあったけど普通に読めたし、事件のトリックが今読んでも新しい。とにかく箕浦との関係に嫉妬する(2回目)
投稿元:
レビューを見る
最高のエンターテインメント、最高の大団円。
諸戸道雄というキャラクターの魅力的なことよ…
報われなかったけど、救われてはいたと思いたい。とても切なかったけど、それも良かった。
投稿元:
レビューを見る
おそらく高校生頃から読もう読もうと思ってずっと読んでいなかった本。
その間に漫画も3種類かな?でて全て手に入れて2作読んでからとうとう読んでみた。さすがに何種類も読んでると漫画化にあたって削られた部分も違う作家さんによって補い合われていてそこまで発見はなかったがそれでもなるほどそういうことかと思う部分もなくはない。親方が諸戸の両親の実の息子だとか。
あと漫画でもどう解釈していいのかわからなかった君の頭、真っ白だよ。の部分の道雄の笑顔。「道雄はそういって妙な笑い方をした。それが私には泣いているように見えた。」の文が印象的。面白がってる笑顔でもなく悲しんだ顔をするわけでもなくこの笑顔はなんだろうと思っていた部分。文で読んでもはっきりとはわからなかったのだけどあの絵は泣いているような笑顔を表したのね、と。これは漫画を読んでいなかったらさらっと読み流してしまったかも。
初めて原作を読む江戸川乱歩。ちょっと見慣れずに読めない漢字がでてくるものの文章自体は想像以上に読みやすかった。面白かったー
投稿元:
レビューを見る
江戸川乱歩の傑作集が気に入ったので他の作品も、と思い購入。傑作集の、人物心情描写巧みな推理ものとは一線を書くものを読んでみた。
現在ではこのような話は出版できないだろう。主人公簑浦の婚約者が殺害され、謎を解いていくところまではよくある話。簑浦に対する同性愛的な恋情を抱く諸戸の登場。自らに対して非道な行いをした者への恨みとして健常者を撲滅する目的で奇形の者を人工的に産み出す諸戸の「父親」、それを金儲けではなく自らの悲願として地に手をついて息子に協力を頼むところが個人的に一番ゾッとした。
読んでいくとゾッとする中で、諸戸の簑浦に対する恋情とそれを知ってて振り回している❨ようにしか見えない❩簑浦のやりとりの一種の耽美性と歪みとがとても際立つ。その意味もあり、読後はぼーっとしてしまい、普段自分は同じ本を続けて二度読むことはないが、2回目をじっくり読むほどであった。
投稿元:
レビューを見る
ひさびさの乱歩。しかも初の中篇。あいかわらず乱歩しか書きえない世界。衆人環視での殺人事件など謎解き要素があるのでミステリに入れているけど、個人的には幻想文学だと思っている。
あまりの恐怖体験のため一夜にして白髪になってしまった蓑浦。彼の回顧録という形で語られていく異様な物語。婚約者の初代が殺され、蓑浦は自分に懸想していた諸戸道雄を疑う。友人の探偵深山木に調査を依頼するが、真相を掴んだと彼が告げた直後、衆人環視の海水浴場で殺されてしまう……
とまあ、ここまでを書いても面白い展開なんだけど、ここからさらに蓑浦は諸戸とともにある島へ乗り込んでいくことになる。そこへ行くきっかけとなる手記の内容もすごい。
今の時代だと逆にいろいろ引っかかって書けないものを題材としている。差別的表現も頻発するし。でもそれさえ気にしなければ、とにかくめくるめく面白さ。ラスト近くは冒険小説のような展開にもなる。
この作品の面白さは蓑浦と諸戸との同性愛的関係が描かれているところだと思う。諸戸は物語上、重要人物でもあるけれど、かなり蓑浦に都合のいいように描かれている気がしないでもない。肩入れするほど好人物とは言えないが、最後まで読むと気の毒に思った。
投稿元:
レビューを見る
学生T、高校時代の後輩からのおススメ。「中学時代の私でも読めたのでホラーが苦手な人でも読めるはずです。話も一つ一つが短いので、読みやすいですよ」
投稿元:
レビューを見る
江戸川乱歩らしい気持ちの悪い怪事件でした。
恋人や友人の殺人事件を追ううちに、とんでもない鬼ヶ島に辿り着いてしまう話なのですが、
その島で行われていた悪趣味で不気味な活動や全ての元凶の正体の謎解きが常軌を逸していてとても面白かったです。
端的に月並みな言葉で言えば「キチガイ」物語ですが、
「パノラマ島奇譚」のような不思議で不気味な孤島が舞台で、閉鎖的な圧迫感や死の危険を漂わせながらも暗号解読や宝探しなどもあり、冒険小説のようにワクワクしながら読み進められる不思議な作品でした。
投稿元:
レビューを見る
問題作であり衝撃作。
身体に障がいのある方が読んだら、また違った感想が出てきそうです。
ナイーブな問題をテーマにしてありますが、そこはそこ、優しい。
しかし胸が痛む。
昔はこんなにも虐げられていたのかと連想してしまう。
敢えてテーマにしたのは、内容の流れから言えば乱歩の優しさだと思います。
誰が犯人か分からず、右往左往させられました。
投稿元:
レビューを見る
主人公の美青年と美少女が恋に落ちるのはまぁ普通のことだし良く分かる。しかし、そこにさらに美青年が美青年に恋をしてぐるぐるした人間関係と、密室殺人などが絡んできた。もう一人の同性愛者で美青年の諸戸道雄さんが可哀想でした。これで年末の読書会番組にそなえられた感じで楽しみです!!
