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終盤"ペルシャ人の手記からの引用"になったあたりからサスペンス要素が
増して、ぐっと面白くなります。それまでは、疑心暗鬼の繰り返しで少し退屈かも。
けれど、読んでおいて間違いのない古典なのは確かです。
MVP:なし
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"ガストン・ルルー
フランスの推理小説家
元はジャーナリスト
1910年刊行
焦がれ死ぬ怪人エリック
どこかで幸せかもしれない
ラウル・ド・シャニー子爵
クリスティーヌ・ダーエ
私(たぶん作者)がオペラ座の怪人の謎を解いていく形式
そこに集めた証拠(支配人やペルシャ人の手記)が加えられる
三者の純愛を巡る愛憎劇的
だけど怪人が実際に人を殺してるかは微妙?
醜い容姿から地下での生活を余儀なくされ
その才能ゆえにも苦しみ
結局は与えられなかった愛情に死す
作者はエピローグで可哀相と締めくくるが
怪人に共感するだけが読み方ではない
結局、ダーエはラウルを愛してたのだから
ストーカー的に横から入ったが諦めただけ
だとしたら、歪んだ愛情表現でしかない
それすらも可哀相と思うだけのしゅつじではあるかもしれないが。。。"
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19世紀のパリ、オペラ座。
劇場の地下に住むという怪人と、怪人に愛された歌姫、歌姫を愛する貴族の常軌を逸した三角関係の悲劇。
支配人の退任記念ガラ・コンサートに沸くステージの裏側では、髑髏の顔を持った恐ろしい怪人目撃情報で大騒ぎになっていた。
何かを隠すような素振りを見せる前任支配人。舞台の地下で見つかった大道具主任の死体。一夜にして大スターとなったクリスティーヌ・ダーエ。
いくつもの謎と、奇妙な出来事が純粋にダーエを愛するラウル・ド・シャニー子爵をオペラ座の地下へ引きずり込んでいく。
長くオペラ作品や多くの映画、映像化で愛されてきた作品。
人の前に突如、姿を現しては消失する“怪人”はオペラ座の人々を裏で支配する魔術師や亡霊のような存在。
当然、立ち向かう術はなく、最愛の人、ダーエを目前で連れ去られたラウルも戦意を喪失してしまう文字通りの“怪人”である。
何よりも厄介なのは、被害者であるはずのダーエ自身が“怪人”に惹かれてしまっていること。
しかしそれは愛ではなく同情に近く、同情は恐怖へと変わっていく。
納得の行くはずのないラウルはダーエの拒絶にも食い下がり“怪人”の支配から解き放そうと苦心する。謎の男“ペルシャ人”の力を借りて。
献身的かつ犠牲的なダーエは何度もラウルを惑わせる。ラウルも貴族出身の為か、暴走するものの空回り、何も出来ない青二才である。
物語は終盤に至るまでほぼ進展せず“怪人”とダーエの永遠に結ばれる日が間近に迫っていく。
“怪人”の過去を知る“ペルシャ人”の登場により、ようやくオペラ座最深部に乗り込む二人のナイト。どっちつかずの捕らわれの姫君。孤独な“怪人”。
登場人物は皆、自分勝手だ。
その打算なき自分勝手さが、ストレート過ぎる想いが悲劇となって収束する。
愛すれど愛されない。
一度、掴んでしまったものの消失。
目に見ることの出来ない本心。
同じくパリを舞台にした「ノートルダムのせむし男」を彷彿させる悲劇であり、江戸川乱歩の「二十面相」シリーズを思わせる奇怪サスペンスで読み応えあり。
“その後”を描いた続編があるらしいが、知らない方が良さそうだ。
ガストン・ルルー その他の著書
・黄色い部屋の秘密
・黒衣夫人の香り
・ヴァンサン=ヴァンサン坊やのクリスマス
などなど。
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angel of music!!劇団四季のオペラ座の怪人に感化されて読了。
ファントムのどへたくそな愛があまり書かれていなく、ファントムは化け物。ただの怪奇小説だった。そう考えると四季の脚本監督はすごい。繊細なファントムの気持ちを美しく感じるほどに表現されている。
あとラウルが微妙な役になっていた。無鉄砲に「クリスティーヌ!!」と叫びまくっているだけだった。もっとデリカシーある役だったらなぁ。好きになった理由が幼なじみでは…私は好きにならないかなp(´ω`q)
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オペラ座の怪人についての調査報告書って感じの構成と文章。普通に三人称の物語として書いた方が登場人物に感情移入できたんじゃないかなぁ。ストーリーや設定は面白い。
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意外と読みやすかったです
