紙の本
好きと好きじゃないとよくわからないにわかれそう
2015/09/30 22:15
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投稿者:kyod - この投稿者のレビュー一覧を見る
ドミトリー(といいつつ下宿です)の管理人母娘とそこに住む4人の高名な科学者(の若かりし頃)のおはなし。
4人の科学者は、朝永振一郎(ノーベル物理学賞)、牧野富太郎(植物学の父)、中谷宇吉郎(雪は天からの手紙)、湯川秀樹(ノーベル物理学賞)というそうそうたる面々。
もちろんそれぞれに関連するテーマで描かれるけれども、それぞれが短いお話なので(漫画だし)、難解に思うほど踏み込んでないのでとてもあっさり読み終わります。
高野文子の絵はとても不思議な線で、漫画的な見た目と雰囲気ながら、得も言われない味わいです。
この絵とおはなしの内容は、好きと、好きじゃない(嫌いとまではいかない)、とよくわからないにはっきり感想が分かれそうだなー、という感想になりました。
紙の本
読書の秋に
2015/08/30 22:54
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投稿者:me - この投稿者のレビュー一覧を見る
暑いさなかに購入してしまいましたが、暑いとじっくり読む気になれません。
おそらく科学とか物理が苦手だったり、興味がなかったりする人にも、「科学って面白いんだ」と、興味をもってもらえるように紹介する意図でつくられた作品なのかな、とも思いますが、いかんせん「科学とか物理が苦手」な文系人間は、夏にこの種の話についていけません。暑くて、今まで縁のなかった難しい話に対し頭が働かないのです。秋になり、気温が落ちて、物思いとか読書にふさわしい気候になれば、ちょうどいいかんじで読めそうかな、と期待しています。
でも、巻末(あとがきの後ろに配置)のおまけみたいな小話「Tさんは、この夏、盆踊りが、おどりたい」は、夏にストライクど真ん中、です。漫画という形態における新たな表現技法見たり、さすが!と思わせられました。
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投稿者:hohoho - この投稿者のレビュー一覧を見る
わかりませんでした。
ごめんなさい・・・。自分でも情けないです。
高野文子さんは好きでけっこう家にコミックや特集本があるのですが、今回は完璧文系中年女子の私にはムツカシカッタです。
時間をおいて何度か読めば、少しずつわかっていくものでしょうか?
アマゾンなどのレビューではけっこう理解できてる?風の方が多く、自分にも大丈夫かと思ったのですが、ハードルが高かったかな?
作品自体に責任はないのですが、私の理解度ということで、★は三つで。
すみません。
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寡作の天才、高野文子が科学者の本を紹介してくださいます!正直、とっつきにくい印象だった科学の本を、ファンタジーに昇華しつつ確実に興味を喚起してくれます。朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹。雪の結晶の研究をしたという中谷氏の本、早速手に取りたいと思います。
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きん子ちゃんがかわいい! 「ふーん」て泣いているところが一番のツボ。理科が苦手なので、難しいページが多かったし、紹介されている本、あんまり読む気になれないので、私にとっては「本紹介」の意味をあんまりなさなかったけど…笑 高野さんの新しい表現方法には、いつも感心させられます。
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ちょっと読みかけて勿体なくて止めて、その間に中谷宇吉郎を岩波少年文庫で読んで、高野さんラジオ出演を機にようやく再開したら、これに載ってた中谷さん。
シンクロニシティ!というわけでもなく、無意識に意識に残ってたんやろなー。
しばらく浸りそう。
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高野文子が、カガクする心と出会ってしまって大変です。舞台は朝永振一郎や湯川秀樹などが暮らす 架空の寮、ドミトリーともんすです。ドミトリーともきんすでは将来ノーベル賞をとるような人が住んでるので、寮生活には縁遠いと思われがちな科学の目で日常が切り取られていきます。
科学とは興味を持つ芽。
さて科学が日常にもたらす興味とはなんでしょう?この話は科学だからといって別に実験とかの話ではありません。鏡はなぜ左右は反対になるのに、上下は反対にならないの?などという気づきの話です。興味を持ったら考えずにはいられない。そして調べたくなってしまう人の話です。しかし、彼らが考えたことに対して科学が答えをくれたこと想像以上にわずかです。
