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ハイペリオン 上 みんなのレビュー

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みんなのレビュー72件

みんなの評価4.2

評価内訳

67 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

SFというジャンルを集大成

2010/01/06 17:50

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yjisan - この投稿者のレビュー一覧を見る

 28世紀、宇宙に進出した人類は宇宙連邦〈ワールドウェブ〉を形成していた。そして連邦への併合を拒んできた辺境惑星ハイペリオンには古来から人々の畏怖と信仰を集める未解明の建造物〈時間の墓標〉があった。〈時間の墓標〉は時間を逆転させる力場たる「抗エントロピー場」を持ち、時間を遡行して存在しつづけており、時を超越する伝説の殺戮者シュライクを封じこめている、と信じられていた。

 しかし〈墓標〉周辺の抗エントロピー場が突如膨張し〈墓標〉が開き始め、シュライクの動きも活発になってきた。時を同じくして宇宙の蛮族・アウスターがハイペリオンへ大挙侵攻を開始。連邦は敵よりも早く〈墓標〉とシュライクの謎を解明するため、7人の男女を「シュライク教信者の巡礼」という形式でハイペリオンへ送りだした。初めて顔を合わせた7人。しかもその中にアウスターの工作員が紛れ込んでいる可能性もあるという。7人は〈墓標〉へ向かう傍ら、巡礼行に参加するまでの経緯や目的をそれぞれ順番に語っていく・・・・・・

 枠物語(メタフィクション)の形式を用いて、SFのあらゆる要素を詰め込んだ大作。各回想潭ともオチのつけ方が鮮やかで、独立した短編としても楽しめる内容である。個々の物語を読み進むことで、世界観が示されハイペリオンとシュライクに関する真実が少しずつ明らかになっていくが、同時に謎も深まっていく。


〈司祭の物語〉ホイト神父が、ポール・デュレ神父捜索の過程で自らが発見したデュレ神父の日記を紹介していく、という複雑な構成。途中まではヴェルヌやドイル以来の伝統を持つ「異世界冒険潭」の雰囲気があるが、一転してビクラ族の奇妙な風習の意味を主題とした文化人類SFの様相を呈す。ホラー要素もあり。

〈戦士の物語〉ハインラインの名作『宇宙の戦士』を彷彿とさせる迫力の戦記SF。同時に連邦の政治史も説明される。

〈詩人の物語〉延命手術により400年も生きている詩人の数奇な運命を通じて語られる連邦の社会史。サイバーパンクな未来社会を活写しているところが面白い。

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紙の本

な、長い、、、けど上手い!

2005/07/09 09:53

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kokusuda - この投稿者のレビュー一覧を見る

60年代のイギリスで論争になった「SFはスタイルか?アイデアか?」。
現代のSF小説で小説としての完成度を優先させるスタイル派の代表がシモンズ氏のように思います。
ホラーを中心に活動していた彼が始めて発表したSF長篇が本作です。

時は28世紀。
辺境惑星「ハイペリオン」が舞台です。
この星にある謎の遺跡「時の墓標」へ7人の男女が巡礼へ訪れることになりました。
それぞれの運命を背負い、それぞれの目的のため、最後の巡礼として集ったのです。
旅の間に語られる彼らの過去とは、、、。

この時代、超光速飛行により人類は集散を繰り返していた。
200の惑星を瞬間転移網で結び付け形成された「連邦」。
人工知能が人類から独立し独自の存在となった超人工知性群「テクノコア」。
破壊を繰り返す謎の人類放浪集団「アウスター」。
それぞれの勢力がそれぞれの思惑で行動していたが、「テクノコア」は「連邦」を技術的側面で支援し、
「アウスター」は「連邦」を襲って資源を略奪する。
つまり「連邦」が資源と人材を「テクノコア」が技術と情報
「アウスター」が攻撃力を持つ微妙なバランスにあった。

そして惑星ハイペリオンの「時の墓標」の封印が解け始め、「アウスター」がハイペリオンに侵攻を開始。
その裏には「テクノコア」の陰謀が見え隠れし、、、。
「連邦」は「アウスター」の侵攻を阻止すべく軍勢を送り込む一方で7人の巡礼も送り込んだ。
それぞれの勢力は何を狙っているのか?
殺す神「シュライク」がいるという「時の墓標」とは?
7人の巡礼の語る過去が相互に絡み合い大きな謎へ、、、。