映画 ミュージカル 小説と登場人物の印象が少しずつちがう
小説はエリックがより人間らしくて未熟なところが出ていたかも。
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本日(2010.12.17)、映画「オペラ座の怪人」(2004年)がTVで放映されるらしい。例のミュージカル翻案と同じ(ほぼ)映画、劇団四季による全面吹き替え、らしい。映画のほうは実はDVDを持っていて、かなり何度も再生鑑賞した。劇団四季の舞台も、ご縁があって最初の頃の公演を一度劇場で鑑賞した。A・ロイド=ウエッバーの音楽には、他にもけっこう馴染みが。TV、観てみようかな。さて、でも私、この原作角川文庫版を持ってるのにちゃんと読んでなかった!!というわけで、今宵はこれを読み渡してから眠ります。プロローグからして、映画や舞台を知っている者にも、その期待を裏切らない。……当然かも、こっちが本家本元なのだし。文字からこそ感じられるもの、を堪能します。
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映画を見てから書籍を読みました。
映画に出てこないところは、すこし分かりづらかったですが、
全体の構成要素についての知見があるので、なんとか最後まで読み進みました。
映画か劇作を見ていなければ,読まなかったかもしれません。
作品の仕上げ方の勉強になります。
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ちゃんと最後まで読まないと、後悔したんじゃないかってくらい、ファントムが魅力的で息苦しくて、さみしい。
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今までなんとなくストーリーは知っていたけれど、改めて読むと…「こんなに面白かったのか!」と感嘆。
謎が投げ掛けられ、徐々に解かれていくストーリー。テンポよく読めます。うわ、オペラ座いきたい(笑)
「きっと私も誰かに愛されれば、優しくなれるのだ!」と叫ぶエリック…
エリックの苦しみ…醜さゆえに、未だ見ぬ愛に憧れ、求め、狂っていく…
今はまだエリック目線でしか読めてないけど、また数年後に読むとクリスティーナ目線で読めるかな?
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原作は確かに怪奇伝。
だけれど、この物語をよく、ロイド=ウェバーはあんなに美しいラブストーリーに仕立てることかできたものだと
心から感嘆する。
原作を読んでエリック(ファントム)がどういう人物だったのか深めることができた。
人間の優しさに涙を流したエリックは生まれ変われたのではないかと思う。
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映画化や舞台化もされているけれど、ドキュメンタリータッチで描かれるこの原作が一番気に入っている。
ファントムが生身の人間だからこそ恐ろしく、史実と前置きされているからこそ惹きつけられる。
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映画を鑑賞後、そのままなだれ込むように原作へ!訳が苦手だったのか、本作の味なのか、何度も何度もツッコミをいれてしまいました…。
ファントムの生活感溢れる台詞や行動、なんともいえない手作業感、クリスティーヌの心情、などなど。
けれどファントムはとても魅力に溢れているし、展開に胸を躍らせながら読めました。
別な訳も読んでみたいです。
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映画が好き過ぎて原作も読了。ドキュメンタリータッチで描かれるオペラ座の悲劇。歌姫クリスティーヌとファントム、ラウル子爵の三角関係。人の愛情を知らずに生きてきたファントムは愛し方がわからなかっただけじゃないのかな…ファントムが愛しくなる。
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ミュージカルでお馴染み。
ある新聞記者が、オペラ座にまつわる怪奇現象と、それに関わった人々の数奇な運命を調査し、真実を明らかにしていく形式をとっている。
壮大な推理物として読むこともできるが、怪人とクリスティーヌ、ラウルの悲恋として読むこともできる、まさに怪奇ロマン。
恋愛は心の投げ合い。取り損ねれば粉々に砕ける脆いもの。理解がなければ始まらない危険な遊び。でも、ちゃんと投げれば、必ず相手は受けとめてくれる。
怪人の心はその投げ合いに耐えきれないほど繊細で純粋だった。