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しんどかった。痛々しい、辛い。それなのにどんどん読んでしまう。みんなが平穏になるよう助かって欲しいと願う感じで。
かつて中高生で同級生だった2人が出会い、子育てを通して交友関係が始まる。いじめる側といじめられる側。自分の思い通りにならない子育ての難しさ。そこから派生する親同士の関係。
子育てしてると、赤ちゃん時代は本当に自分というものを放棄する感じで母親として尽くすのみ、成長すると自分の子供時代をもう一度再体験する感じで、子供は本当に何事もトラブルに巻き込まれませんようにお願いしますと心の底から願うようになる。
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中高の同級生だったリラと洋美は
子供の予防接種会場で再会する。
当時は特に親しくしていたわけではなかったが、この再会をきっかけに二人のママ友としての付き合いが始まる。
やがて洋美の子供の敏光は、リラの子供のライトをいじめるようになる…
子供同士の付き合いに親が介入するのも変だけれど、怪我をさせられたり一歩間違えばもっと大変なことになるかもしれないときには
仕方ないと思う。
女性っていつまでたっても
こんなふうに格付けしたり省いたり
を繰り返すんだと思うと怖い。
そして子供は自分の思い通りにコントロールできないから、さらにたちが悪い。
子供の関係性が親にも影響するし。
しつけや叱ることももちろんだけど
洋美自身も敏光をもてあましているし。
自分の子供だけど、1人の人間だから
すべてを理解するなんて、到底無理だろうとは思う。
洋美だけじゃなくリラもライトがいじめられっぱなしなことに不安や苛立ちを感じたりするし。
悩みはそれぞれだけど、本当に子育てって難しいんだと痛感。
まだ結婚もしてないから想像するしかなかった出来事がすごくリアルに描かれてました。
リラも洋美もある事件を境に完全に付き合いを絶つんだけれど、数年後に再会したときの
清々しさといったら!
経験が彼女たちを強くして
フラットな状態に戻せたんだなと思うと
嬉しくなりました。
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中高で同級だった洋美とリラ。
2人はある時、同学年の男の子を持つ母として再会する。
同じ幼稚園に通う息子たちはやがて、いじめる側と傷つけられる「被害者」の立場となる。
洋美とリラの心情も子供の成長と共に日々変化していく。
2人の母親が思い悩む姿がリアル。細部まで丁寧に描かれており、母親としての気持ちの揺れが自分と重なる。
幼稚園では、色々な噂があっという間に広まる。
母親同士の付き合いから、自身の子供との接し方へと悩みは移っていくところもリアルだった。祖母の描き方が良い。
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もう読むのが辛くて辛くて、苦しくて苦しくて。
共感とかそんな生半可なものじゃなく完全にシンクロしてしまった。
子育て中の母親にスポットを当てた作品はたくさんあるけれど、子を思う母親の気持ちをここまで掘り下げて描いたものは読んだことがない。
言ってみれば母親目線で描かれたすごい狭い世界で、子供がいない人や男性には理解できないかもしれない。
でも、分かってほしいどれだけ母親たちが子供に心を砕いているのか。
そうそう、「育てたように子は育つ」
こういうこと、簡単に言ってほしくないわー。
これ、きついよね。だって、一生懸命やってるんだもの。
こんなこと言ったら追い打ちかけるだけ。
ちょっと感情的になりすぎたか・・・。
でも読んでて、うんうん、わかるわかる、そうよそうよって一々感情移入。
赤ちゃんの頃から癇の強くて手に負えない子、やられたらやられっぱなしで何もできない子。
手を出す方、手を出される方、立場が代われば親の気持ちも全く違ってくる。
そんな感情が細かく丁寧に描かれていて刺さります。
第三者からみたらほんの短い間のことって思うかもしれない。
確かに大人になってしまったら、学校時代のことなんて遠い出来事。