通常、作家には独自の文体や文脈があり作風となります。
しかし、本作は一般的な小説の形をほとんど取り入れ構成されています。
文体として一人称、三人称、日記体、回想、夢想、、、。
文脈(形式)として年代記、戦記、喜劇、悲劇、ホラー、ミステリー、ハードボイルド、、、。
その上SFに限らず古今の名作を本歌として使っています。
まぁ、題名からしてイギリスの天才詩人キーツの
有名な作品そのままだし、、、(笑

個人的にはシモンズ氏の使った本歌や仕掛けは面白いけど
訳語を見る限り訳を落とした仕掛けがありそうです。
例えばAI(人工知性)関連の用語はギブスン氏やラッカー氏の作品にかけてある設定があるみたいですが
訳者が違う意味に取っているような部分がありました。
前後の意味は通じているので誤訳とも言えませんが(笑
それにしても様々な文体を使いこなす作者の上手さはスゴイですね。
また最初は無関係に思えた登場人物たちがそれぞれの過去を語り出すと、
その内容により人間関係も変化して、、、。
構成力はスゴイのですが文庫で上下巻900ページを越える本作では全貌が見えません。
何にしても次作「ハイペリオンの没落」も同時に読むのがお奨め。

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紙の本

《時間の墓標》

2001/01/23 17:20

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちゃぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 28世紀。人類は宇宙へとその版図を広げ、銀河に跨る広大な《人類連邦》を形成していた。その辺境にある惑星ハイペリオンには、《時間の墓標》と呼ばれる謎に包まれた遺跡があった。この《時間の墓標》を目指してハイペリオンを訪れる研究者や旅行者は決して少なくはなかったが、ハイペリオンにはまた、シュライクと呼ばれる異形の怪物も跋扈していた。ある日、ハイペリオンの元領事へハイペリオンへ戻れという要請が届けられる。《時間の墓標》を取り巻く抗エントロピー場が膨張し、今にも異形の怪物シュライクが解き放たれる瞬間が近づいているというのだ。さらに宇宙の蛮族アウスターがハイペリオンに侵攻、かくして人類の命運は元領事と、惑星ハイペリオンに因縁を持つ7人の最後の巡礼に託されることになった。
 1990年度ヒューゴー賞・ローカス賞受賞作。著者のダン・シモンズは処女長編《カーリーの歌》で世界幻想文学大賞を受賞した実力派で、本書《ハイペリオン》は1989年に発表されるや本国アメリカ SF 界の話題をさらった傑作である。本書は当初、日本では3000円近くもするハードカバーで出版されていたが(本書の内容と比較して安いと見るか高いと見るかは読者次第だろう)、文庫本となって出版された。だが、物語はこれで終わりではない。日本語版ハードカバーで上下2段組み500ページもあるこの大長編は二部構成になっており、続編《ハイペリオンの没落》をもって物語はようやく終結するのだ。
 ダン・シモンズは詩に造詣が深いらしく、本書では十九世紀イギリスの詩人ジョン・キーツが重要なキーとして登場する。《ハイペリオン》というタイトルもキーツの書いた未完の叙事詩《ハイペリオンの没落》に由来するし、作中にはキーツやアイルランドの詩人イェイツがたびたび引用される。作品そのものはキーツ作《ハイペリオンの没落》をメタファーとし、いくつもの物語を組み込むフレームストーリー(入れ子構造)を重層に織り上げた上に、それらを一つの「創世記」として纏め上げるという仕組みになっている。
 あまり詳しく書いては興醒めなのでこのへんにしておきたいが、ともかく、本書が近年稀に見る SF の傑作であることは疑いようがない。

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2004/09/30 14:25

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2004/10/19 22:26

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2005/06/22 18:11

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2005/07/19 13:41

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2006/02/06 17:24

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2005/08/27 16:40

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2006/04/30 23:54

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2007/09/14 06:00

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2008/06/03 17:14

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2008/12/16 07:08

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2009/03/11 10:18

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