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育休終了後半年が経過し、今後のキャリアを考える上で、時短で仕事をしている中での違和感を解消したくて読んでみました。なるほど、個人の考え方に依るように思えることでも、俯瞰してみるとこうういうことなのね、という納得感。当事者の立場であっても、個人の問題としてもやもやを抱えっぱなしにせず、視野を広くもって考えたり行動したりするのに必要な視点をいただいたかなと。とても参考になりました。
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今の仕事状況なら、子供は産めないだろうな。と何度も思い、今も、そう思い続けてる「育休世代」の1人です。問題はそれだけじゃないけど。この問題、相当数の人が感じてると思う。本として世に出してくれた筆者に敬意を。。
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本屋で目にして気になっていた一冊。
職場の先輩が貸してくれたので、そっこうで読む。
あ~、これからの働き方、考えさせられる…
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同年代のWM中野円佳さんが修士論文を元に新書に纏め直した一冊。
産休前からモヤモヤしていた不安が理論だてて分析され、代弁されるかのようなスッキリ感。
高学歴勝ち組のバリキャリ女性がなぜ出産を機に辞めるのか、育児支援制度が活かされないのか。
「働き甲斐への執着」は女性達を苦しめる。やりがいが無ければ子供を長時間預けてまで働く意味はないと感じ、しかしやりがいがあるような高付加価値の仕事を得るには時間的制約や犠牲にするものが大きすぎる。
私も専門性の高い職種につけなかったことに焦燥し危機感を持っていたのはこのことから。
自分は著書でいう産後一番退職しやすいマッチョ思考型だった。
「男性と同等以上に競争し、男並みに働くことを求める一方、仕事意識の高い男性を夫とし、結果として家事育児も自分で担うこととなる。」
「やりがいの無い仕事と育児の両立に葛藤したり、支援制度を利用することを躊躇いがち」
というわけで、考え方を軟化しないと。
休職期間や時短勤務に対して抱く申し訳ない感。でも「男が男使って仕事してるんだから、女が女使って仕事してもいいじゃん」という共働きの旦那さんの言葉は目から鱗。
男性が家事育児を妻に押し付ける男性的働き方をするのであれば、女性が社内制度を利用して割り切って仕事してもいいじゃないか。
働く女性の貧困問題とは違うし、仮に辞めても食えていけないことはないから「贅沢な悩み」「キャリアを固める前に産んだ自己責任」で口を閉ざしてしまう人が多いから問題が顕在されにくい。それを理論立てて分析し、本として社会に出した著者に感謝と敬意。
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話題本。女性活用を目指す上司は読んだらいいと思う。
高学歴、両立支援が整う大企業に勤め、若くして結婚出産という「勝ち組女性」が職場復帰後に退職してしまうのは何故か。
単純に両立の難しさという言葉だけでは紐解けない社会的背景を調査するという主旨の本。(たぶん)
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育休世代とは、両立のための制度が整った後に育休取得する世代、生まれでいえば、1978年以降の人々をさすという。
この世代は、1. 自己実現プレッシャー、2. 産め働け育てろプレッシャーの板挟みにあうという。
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女性には少なくとも2つの層があると思う。
第一に、周囲の期待に応えよう、あるいは既存の性役割を乗り越えようと、「女だてらに」と言われながら幼少時より男性なみに勉強し、男性なみに働いてきた/働こうとしている女性。
第二に、既存の性役割を受容し、あるいは積極的に活用し、女性という枠組みの中でみずからの主観的幸福感を最大化してきた/しようとしている女性。
第一の女性は一見すると、性役割を軽やかに乗り越えたかのようにみえる。けれども結婚・出産という、既存の性役割が顕在化されるステージを迎えたとき、本書に描かれたような葛藤に必ず直面する。
本書は、そこで結婚・出産を選択し、キャリアから「降りる」ことを余儀なくされた女性、いわば第一の層から第二の層に移ることを余儀なくされた女性の悔し涙に主眼を置いている。