でも母親になると、子供と一緒にその狭い世界にまた入っていかないといけない。
子にとってはそして親にとっても狭い世界ではなく、大海原のようだ。
荒れ狂う海で小舟を必死に漕いでいく。
海に落ちないように、難破しないように、ひたすら櫂を漕ぐ。
読み終わって、益々自分が母親業をうまくやっていけるのか不安になった。
でも進むしかない。
そのためにも社会の家族の周囲の理解がどうしたって必要。
保育園の騒音問題とか、低次元な話やめようよー。
社会で子供を育てようよーーーー、と声を大にして言いたい。
すみません、熱くなりました。
小説としてもとてもうまくまとまっていて、朝比奈さんに感服しました。
小中高と同級生だった二人の母親をママ友として再会させる展開、これは巧い。
エンディングも良かった。
子育て中のお母さん、是非読んでください。
一緒に頑張りましょう。
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敏光の乱暴できかん坊具合に母親は手を焼いて悩んでいるというのに、父親の影が薄い。存在感がない。そこは父親の出番だろう、じっくり敏光と向き合ってくれたらいいのに・・・と思いました。仕事忙しいのはわかっています。でも任せっきりにされるのは荷が重すぎます。
子育てって修行だったな、あの頃あ〜んなに大変だったのに、あんなコトもこんなコトもあったのに、過ぎてみれば、この1冊の本のように300ページぐらいに収まるくらいあっという間だった気がする。自分の子育て時代を振り返ってみて、そんなこと考えていた。
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最初は読むのが辛かったけど、どんどん引き込まれる。わかる、わかるよー。子供って、一人一人全然違うんだよね。お母さん達の世界も、あるよなって思った。お父さんの存在感の無さも、妹のあれも。
主人公2人が、色々あっても、自分の中に芯があり、そこに立ち帰るれるから、大丈夫なんだな…と感じた。子育てとは自分の芯を作ってあげる事かも。
最後が、清々しい。
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子供がいないので子育てについては「大変なのね」というだけに留めておくとして、やはりイジメとかの問題にはかなり心が痛む部分が多かった。
嫌いな人に対して、攻撃はしないとしてもどうしても存在を無視するしか方法がないのだが、それだけでもきっと相手は傷ついたりしてるでしょうね。
人間関係ってどうしていけば良いのかスゴく考えされられた。
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中高の同級生だった洋美とリラは、同年齢の息子をもつ母親として、予防接種の会場で再会する。いじめる子、いじめられる子をもつ母親の気持ち、ママ友との距離のおき方、育児に悩む母親たちの日常が語られていく。子育てに奮闘中の若い母親たちにはお薦めの作品。
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道
母と子のつながりというものは、まさに「不自由な絆」である。
子は必ずしも、いや、ほぼ間違いなく親が思ったようには育たない。
どんなに声を張り上げようが、釣ってみようが、それで思い通りになるわけがない。
育てているのは「他人」なのだ。
ネット上には「釣り」と呼ばれるアクセス数稼ぎ、炎上目的の記事もある。
しかし、真に誰にも相談できない辛さや悩みを吐き出しているものもあるに違いない。
それなのに帰ってくる答えの中には「母親失格」だの「甘い」だのそれこそ無責任な言葉ばかり。
たたいちゃいけない、怒っちゃいけない、するな、やるな、だめだめだめ。
自分を後回しにできないことは、子供を憎んでしまうことは、逃げたくなるのは、そんなお前は母親失格だ!!!!!!!!
なぜ母親は「こうであらねばならない」と決めつけられ、そしてそれに従わなくてはならないのだろう?
なぜ皆は責任をたった一人に押し付けるのだろう?
たった一人で未知の世界に挑むことが、どれほど不安で怖くて辛いことか!
