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こう来るんじゃないのって予想をひっくり返される短編集。形式がわりと似ているので最後の『ひらかれた闇』がよかった。いちばん好きなのは『代役』。ぞくぞくする~!
復刊だけあってクオリティが高かったし文も綺麗で読みやすい。
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短編集。どれもまんまと騙される。表題の「夜よ鼠たちのために」や、「過去からの声」「二重生活」なんかが騙されたと分かったときのやられた感がすごくいい。
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文章に品があり味がある。
九編の短編が書かれているが、秀作と一般的な作品があって
平均的な評価になってしまった。
秀作でなくとも文章力で惹きつける所は凄い。
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連城さんの傑作短編集。特に表題作は評判どおりの素晴らしさでした。叙述トリックというのですかね。鮮やかでした。
また、世界観が好みの作品が多く、楽しめました。特にベイシティに死すが気に入りました。文章から灰色の曇り空をイメージする感じです。
あと、思い込みというか、普通の感覚を利用された二重生活も感心しました。
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傑作ミステリーが9編入った短編集。もう三十年以上昔に書かれた小説だけれども不思議と古臭い気はしなかった。どれも予想外の結末で読み応え十分、久し振りに圧倒される作品に出会った。この作者は初めて読んだが他の作品も目を通してみようと思う。
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短編ミステリ小説の王道と言っていいのかもしれない。限られた登場人物たちを動かして予想を裏切る物語を作るには、登場人物たちに二面性を持たせることになる。そうした二面性が、非現実でない程度にうまく描かれている。
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久しぶりの連城三紀彦。
全編に共通するのは最後の「反転」。どのような「反転」が待ち受けているのか考えながら読むのは面白かった。が、疲れた中年男女の濃密な人間関係とドロドロした愛憎劇に途中うんざりし辟易してしまった。ほぼどの作品もオチは悲劇だし救いがないので一気読みは辛い。昭和の古臭さが色濃く残る情景や名前は、仕方がないとは言えどこか遠い国の話を読んでいるような気がした。
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短編集なのに濃厚で、妙に読むのに時間がかかった
やっぱり出来が良いと感じるのは表題作か、この短さでここまで設定を書ききるのはすばらしい
「過去からの声」が読み終わった後一番ドキドキしたけど
短編集でどんでん返しだらけだと「騙す為だけ」の作品と思えてしまうのが嫌だな
思いついた設定を並べてってるだけというか
この作品は筆力でそうした部分をマシにしてくれているけど…やはり読んだ端から印象が薄くなっていく
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ミステリーの短編集。
さすが大御所の筆力。表現が美しい。
全編救いがなく、悲しい。ただ殺人を犯すだけでなく、その背景の苦しみや葛藤を描いている。
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2016年3月25日読了。連城三紀彦の短編集の復刻版、男女の情念が渦巻き、最後に「反転」が訪れる短編9編を収録。トリックを仕込んだ話のため、「ありえねー」や何がなんだか分からない話もあるのだが、生活に倦み疲れ・それでも執着をやめられない中年男女の濃密な心理・情景描写とムードに飲まれ、読んでいて幻惑されるような気分を大いに味わえる。やりきれない思いが残る表題作や、ハードボイルドな雰囲気漂う「ベイ・シティに死す」などが印象に残った。傑作とされる、この人の他の長短編も是非読んでみたい。
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これが20年以上前の作品だというから驚き。あー騙された!!と思うような種明かしではなかったけれど充分楽しめた。
あとこれ、作品への感想ではないけれど脱字を発見した。6刷で脱字はかなりのレアキャラ。なんとなく嬉しい。
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蘇った連城の名短編
このミスの復刊希望ベスト1に選出され、宝島社文庫で復刊したものです。ミステリ界のレジェンドによる構図の反転の数々に、読者は何度ひっくり返されるでしょうか?
表題作「夜よ鼠たちのために」と「二重生活」が特にいい。前者は、少年時代に鼠を殺された男の二十数年越しの復讐劇。ここまで見事に180度覆されるとは驚き。「○○○がまだ○○○いる○○○○」という、それだけ聞いても意味不明な名言が飛び出します。後者は、不倫関係にある男女のこちらも復讐モノ。よくあるドロ沼の愛憎劇かと思いきや、綺麗に2度の反転。余計な捻りがなく、プロットの美しさと自然さが先行して感じられました。
後から追加された3話が今一つだったのは残念ですが、全体としては十分満足の出来です。
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キレのある短編ばかりで面白い。全てに共通するのは情けない男。ただ物凄く共感できてしまう。描写が良いのか主人公になりきったかのような錯覚に陥るほど。
またオチも見事。一捻り加わっていて騙される楽しさを感じられる。
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複雑に絡んだ計画、情念が物語にツイストを加え着地点を予測できなくする。
短い物語の中で何度も意外な展開を見せながら捩れ捩れて見えてくる心の闇、悲しみ、古い時代の哀愁。
鼻孔をくすぐるリアルな時代の空気感。
この連城三紀彦がすごい、9つの犯罪小説。
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今から35年前に発表された9話の短編集。ありがちなトリックありきの殺人話は無く、しっかり人物描写と心情を表現しているから読んでいて情景が浮かぶ。それに表現力豊かな読ませる文章が上手いと思う。タイトルの夜よ鼠たちのためにが好きかな。ベイ・シティに死すはハードボイルド風だし、携帯電話が登場しない時代も新鮮で良い。