投稿元:
レビューを見る
NHKの深読み読書会「江戸川乱歩“孤島の鬼”」が放映されるのを機に読了。
番組で言われていた「(乱歩ワールド)全部入り」「本格探偵小説と怪奇冒険小説のキメラ」という紹介になるほどと思う。
長編の乱歩も良かった。
投稿元:
レビューを見る
繋がりが無さそうな人達の死、不気味な登場人物たち、先が気になる不気味なお話!
2代目探偵の諸戸道雄さんが背負うものがだいぶ重いっ……
悪逆非道な実父、男性(蓑浦)への恋心……
蓑浦さんも婚約者を殺されてなかなか辛い経験してたけど、1番切ないの諸戸さんでしょう?
乱歩さんは諸戸さんの同性愛の要素は邪魔物と語ってるようだけど、諸戸さんのこの切なさがなかったらなかなか単調な物語になっちゃっただろうな。
主人公の手記で淡々と進んでいって、途中から復讐心よりも好奇心なのが読んでいてわくわく。
婚約者の妹だからと言ってすぐに好きになるもんかね……?そこだけ不満(笑)
どうにか諸戸さんを幸せにしてあげたい。悔いが残る。
投稿元:
レビューを見る
江戸川乱歩作品の唯一の同棲愛を描いたミステリー。
書店で見つけたとき、あまりに好みな装丁で購入しました。
「若くして自分の髪が全て白い理由、妻の足の付け根に大きなアザがある理由」の全貌について、主人公ーー蓑浦くんの書いた文章を辿りながら知っていく小説。
まず、文章や内容が壮絶でありながら、実に耽美です。
ミステリー自体は重く不気味な内容ですが、そこに同棲愛描写を絡めることで絶妙な物語展開になっています。
また、心理的読みずらさが緩和されて面白く読むことができます。
内容は同棲愛ですが、あくまでミステリーですので、同棲愛が苦手な方でも苦なく読めると思います。
耽美な作品が好きな方や興味を持った方など、是非読んで見てください。
投稿元:
レビューを見る
あらすじ、序章を読んだだけではタイトルの意味が全く分からず、話の展開が読めないので続きが気になって一気に読んでしまいました。中盤の今までバラバラだった内容が一つに繋がる辺りが最高でした。一晩で白髪になってしまった理由が思っていたほどではなかったことや、ラストはどうなんだろと思いましたが、話がしっかりまとまっていたり、島の描写の素晴らしさなどから、今まで読んだ乱歩の作品で一番面白いと思いました。
投稿元:
レビューを見る
主人公の自分語りから始まる本書は、読み始めてすぐに乱歩の世界に入り込んでしまった。
同性愛と障がい者がテーマのミステリーで、後半点と点が繋がっていく様は、読んでいてワクワクし、時に息が詰まりそうになった。
タイトルや表紙の意味が分かった時は気持ちが良く、芋虫や人間椅子が有名であるが、個人的に乱歩の中で1番面白いと思った。
【以下ネタバレ含む】
乱歩が描く恋は、どれも純粋で激しく、今で言う重いものだと思う。
主人公が亡くなった初代の骨の灰を飲み込んだり、主人公に想いを寄せる諸戸の言動など。
人を愛するが故に、理性が飛び、狂い、時に人を大きく変える。
その描写が濃く描かれ、ミステリーの謎解き以上に惹かれるのだ。
諸戸の父の過去や怨念による事件の意味など、想像以上の展開で読み応えがあった。
障がい者製造など恐ろしい考えであり、解説にも記載があった通り、昔他国で似たようなことが実際あったことに、ゾッとした。
投稿元:
レビューを見る
主人公の婚約者が殺され、雇った探偵も殺され、主人公に想いを寄せる諸戸とともに事件を追うお話。正直、最後にもう一個どんでん返しがあるのかなと思ったら、そのまま終わってしまったので少しがっくし。素以後の諸戸の言葉は好き。