けれども、葛藤ということでいえば、キャリアから「降りない」女性にだってある。名誉男性への道を進もうと、結婚や出産をあきらめ、第一の層にとどまり続ける女性にだって、同じように流す悔し涙がある。
出産・子育てを敢行しながら、歯を食いしばって第一の層にふみとどまる女性だっている。
このように考えた時、結局、終始一貫して第二の層にいる女性、はじめから性役割をうけいれ、周囲の期待に応えようとか、ロール・モデルを目指そう、などと思いもしない女性たちがもっとも葛藤から縁薄く、ストレスフリーなのだと痛感する。社会が変わらないのならば、女性もまた変わらない方が「利口」なのだ。
筆者のいうとおり、女性の性役割はまだしばらく揺らぎ続けるのだろう。
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サブタイに「女性活用」って入ってるから敬遠してた1冊。読んだら著者の意図がわかりました。今バリバリ働いてる出産前の女性と、管理職のおじさまに読んでもらいたい1冊。
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産休・育休や育児支援の制度が整った2000年代に総合職として入社し、就業継続の意欲を持って働いて、その後出産した女性に焦点を当てている。彼女らを「育休世代」として、なぜ彼女らでさえ、出産後に仕事を辞めてしまったり、仕事を継続していても意欲が低下したように見えるようになるのかについて分析している。分析は、15人の「育休世代」の女性に詳細にインタビューを行うという質的調査に基づいている。
本書を読んで感じたのは、まず、職場環境の重要性である。制度の有無よりも、職場として、ロールモデルとなる先輩がおり、育児をする女性を支える雰囲気が醸成されているかどうかが大切であるということだ。ただ、出産した女性に対する配慮が過剰であっても、やりがいの剥奪となり、女性の意欲の低下につながるということが指摘されており、そのバランスが難しいと感じた。出産後の女性に、育児への配慮をしつつ、出産前と同じようなやりがいのある仕事をいかに任せるかが重要だと思う。
そして、女性であることを意識せず、男並みの「マッチョ志向」を持っていた女性ほど、「女ゆえ」に退職する傾向があるというパラドックスの指摘が興味深かった。男に合わせる「男女平等」(「逆転したジェンダーの社会化」)の問題がよくわかった。女性に子育てなどのケア責任が集中している現状を変えないことには、気持ちだけ男女平等でもついていけないということだと思う。男性の無定量・無制限な働き方も含めて変えていかないといけないと感じた。そのために、著者の指摘する、男性は「育休」よりも定時退社すべきということには共感した。
本書は、これまでの女性論があまり注目してこなかった高学歴・バリキャリの女性に焦点を当てたところに特色があり、そういう女性ですら、就業継続が困難となってしまう社会の構造をよく解明していると思う。ただ、質的調査とはいっても、15名のサンプルでどこまで一般化できるのかについては、少し疑問をもった。
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2015.5.18読了。
読みはじめは、「バリキャリの話かあ…」と、自分とは遠い世界の物語のように感じたが、出てくるエピソードが「分かる、わかる!」というものばかりで、一気に読んでしまった。
私自身、育休を3年まで延長!とか、女性手帳を交付しましょう!とか、的外れな政策が出てくる度にちょっとカチンときたりしていたので、WMのおかれた現状をこれでもか‼と言わんばかりに書いてくれた著者に、心から感謝したい。
私自身は、著者の言うところの女性向きの職場に入り、ゆるゆると頑張っているが、それでもなぜこんなに「申し訳なく」産休を取り、「申し訳なく」子供がまだ乳離れもしないうちに仕事に復帰し、「申し訳なく」子供の突発的な病気で仕事を休み、「申し訳なく」旦那に休みを代わってもらい…と、身も心もすり減っていくんだろう?とずっと疑問に思っていたが、この本のおかげでずいぶん解決した。
本の最後で、著者が今後取り上げたい研究テーマに挙げていたものも、とても興味がある。続編も期待したい。
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私は、今まで男女を問うことなく、人に社会にみんな努力して、働いて幸せな人生を!という教育を受けてきて、自分自身もそれなりに応えながら生きてきた。自分自身も家事や育児は仕事と同じように夫婦も一つのcompanyとして分担していくものとばかり思っていた。
が!社内の女性向けヒアリングで初めて「女性の働き方」について壁を感じた(子供ができて働きにくくなり、やめていく人がいる現実などを知らされた)。
