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これはフィクションだ、こんなこと起こるはずがない。そう言って欲しい。
冒頭十数ページでのけ反りました。なんの躊躇もなく人を撃ち殺す。その首をはねる。日本にもそういう時代があったことは知っている。
が、自分の生きているこの時代に、世界のどこかで今この瞬間にも誰かの命が軽く失われているという事実を、すぐに忘れてしまう。「平和」と言われる日本に生きていると、忘れてしまう。
遠くアフリカのソマリアでのこの「事件」は日本が今向かおうとしている未来なのか。いや、未来なんかじゃない。これはもしかすると既に起こっていることなのかもしれない。
今、日本を動かそうとしている人たちにすぐにでも読んで欲しい。これを、こういう未来をあなた方は目指してるのですか?と聞きたい。
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設定としてはありうる話として理解はできるが、その設定を活かす物語の展開は、色恋ものから自己犠牲などの在り方があまりにもチープなハリウッド映画的でやりすぎ感が強い。ただし単なるアクションものとして読むのであれば非常に面白い話である。自衛隊が云々ということだとか、推薦人の言葉などで深い意味を求めて読む話ではない。
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もっと小難しい話を期待してたけど、かなり痛快な戦闘アクションだった。
違うんだよ、スカッとしたいんじゃなくて、理不尽と悲惨さに胸潰したかったんだよ。
帯の文句、もしかして集団的自衛権賛成論者?この本を読むと、実弾飛び交う戦地は最高にハードでスリリングだぜ!っていう気になるんだけど。
思ってたのと違うけど、冒険アクション小説としては一気読みできる速度感ありました。
キャラだけでも萌え要素あったけど、萌えスイッチは入らなかったな。
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自衛隊がアフリカでテロリストに攻撃され、孤立無援状態で戦う話。
こうなったら、自衛隊も普通の軍隊だなって思いました。
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ソマリアで海賊対処行動中の自衛隊に墜落したヘリの捜索救助要請。編成された救助隊が向かった先で、武装勢力に追われる女を保護する事に。
女の命を狙い次々と襲いかかってくる武装勢力との壮絶な戦闘。
死闘の連続。圧倒的な数と装備で迫ってくる武装勢力との攻防は、息つく暇も無い。
ダレずに一気に読ませる。
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海賊対処のためにソマリアに派遣されていた陸自第一空挺団が、ソマリアの氏族の陰謀に巻き込まれる。
アクションもので一気に読める。自衛隊ものだけど、自衛隊もの特有の法制度の不備や組織の矛盾を突くというよりは、息もつかせぬアクションの連続って感じ。時期的には安保法案とか連想する人もいるんだろうけど、自分はそういうのは感じなかったなぁ。あくまで現行法下での危機を描いた話だったと思うし。リアリティ重視というよりは映画的な展開で、自衛隊とは、とか、法制がどうとか、難しいこと考えながら読むものではないかなー、と。
一つの部隊のなかの2人の曹長とか、なにやら確執のある隊員たちとか、人を撃てなかった精鋭空挺隊員とか、男たちの物語が熱くて良かった。
最近自衛隊内のいじめが出てくる本ばかり読んで、自衛隊がどんな恐ろしいところかと震える。大人の世界にも、また、自衛隊に限らずそういうことはあるんだろうけど。
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ソマリアの海賊対処行動に派遣中の自衛隊から即席で編成された救助部隊が、現地の氏族間の抗争へと巻き込まれ、過酷極まるアフリカの自然の猛威と苛烈極まる民兵の攻撃に晒されながらも強く生き、あるいは落命しながらも基地への生還を目指すという凄惨な物語ですが、作中に登場する砂塵嵐以上に熱くも気高い人間讃歌によって貫かれていました。絶望的状況下にあって、ようやく見つけ出した希望がその都度に悉く打ち砕かれ、絶えず逆境に放り込まれながらも決して歩みを止めることのない彼らの姿は正しく冒険小説的でもあります。著者の代表作『機忍兵零牙』『機龍警察』シリーズと合わせて試してみてはいかがでしょうか。
