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前半は著者のスタンフォード留学雑記。中盤以降は著者の眼から見た米国論/日本人論/政治・経済論(2011年時点)。色々なことを盛り込みすぎているが、個々のチャプターは短いので飛ばし読みが容易にできる。歴史を回顧することの重要性を説く箇所で、ベトナム戦争当時のマクナマラ元国務長官が後年ベトナムへの軍事介入や増派を決断したことを反省している一方で、瀬島龍三について「敗戦の教訓を語ることなく、伊藤忠の会長に至る成功伝のみを語り、歴史に対する責任を放棄している」との指摘をしており、新鮮な視点とかんじた。著者は、経済ニュースキュレーションサービス「Newspick」の編集長。1979年生まれ。
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米国製エリートは本当にすごいのか 佐々木紀彦
なぜアメリカの大学生が大学に入ってからものすごく伸びると言われているのかそれをまず示しているの一章である。一般にアメリカの大学では「インプットとアウトプットの量がものすごく多い」ということが一つの要因ではないかと筆者はいう。
知性の定義
1:多くの知識や経験がある
2:多くの知識や経験をうまく整理し、つなげる能力があること。
3:整理された知識、経験をうまく発信する能力があること
・一年あたり480冊の読書量。これは日本に比べて圧倒的に多い。これを日本でやったら面白いけど、大学改革をかなりしないと厳しそう。教員の負担が大きすぎるよね。
・米国でも日本でも就活のトレンドはお同じ。しかし就職後のビジョンに大きな差がある。アメリカでは高給取りと言われる外資系銀行、コンサルなどをファーストキャリアとしながらも、それは将来自分がやりたいことのための貯金やコネを作るために一時的に入るという意味合いの方が強い。これは日本とは異なる傾向である。
・ アメリカはなぜリスクをとって挑戦できるのか。それは流動性が高い労働市場の恩恵である。たとえ起業して、失敗しても自分の技術やスキルが高ければすぐ、仕事が見つかるからである。雇用の流動性は少子化を救う。女性が出産後も正社員に戻りやすい労働環境が大切。
・柔らかい本を10冊読むより、硬い本を机に座ってじっくりよむ方が身につく。
・勉強の真髄は自習。アメリカの講義でも退屈なのはあることが意外だった。
・憂国論を語るより、まず一身独立して生きろ。国に頼らないで生きていけるようになれ。国に頼らず、国を支える心こそ真の愛国心。
「独立の気力無き者は、国を思うこと深切ならず 」
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国際政治、安全保障、インテリジェンス分野におけるプロフェッショナルの層の厚さは圧巻。大学などのアカデミズムの世界において、国際政治や地域研究の専門家は相当高いレベルの研究をしている。