本書では、
「『叩けばいい』も間違っているし、『叩いてはいけない』も間違っていると、わたしは思う。子育てには道がないのよ。自分で踏んで作っていくしかないくらい未知の事だから、これは間違いだった、これが正しかった、とは誰も言えない」
「子育てくらいでやつれたり、悩んだりするのは、恥ずかしい気がしてた。ままタレとか、みんなお洒落に子育てしてるじゃん。(中略)自分で自分を追い詰めたた」
とある。
何度もなんども思っては打ち消していたことを、主人公たちが語ることでやっと、理解してもらえた気になった。
育児には王道がない。
失敗もある。
いや、失敗だらけで道が出来ている。
その中で私たちはどうやって生まれたての母と子の成長を支えてあげられるのか。
人が長く生きるのは、他の動物より長い育児期間を皆で支えてあげるためだという。
そう、我々はたった一人で責任を負うのではない。
失敗だらけだから、皆で補い合って命という絆を繋いでいくのだ。
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「子どもは育てたように育つ」というのが「いじわるな言葉」だという件は、妙にわかる気がした。確かに責任は親にあるのかもしれない。けれど、当たりハズレもあるのかもしれない。
なんかもう、誰かの子を見て無意識に、軽はずみに評価してた自分が恥ずかしい。
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好きな題材の「ママ友」モノだったので一気に読了。
学生時代に繋がりのあった2人が出産し、それが同じ年齢だと分かり一気に距離が縮まる。
思うようにならない子育て。
実現しなかった見るからに幸せな家庭。
光の見える終わり方にホッとしながらも、明日はどう変化していくか分からない子育ての難しさについて考えさせられた。
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始めて読んだ作家さん。
おもしろくて一気読み。
わたしもまだまだ子育ての途中。ものすごく、共感というか、わかるわかるの気持ちになる。
他の本も読むっっ。
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学生時代の同級生が再会し、ママ友になる。
ありそうで、先が見えそうなストーリーですが、予想を大きく覆され、想像以上の展開で話が進みました。読んで良かったです。
育てにくい子供がいることは実際にあると思うし、親子の相性もあると思います。
なので、洋美の気持ちを思うと、胸が苦しくなりました。
子供を愛せなかったのではなく、愛せない状況になっていたのだということが、のちのちに分かり、ホッとしました。
子供を通じて知り合った友達が窮屈なのは、経験済み。狭い世界なのだから仕方が無いし、だからこそ、あちこちでのトラブルが多発しているのだろうなと、この年になって、改めて静観できるようになりました。
洋美とリラが、子育てを離れてから、二人の間を再び育んでいきそうなラストに、気持ちのいい読後感を持ちました。
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仕事に生きてきた洋美と専業主婦のリラは、乳児の予防接種会場で再会した。
同級生だった彼女がまさか自分と同じ時期に同学年の男の子を産んでいたなんて。
頼もしいママ友ができたと好ましく思っていたが、こども同士の諍いをきっかけに、悩み苦しみ傷つき葛藤する。
やられるばかりの息子が歯がゆい、乱暴な息子を愛せない。
(アマゾンより引用)
面白かった~(*´∀`*)
子育ての経験はないけれども、何か分かる気がする(´・□・)ア-
章によって時代が少しずつ変わり、目線もリラさんになったり洋美さんになったり、リラさん目線のときはリラさんの気持ちがよく分かるし、洋美さん目線のときは洋美さんの気持ちがよく分かる(笑)
隣の芝生は青…ってこういうことだろうな、と思った
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クラスメイトだったリラと洋美、
ある日、子供の予防接種の会場で偶然に再会する。
息子たちの諍いやいじめ、そこにママ友としてのつきあいも絡んで───
月日が流れ、子供達もそれぞれ成長して、
いろいろあったリラと洋美の間の氷も溶けつつあるような気配。
それはそれで良かったんですが…、
うーん、私だったら…どちらの立場でも難しいかな…。
よく考えたら親子って、お互いに「はじめまして」なんですよね。
まして長男長女なら、生まれて来た子供も一年生、親だって一年生…。
「育てたように子は育つ」なにげなく耳にしてましたが、
悩み苦しみ、必死で子を育てる親にとって、
こんなに重たい言葉だったとは…。
人って自分で子供を育ててみて初めて、親の心を知るのかもしれませんよね。
毎回、心がひりつくような思いをしながらも、
こういった子育て小説を手に取ってしまうのか、少しわかったような気がします。