そんなときに仲の良い人に薦められた一冊。
なぜ、「育休」があるのに女性活用は進まないのか。
この本では、特にキャリアウーマンについての考察がされていた。
キャリアウーマンは自身の周りも年収の高いバリキャリの男性が多く、そういう人と結婚するため、夫が家庭の時間をさけず、自分が仕事を続ける事が困難になる現実がよく実感できる。自分自身もそういう環境にいたから。
自分の望んでいる働き方ができないというストレス、問題に強く興味を持ち、読み進めた。
「男なみ発想」の女性が「女ゆえ」に退職するパラドクス:ジェンダーの社会化過程で意欲の冷却を経験しなかった女性は、男女平等に見える教育課程で男性中心主義的な競争への意欲を掻き立てられることで、継続するたけの環境や資源を積極的に選択できず」、退職を迫られる
納得。特に心に残ったところを抜粋。
・逆転したジェンダーの社会化:男並みの発想を持つ女性がいいというイメージを私たちは持たされている。女性らしさを切り捨てることで、男性が圧倒的に多い社会での競争や「女性らしい女性」が損をする社会を生き延びようとしてきた。
例えば、正直一般職はいったい何が面白いのだろうと思うとか。気がついたらそういった意識の刷り込みがされている。
・時代の産物:何より「やりがい」を重視して仕事を選んで働いている。子育てのために、急に自分にとって「やりがい」のない仕事を割り当てられるものなら、一体何のために働いているのかわからなくなる。
・男女平等の幻想:冒頭にも書いたが今まで男女平等としか感じたとこがなかった。働きだして急に女性だけが育休をとることになるようになっている社会をおかしいと感じている。
・男に合わせる男女平等:結局社会は「男なみ」に働ける女性しか求めてない。そういった男女平等の形になっている。
・教育に埋め込まれた「男なみ」:女性が今までおってきた家庭労働は無償であったり低賃金であったりして、男性が圧倒的多数の企業社会で正社員として働くことの方が収入も高く、あらゆる保障も受けられる。そのため、教育課程では、第一に学業達成や社会的地位の達成、就労を継続することに価値をおき、そのから「降りる」ことを問題視している。結局「男」「男なみ」を求められているのだ。
企業に残る「非男なみ女性」と構造強化の構造:本書とはずれるが、女性自身の意識も変わらなければ女性同士で対立している。今、不都合をこうむっているのは「正社員として働きたい女性」。ならば会社としては、生産人口が減りつつある現代社会で、腰掛けとしての要員よりも正社員���、そして例え女性であってもほしいはずだ。そういった女性たちが衝突なくキャリアを継続しやすくするための選択肢を増やさなければならない。
夫婦関係を浸食する夫の「男なみ」:仕事のできる女性はさらに仕事ができる男性に惹かれる。そのため結婚して、出産となると、理解力があるため、自分自身よりも夫を応援してしまう。
自分の持論としては、やはり日本人は働き過ぎなのだと思う。それは、日本が資産がない国で、労働力でカバーしてきたから。
今こそアイディアを使い、男女問わず労働時間を減らして高付加価値労働で収入を得る社会に転換しなければならないのかな。
生産人口が減り、女性の労働力が必要となるならば。
でも結局無理矢理の転換は難しく、女性の人数が就労人口の中で圧倒的多数になってきたときに実現をするのだと思う。
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図書館より。
気になって一気に読了。
収入とか学歴とか全然違うけど、育休世代なので納得出来ることが多数。
出産するとマジで男女平等って嘘だねって思う。
色んな人が読んで欲しいと思う一冊。
それでなにかが変われば...娘が年頃になったとき、変わってくれていればと思う。
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自分自身もまさに「育休世代」であり、本書に書かれている問題に直面しているので、非常に共感を覚える。
同時に道は険しいとも感じる。
筆者の「本を書くことで世の中を変えたい」という思いに賛同します。
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彼らよりちょっと上で、降りてしまった身としては大変実感があるのとそれでもやはり私たちの時とは違うのだとの感慨と。女であることのめんどくささは変わらないねえ。
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修士論文に加筆したもの。研究論文にしては、対象が少なかったせいで類型化できなかったのか、ワーキングマザーの問題が複雑なのか結論がつけられなかった。
そのため、主張の確からしさも疑問。