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さらっと読める自己啓発本的な内容だったけど、いくつか学びも得られた。
偶然の良い結果でも周りからの称賛が得られるかも知れないが、それに満足してはいけない。自分の中でそのプロセスを評価すべき……
逆に言うと、例えば企業の人事考課であればプロセスは自分で評価するものであって、会社側はその人の結果を評価することに重きを置くべきだと思った。
プロセスのほとんどは外から見ることは難しく、アピール上手な人ほど得をすることになってしまう。
著者曰く、アダムスミスは経済学者として有名だが、同時に道徳哲学者だそうだ。
以下の言葉が好きだった。
『自分が「最高の生活」として憧れるような環境になったとする。そこで感じる幸せがある。でもその幸せは、いま自分が経験している「つつましい生活」で感じる幸せと、ほぼ変わらない。』
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82
自分の中に「裁判官」を作っても、世間からの評価は依然として受け続ける。そして、世間からの評価は、「自分の中の裁判官」の判決と食い違うことがある
99
自分の中に造った裁判官の意見に従わなければいけないと思う感情が「自分の感覚」です。〜「従わなければいけない!」と言う意識がはたらいて初めて行動が伴うのです。
141
「分業」が労働生産性を著しく上げる
184
「古典派経済学」とは、アダム・スミス以来、ジョン・メイナード・ケインズが登場するまでの経済学の総称
232
分業が進むと、誰もが簡単な作業だけをすればよくなり、「頭」を使わなくなる
282
限界効用逓減の法則
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帯文:”『カイジ』シリーズで人気の著者が名著『国富論』『道徳感情論』を読み解く!” ”「経済学の父」が説いた生き方の哲学とは?”
目次:いまの生活で幸福感を得るために必要なたった一つのパーツ、はじめに、序章 通説 アダム・スミス、第1章 「よい悪い」はどうやって決めるべきか? 第2章 心の平静を得られる人,世間に振り回される人、第3章 何が経済を発展させるのか? 第4章 経済発展はなぜ必要なのか? …他
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経済学に触れようと思った時に知人に勧められた。国富論(上)を読了する前に読めたのでいいタイミングだった。
主張を聞くときには背景(時代背景・因果関係等等)を考えなくてはいけないと改めて認識。スミスの時代は物不足で経済成長が雇用を生み出し云々、という箇所が今回でいうそれ。賢人は他人の評価でなく、自分のなかに裁判官をもつ、自分の正義に従って生きるべきというメッセージがぐっときた。
道徳感情論も今後読む。
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社会経済と幸福感の関係をわかりやすく説明。
目次と、黒塗りに白抜きのページを読むだけでも良い。
本文もわりと読みやすい。
健康で(1/2)
負債がなく(1/2)
良心に疚しいところがない状態(1/2)
が幸福らしい。
超大雑把に、それぞれ半分の確率として
(1/2)^3=0.125
これって意外とハードル高くねえか?
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小暮太一
アダムスミス 論 入門書。「道徳感情論」「国富論」を 幸福論とする構成。道徳心を前提とした経済成長を図ることにより 人間は幸福になれる とした論調。なるほどの内容だった。
ビジネス書で 単純な構成なので、もう少し詳しいアダムスミス論が読みたい。
アダムスミスを 経済学的側面だけで読むのと、道徳的側面を前提として国富論を読むのでは、捉え方が大きく異なる。「神の見えざる手」の意味は 目からウロコだった。
経済学だけだと「個人の利己心に基づく経済活動が 社会全体的利益になる」となるが、道徳心を前提とすると、道徳心を持つ個人を想定することになり、道徳心のない個人の利己心のぶつかり合いでは 社会全体の利益は結びつかないということになる。
アダムスミスが考える幸福とは、健康で借金がなく、良心に背いてないこと=心の平静が得られること。
*健康で借金なし→経済的に裕福なら心が平静→を国富論に論述
*良心に背いていない=賢人として生きる→道徳感情 論に論述
経済発展は なぜ必要か=心の平静を得るため
*必需品不足や失業では 心の平静を保てない
*失業者に必要なのは施しでなく仕事→経済発展が必要
*ただし経済発展が第一優先ではない〜前提として道徳観が必要
道徳感情論
*人は他人から同調されたい
*善悪は自分で決めることができない
*世間の評価を取り入れて 自分の中に ルールをつくる
*賢人=自分のルールに従い世間の表面的評価に左右されない
*軽薄な人=世間の表面的評価に乗ってしまう
アダムスミスの道徳観、経済理論は同感からスタートしている。
同感が社会の秩序を保っている
*同感=他人の行動、感情に賛同する気持ち〜同調に似ている
*人間は 他人の同感を切望している
賛同を求めるべきは他人でなく、自分の道徳基準
*善悪の判断は 自分で決めることはできない
*自分の中に 社会の目をつくる(世間から評価基準を集めて自分の中に法律をつくる)=世間が道徳を決める
*国や時代が それぞれ異なる評価基準を持っている→絶対的な善や悪はない
賢人であり続けるには 賢人であろうとする義務の感覚を持つ
*義務の感覚で自分を制御する
*神への信仰心が 義務の感覚を強める
経済発展=富を増やす
*富=必需品=消費者が使う商品→富の源泉は人間の労働
*分業と資本蓄積(生産用のお金、材料を貯める)が必要
*分業と資本蓄積を進めるには 自由経済が必要
*軽薄な人(世間の評価を気にする人)が経済発展の原動力
*神の見えざる手〜自由取引が受給を均衡させる
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アダムスミスの主著と言えば『道徳感情論』と『国富論』。が、いずれも大著にて、読破するには相当な労力を要します。この書籍は、いわば2冊のダイジェスト版。エッセンスを理解するにはもってこいです。