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第1章 まさか自分が
第2章 そう、あなたは発達障害です
第3章 壊れていく家族
第4章 お母さんも発達障害だったかもしれない
第5章 抑うつ状態との闘い
第6章 発達障害は治せる
第7章 思春期の危機
第8章 薬物療法の新たな可能性
第9章 私の居場所はどこにある
第10章 発達障害でも幸福になれる社会
終章 ほんとうの家族を探して
おわりに
長年自分を取り巻く人間関係や心身の問題に悩んできたさかもと未明さんは、40歳近くなって初めて自分が発達障害を抱えていたことを知る。さかもとさんは、ADHDとアスペルガー障害を併せ持っていた。
本書では発達障害当事者であるさかもとさんのエピソードが奇数章に、医者の星野仁彦先生による解説が偶数章に、交互に章立てされている。まず事例を読み、そして次の章の解説で理解を深められるようになっている。ちなみに、星野先生自身もADHDという発達障害を持って生まれ、機能不全家庭で育った「当事者」である。
暴言や精神症状に関する生々しい表現が多いため、精神的に不安定な人が読むのはかなりしんどいかもしれない。良くも悪くも、様々な感情を掻き立てられる。
親子で発達障害を抱えてしまうと、普通の生活を送ることがいかに困難になるかがよくわかる。子供が発達障害で社会生活がうまくいかずに困っていても、親も発達障害を抱えているからその気持ちが理解できない。
それでも子供は「親はきっとわかってくれるだろう」と信じて疑わない。その一方で親は、子供の問題行動の原因がよくわからず、つい怒鳴ったりしてしまう。そんなすれ違いを幾度も繰り返して、やがて家族は崩壊していく。
さかもとさんの母親は「普通から外れてはならない」という恥じらいから、専門家にうまく助けを求めることができなかった。だから自分や子供が発達障害であることに気付かない。夫が酒を飲んで暴れているけれど、仕事はちゃんとしているから、依存症でないと考えてしまう。
きちんと精神科を受診し、専門的な治療を受ければ良くなっていたはずだ。にもかかわらず、「『精神科』に通うことを恥と思う感覚が、家族のさまざまな問題を取り返しのつかない状態にまで悪化させてしまった」(p272-273)のだ。
終章にて、さかもとさんは以下のように述べている。
「たまたま発達障害のデパートとも呼べる人生と家族だったから、それをみんなに伝えて、社会がよくなるための本をかけたらいい。お父さんとお母さんは嫌がるだろうけど、そういうことをだれかがしないと、同じような問題で悩む家族は減っていかない。」(p273-274)
本書によって、1つでも多くの家族が救われることを祈る。
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漫画家でありタレントでもあるさかもと未明の半生をつづった一冊。
機能不全家族に育ち、それ故子供の頃から疎外感を感じつつ、本人も発達障害の影響で様々な軋轢を感じて社会人になるもうまくいかず、成功しても様々な症候群に悩まされ……というまさに一筋縄ではいかない人生で、発達障害の恐ろしさを感じた。
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本書の著者とは同世代。著者の親はずいぶんひどく書かれているが自分の親にも似たようなところがあるなと理解できる気がする。著者の親との問題の根底には発達障害だけでなくジェネレーションギャップもあるような気がする。
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さかもと未明さんの生まれてから現在までの記録と、星野仁彦先生の発達障害の解説を交互に読める本。
さかもと未明さんがこんなに苦しんでいたなんて。それでもがんばる心はこの障害の特性なんだろうか。
発達障害、機能不全家族ともに当事者である星野先生の理解あるあたたかいかかわりに癒された。
・気持ちが素直で裏表がなく、腹黒い下心などを持たないため、褒められると「疲れを知らない子供のように」頑張れるのも特性の一つ
・大人の発達障害にある人は、いつまでも親子関係の分離ができないのが特徴
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著名人の発達障害として生きる人生を読む事が出来た。自分を認めて家族と和解することで人生が切り開けるのだと痛感した。
私は離職の多さで発達障害を疑っていたが著者の症状と照らし合わせてみてもさかもとさんのような特別な集中力や行動力、記憶力などの特徴は特にみられなかった。やはり神経症なのかなあ。