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冒頭、「旅ってなんだろう?」で始まるこの小説は私があまり読まない犯罪小説という分野で確実に入口を低くしてくれました。それからは物語の中に引き込まれて一気にアジアの蒸し暑い空気の中に。マクベスの戯曲がスパイスとなって、非日常的な世界でありながら、過去の思い出がセンチメンタルにさせてくれる上質エンターテイメントだと思います。魅力的な美女がたくさん出てくるのも違和感なし。ハードボイルドって何冊か読んだけど合わなかった。そんなひとにお勧めです!
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香港の子会社に飛ばされた男性が、企業の思惑に翻弄されながらも、かつて思いを寄せた女性
を守るために戦うハードボイルド。
シェークスピアのマクベスをなぞって話が展開するのだが、たまたま宮藤官九郎がマクベスを派手にアレンジした舞台(メタルマクベス)を観たばかりだったので、そちらとも比べながら読めたのはおもしろかった。ただ、本筋よりも原作の魔女の予言を始め、マクベスやバンクォー、マクベス夫人たちの行く末などをどう描くのかが気になってしまった。
というのも、血の通っていないような主人公の言動が終始共感できなかったことが大きい。執拗なカクテルへのこだわりにも閉口、ポイントとなる謎にもあまり興味がもてず、何より主人公のからむすべての殺人の必要性が見いだせないなど、全体的に違和感が大きかった。
新聞の書評欄で中年男性にオススメとあったが、確かに女心よりも男心をくすぐる作品だと思う。
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前評判が高かったために、ハードルが上がり過ぎた。伏線の張り方も良く、ストーリーも好きなタイプなのだが、いかんせん、根本的な殺人を犯す動機が理解出来なかった。
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「十二月の辞書」がとても良かったので、
早瀬耕さんの本を読んでみたいと思った。
中井優一。
高校の友達 伴 浩輔(ばん こうすけ)
シェイクスピアの「マクベス」に囚われすぎていると思った。
伴さんに子供がいたら完璧だった。
シェイクスピアの四大悲劇→「ハムレット」「オセロー」「リア王」「マクベス」
鍋島冬香のUSBを見つけたあたりから面白くて一気読み。
「王として旅を続けなくてはならない」という予言が動き出す。
喰えないやつ→ずる賢い人、油断できない相手。
キューバリブレ飲んでみたい。
中井優一の書いた手紙のところでグッとくる。
鍋島冬香の恋が切なくてキュンとする。
高校1年生で出会い、お互いに好き同士だったのに、ずっとタイミングが悪かった。
仲良しだったのに恋人ではなかった。
でも、大人になり、最後の1年間だけ、同じ会社で過ごして、たくさん一緒に食事をして、
時間を共有できて、良かった。
ちゃんと見つけてくれてありがとう。
良かった!
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マクベスは、シェイクスピアの戯曲の中の一つで、伴浩輔が高校一年生の時に教えてくれた。中井優一が、マクベス王を体現したような造りになっているため、より理解を深めるため「マクベス」も併せて読んでみたい。
物語に登場するのは主に男二人女一人で、高校を卒業してから疎遠となっていたため、会社内の部署違いで同僚だとは知らなかった。
ⅠT関連事業を営み、三人はそれぞれの部署で多くの業績を上げていたのだ。それ故、上層部から疎まれ、海外事業部に出向させられ東南アジアを中心に交通系ⅠⅭカード販売に携わっていた。しかし実質幽霊会社だったのだ。過去の出向社員たちは非業の死を遂げているという筋書きだ。
ある日の海外出張で、澳門(マカオ)で伴からホテル内にあるカジノに行こうと誘われた。
中井「なぁ、チップをいくらか貸してくれないか」伴は、黒色のチップを三枚、掌に見せる。二千パカタの高額チップだ。
「だいたい三百六十万円の儲けってところか」そんな会話を交わしながらカジノを出て雲吞麺とビールを伴に奢ってやった。
テーブルに近づいてきた黒髪の女が英語で言う。ホテルの外には多くの娼婦がいて、その類の交渉かと思っていたら、「食事のお礼に、あなたの未来を教えてあげる」「それが本当の未来なら雲吞麺とビールだけじゃ、安くないかな?」「お代は、また私に会いに来ることがあったらそのときに」「あなたは、王になって、旅に出なくてはならない」黒髪の女の言葉は唐突だった。
出向会社は、ジェイ・プロトコル香港で代表取締役に就任し、セク(secretary=秘書)に森川佐和が採用されている。中井は、初めて会った女性ではないような気がしたという。
犯罪小説にして大人の恋愛小説。シリアスでサスペンス・ミステリー仕立ての濃い物語の展開に心が揺さぶられた。
今年読んだ本の中で、印象深い一冊になった。
読書は楽しい。
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つい何日か前《vivant》というドラマが最終回を迎えた。
1人のプロデューサーの一区切り的なポジションとなる作品で、潤沢な予算と豪華キャスト、能力の高いスタッフで取り組んだそれを、自分は大いに楽しんだ。
この作品は、そんなプロデューサーが映像化すると
上質なエンタメになると思う。
小説原作も普通に手がけている人なので。
企業、恋愛、ミステリー、なんとも欲張りで贅沢で巧みに絡み合って全ての要素が昇華されていると感じた。
森川。
わりと早い段階で真相の予想はついてしまったけれど、脅威的な頭の良さも、緻密な行動の一つ一つも、屈折して生意気で不器用な心も
イライラ、ハラハラしながら魅力的に描かれていました。
登場人物がそれぞれ個性的。
完全に《悪いヤツ》の立場なのに
そうなる過程、そうしなければならない状況、
エンタメでありながら、実際こういうことってあるのかもなー。と思ってしまった。
自分には関係ない世界だけど。
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シェイクスピアの知識があればより面白さがわかると思う。
ハードボイルドな内容ながら恋愛小説でもあるような。どんなことが起きるのかドキドキする序章が魅力的だった。洋画のような雰囲気を感じるのは台詞回しがやけにオシャレだからかな?