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いま、「日本の面影」という本を読んでいる。
さすが角川の本だけあって17版めにしてまだ誤植がありますが、中身はスゴク面白い。
日本についてすぐ、やとった車夫の名は「チャ」。
ホンマに日本人か?!と思いますがとりあえず読み進めていくと。
盆踊りは、昔は静寂の中でしていたそうで。
今は、「東京音頭」とか(東京だけかもしらんが)すごい音量でかけてますが。
音もなく揺れうごき織るように進むあの優美な姿は、今夜白い燈籠をつけて迎えられた冥土の人々ではないのだ。ふいに、小鳥の呼び声のように美しくて朗らかな顫律にみちた一曲の歌が、娘らしい口からさっと流れだしてくる。すると、五十人の優しい声がその歌に和した。
揃うた 揃いました 踊り子が揃うた
揃い着てきた 晴れ浴衣
またもや蟋蟀のすだく声、足のシュウシュウいう音、かるく手をうつ響だけになった。
というような踊りだったのですね。いまでもどこかでこういう踊りをやっているのでしょうか。
そして、出雲にある子供の霊の洞窟の話。
その洞窟には、小さい石塔が一面に積んであって、それは子供の霊が積むんだそうな。
洞窟の奥の砂地のところには、子供のはだしの足跡があって、人々がかわいそうに思って草鞋を供えるんだけど、足跡はいつもはだしなんだそうな。
ひどいあらしの時には、大きな波が荒れ狂う鬼のように洞窟のなかへなだれこんできて、小さな石の塔をみんな押し流して小石にし、地蔵の像も岩にたたきつけてしまう。しかし、いつでも、あらしのあとの最初の静かな夜には、石の塔はもと通りにされるのである。
「仏が心配して、泣き泣き積み直します」
行ってみたい〜!!
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日本に初めてやってきた喜びと驚きが、率直に書かれていて、読んでるこっちが誇らしい気持ちになります。また、日本人にとって当たり前のことが改めて日本的なのだ、と気づいたりもします。でも、やっぱり、今の日本には見られなくなってしまった、人びとの生活の形や、素朴な信仰には目を見開かれます。
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5月6日読了。
K先生のゴールデンウィーク課題のため。
正直、この内容で読書感想文は書けない気がする・・・・。
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ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が、当時の日本という国を書いた本。いくつかの章を組み合わせた本なので、時系列で並んでいるわけではありませんが、彼が彼という人間そのままの『眼』と『心』で感じた日本が書かれています。
読んでいるこちらが萎縮するくらい、彼は日本を賛美しています。
初めは、ヨーロッパに生まれ、アメリカから来日してきた人の、単なる無いもの強請りのように感じましたが、彼の日本に対する感受性は、それだけには留まりません。
単純に東京や横浜などの都市部を回るだけでなく、山間部など、本当に日本の『日常』が息づくところを回っているのです。
もし都市部だけであれば、きっと彼の感想は「日本は西洋の文化を取り入れつつある、近代化が進んでいる国である」とだけに留まっていたでしょう。
けれど、彼の探究心はそこではなく、『本来の日本の姿』にある。だから、見た目の景色や文化に留まらず、自然環境や日本人の礼儀作法、更には今も息づく伝説に至るまで、事細かに観察しては記しています。
もし彼が、『今の』日本に来たならば、どんな感想を持ったでしょうか?
この本を、日本人に強く勧めるならば、かつて日本に栄華した文化や環境以上に、日本人の『心』に注目すべきではないかと考えます。
単に環境や文化を、過去の通りに見繕っても、決してそれは『日本らしい』とは言えないでしょう。ただの模倣に過ぎません。
『日本人』が『日本人』であるが故の『心』、もう一度、見つめなおしてみませんか?