唐突ですが、3・11以降私は日本にある種の終末観を感じます。日本が行き詰まっている感じがします。
しかし、科学の眼で見た時、われわれの生活はまだまだ未知なところばかりです。私が壁だと思っていたところは、科学の目を持ってすれば扉
かもしれません。
行きづまってなどいないまだまだ未知の世界があると感じさせられます。
違う視点を持つ重要さを教えてくれます。
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高野文子さんの新刊!科学の著名人が、下宿屋「ドミトリーともきんす」で暮らしていたら、どんなお話が聞けるだろう、というお話。コロコロ変わる視点や、表現の工夫に見入ってしまう。
表紙の、明朝体のタイトルと、ゴシック体の高野文子がぴったりくる。
高野さんの漫画の一コマめで「?」と思ったことが二コマめでそういうことか!ってわかる所がすき。(話の流れでなく、構図とかの仕掛けの面で)
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寡作な漫画家の新刊。ほー、そっちに行ったのかーという印象をうけた。前作の「黄色い本」で高野文子は主人公をなるべく可愛くなく描いたそうだけど、それは高野文子ブランドというか、アイコン高野文子を脱却したかったのではなかろうか。そんな図柄の改造に継いで新作ではストーリー漫画からの脱却を試みている。この本は絵でも内容でもかなり実験的な一冊です。
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おお、高野文子さんの新作!待ってました!「黄色い本」以来だからずいぶん久しぶり、それはそれは楽しみにしていた。大判で柿色の美しい表紙を目にしただけで胸が高鳴る。こんないい気持ちってちょっと他にないなあ。
読み出すと、もうそこは独特の高野ワールド。太めの線で、あえて平板に描かれたページにどんどん引き込まれる。コマ割の仕方も、初めて見るようなのが幾つもあった。ゆっくりした呼吸で読んでね、と語りかけられているような感じだ。
内容がまた感涙もの。科学者(の卵)四人が下宿する小さなドミトリーが舞台として設定されている。朝永振一郎と湯川秀樹はまあ当然として、牧野富太郎と中谷宇吉郎という人選がまことにしぶい! あとがきに、いつもなら自分の気持ちが一番にあるが「今回は、それを見えない所に仕舞いました」とあるように、過剰な思い入れやドラマティックな要素を一切排して、静かに描かれているが、それでもなお、著者の心からの敬意が伝わってくる。「涼しい風が吹いてくる」愛すべき一冊だ。
終わりの方に配された、湯川秀樹「詩と科学」の一節が素晴らしい。ここまで読み進めてきて、この絵とともに味わうことで、言葉が心の深い所に届いてくるようだ。しみじみ良かったです。
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冷たい風、吹いてます。
「科学の読書」のススメ。その醍醐味を、感じます。ヒンヤリ、気持ちいいです。
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いちばん好きなマンガ家は誰かと言えば、迷わず高野文子と答える。かれこれ15年ほどずっとマイ・ベスト・マンガ家であり続けている。その高野文子のひさびさの新刊。マンガ作品としては実に12年ぶりの新作。そして、12年待った甲斐のある素晴らしい新作。
学生寮「ともきんす」の寮母とその子、そしてそこに住まう”科学する人たち”の物語。朝永振一郎、牧野富太郎、中谷宇吉郎、湯川秀樹ら、20世紀日本を代表する科学者が残した文章をたどり、それぞれの科学する心を描き出す。何が起こるわけでもなく、これといった起承転結もないのに、適度な緊張感をはらみつつきちんと成立する物語。無駄のないミニマルな絵の中の自在な視点移動と巧妙な表現。徹底的に磨き上げられた無二の表現力が、科学者たちの文章を読んだ時の感動を追体験させてくれる。
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ドミトリーと、もきんす?
いえいえ、寮母のとも子と娘のきん子で、ともきんすというドミトリーなのです。
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淡々と静かに捉えた世界の美しさ。コマ割やセリフのリズム、科学へのやさしい導入。世界のあたたかな捉え方。
ちょうちょうの下りは思わず鳥肌が立ってしまいました。
うーん、高野文子、すごい…。
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湯川秀樹の「詩と科学」がとってもよい。中谷宇吉郎のエッセイが読みたくなった。文系だとか理系だとかという分け方のくだらなさを、改めて思い知らされる。画面構成に驚くことしきり。