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主人公は中3の少年。
家でも学校でもよい子を演じているが、実は女子に興味がなく、男子に恋愛感情を抱く性癖があることを必死に周囲に隠している。
10歳離れた双子の姉兄にいたぶるようにかわいがられて育った彼は、幼い頃自分を女だと思っていた。
そう洗脳されたと思っている。
だから、女の子として育ってしまったから男の子のことを好きになってしまうのだと思っている。
20年以上前の作品だから、そういうことになっているのかな。
性癖は育てられ方のせいではなく、持って生まれたものだと思うんだけど。
と思っていたら、最後に衝撃の事実が明らかになる。
本人にもわかってはいたのだ、姉兄のせいではないことを。
だけど、認めたくなかった自分。
そして思い出したくない過去。
そういうことを認めるところから大人への一歩が始まるのだね。
学校の人間関係がリアル。
事なかれ主義のものぐさな教師、それとは対照的に必要なときに必要な支えをくれる教師。
教室内の力学に敏感で、人の痛みに鈍感なクラスメートたち。
あまりに自分勝手で、読んでいてちょっとキレそうになる。