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●2007年読了
日本のことをこんなに愛してくれている他国の方がいらっしゃるなんてとても嬉しいですw
でも、ハーンが愛した日本のよさがだんだんと失われていっているような気がしてなりません。。。
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ラフカディオ・ハーンの日本到着直後の感想から
日本の研究の記録、エッセイ、日記。
描写が美しい。
時代もあるのだろうけれど、
この本を読むと
日本とはなんと素晴らしい純粋な国なんだろう、
と思う。
心が洗われます。
日本に魅せられるのも道理。
日本も今とは違うですね。
多分それは惚れすぎた故の過大評価もあるのだと思うけれど。
最後の「日本人の微笑」での日本人への理解なんて
素晴らしすぎる。
西洋人に読んで欲しいな。
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ラフカディオ ハーンが見た日本を素直に書いているように思います。ジャーナリストの視点は、読んでいて納得します。
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『知られぬ日本の面影』から選ばれたアンソロジー。
内容を簡潔に言うなら、外国の方から肯定的に見た明治の日本とハーンの考察。
日本文化に詳しくない人にも分かりやすく、説明的。
エッセイやコラムと言うよりも、一つの文学作品だと思うような文体で書かれています。
美しい文章で、少し美化されすぎているような気にもなりますが、ハーンの日本や日本文化に対する理解には、いっそ感動を覚えます。
昔ながらの日本文化に対して郷愁をおぼえる方には、お薦めの一冊です。
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http://blog.happyblossom.boo.jp/?search=%C6%FC%CB%DC%A4%CE%CC%CC%B1%C6
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何度でも何度でも読み返したくなる。
特に夏「盆踊り」のあたりをまたもや...
ここまで素直に日本を感じられるなんて圧倒される。
池田先生には大学で短い間だけどお世話になった。
情景が浮かぶ訳に、詳しい注。
先生のお人柄を思い出す。
見たこともない遥か遠きこの国の過去に思いをはせる。
なぜだろうか、郷愁を覚える。
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明治時代の松江の人々の暮らしぶり、息遣いがいきいきと伝わってくる。宍道湖の色彩の移り変わり、松江の音を記した部分は、特に秀逸。
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ラフカディオ・ハーン、日本名小泉八雲が書いた「日本の面影」。西洋人が小さな美しい国、日本を初めて訪れた時の感動がスピード感溢れる文調で描かれている。色鮮やかさが目に浮かぶようで面白い。
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好き。
日本で(戒律で悪徳を縛る)キリスト教を流行らすメリットはないって序文が好き。
混血、複雑な家庭事情で育ったハーンは完全なるキリスト教圏の人間ではないのだな。
ハーンが日本好きすぎて照れる。
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失敗したと思ったのは中身を確認しないで別の講談社学術文庫の「明治日本の面影」を買ってしまったこと。こちらを読了して次の本を読もうとして全部ではないが半分くらい内容が被っていること。こちらの本は小泉八雲のアンソロ本であるというような旨のあとがきがあり、上記の本を参考にしている分もあるとのこと。
初めての小泉八雲ということで、とても興味深かった。当時の日本が戦前ということもあり、今とは文化面も違っているようだ。戦中や戦後すぐの日本にも興味が出てきた。
八雲が日本贔屓であることがよく分かり、西洋に対して、あまりいい感情をもっていないことや、今後、日本が変わってしまうであろうことを予見し心配していることがよく分かる。その辺を差し引いて読んでも、当時のことが想像でき、興味深かった。お勧めする。
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目次:
はじめに
東洋の第一日目
盆踊り
神々の国の首都
杵築(きづき)――日本最古の神社
子どもたちの死霊の岩屋で――加賀(かか)の潜戸(くけど)
日本海に沿って
日本の庭にて
英語教師の日記から
日本人の微笑
さようなら
ラフカディオ・ハーン略年譜
訳者あとがき
※ 本書は、「訳者あとがき」にあるように、「『知られぬ日本の面影』(Glimpses of Unfamiliar Japan,1894)の翻訳アンソロジー」、つまり抄訳である。「序文」を含め凡そ27篇の原書のうち、本書が訳出するのは11篇に過ぎず、それゆえの「新編」であることを注意されたい。訳者が27篇からこの11編を選んだ見識を、私は信頼し、また評価したい。
原書の邦訳としては、同じ角川の『日本の面影』をはじめ、『日本瞥見記』『神々の国の首都』『明治日本の面影』(順不同)など、さまざまなエディションがあるらしいので、目的にあった1冊を手にとられるとよいだろう。
それぞれに一長一短はあろうけれども、現代の読者への普及という点では、この『新編』はその役割を十分に果たしている。個人的な感想になるが、翻訳に特有のぎこちなさに由来するストレスがなく、それでいて、原書の英文かくありなんと想像力をかき立てる佳作である(偉そうにすみません)。