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またしても傑作!SF、時代劇、近未来警察機構、そして今回は現代の自衛隊。毎回題材は変わるものの熱いドラマは健在。
今回は自衛隊版「ディアーズ・オブ・ザ・サン」と言った趣だが、戦闘に巻き込まれるのが自衛隊と言うのがみそ。そもそも正義(目の前の人命を救うために)の行使とはいえ銃を撃っていいのか、戦闘が許されるのか、傍観者に徹するのか、そのギリギリの葛藤から始まる。
ここらが海外のストレートなアクションと一線を画す。しかも、それぞれの隊員の過去や家族との絡みも濃厚に描かれていて、このウェットな情感たっぷりのドラマもいかにも日本製。
とはいえ、それが嫌味ではないのが月村作品の特徴。このドラマ部分が話のテンポを阻まず、良いテンポで緩急をつけるのでお約束の展開でも、全く飽きることなく読み切る。これだけのページターナーは日本の作家にはホント少ないと思う。
アリステア・マクレーン、デズモン・バグリィ、ジャック・ヒギンズなどの冒険小説の大家と並べてもなんら遜色のない作品をあっさりと書き上げる力量はスゴイ。
とにかく次の作品が楽しみ。
ただジャケットは良いのだけど、このタイトルはどうだろう、少し古めかしく感じるのが残念。
そして、この作品を映画化できないだろうか?
砂漠に、廃棄された街のセット一つで良いのだから、意外と安く作れそう。
ただし、監督の演出力、脚本のレベルが高くないといけないし、俳優も大きなポイントになるだろうけど。
大森南朋、西島秀俊辺りかな?
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東京からの帰りの新幹線で一気読み。
急展開からの急展開に手に汗握りながらの読了でした。もう応援が来てもいいだろう?!とハラハラしながら、ああ~でもまだ半分以上もページが残ってる…!と絶望したり…
キャラクタもそれぞれに皆魅力的で、スピード感溢れるエンタメ小説でした。
最後に、これは本当にフィクション、でいいんだよね?と背筋が寒くなる感じ。似たようなことが現実に起こらないとも言い切れない現代に、どうか…と願うばかりです。
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ソマリアでの治安維持活動の最中に民兵の襲撃を受け、圧倒的不利な中でのサバイバル・・・。
生々しい戦闘シーンの数々や主人公達の崇高さに本を読む手が止まらず、睡眠不足必至の1冊です。
憲法9条が足枷となり海外での活動で悔しい思いを続けてきたと思われる自衛隊の皆様に対する賛美的な内容である一方、暗部にも触れている点が素晴らしいと感じました。
設定は映画だと、ヘリ墜落をきっかけに激しい戦闘へ発展するあたり「ブラックホークダウン」を彷彿させます。武器の特徴をより詳しく理解する為にも事前に観て置くと良いかもしれません。
ソマリアの海賊問題を理解する為には「キャプテンフィリップス」
同じくアフリカでダイヤモンド紛争として有名なシエラレオネのお話「ブラッドダイヤモンド」
民族間抗争という名の虐殺で有名な「ホテルルワンダ」
この4作を観てから読むと本書は数倍楽しめると思います。
世界が平和だった事なんて一度たりとも無いのに、支持を得るために戦争反対を唱え続ける左寄りの国会議員には是非とも読んで欲しいと思いました。
何よりも主人公がその事に途中で気づき、印象的なセリフがあります。
「多くの仲間を失いながら、まだ心のどこかで思っていた。拠点にさえ辿り着けばこれまで通りの生活が待っていると。こんな地獄は本来自分達とは無縁のはずだと」
■中国との尖閣問題
■韓国との竹島問題
■ロシアとの北方領土問題
■北朝鮮との拉致被害者問題
これだけ多くの外交問題を抱えている日本は、もう少し真剣に国防について考える必要があると気づかせてくれる1冊です。
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ブクログの献本企画に当選して贈られてきました。
展開が早く一気に最後まで読み通すことができたものの、帯の宣伝文にあるような「超弩級」とまではいかないと思います。
自衛官たちは完全に巻き込まれただけなのに、後半のランボーもかくやというぐらいの大活躍。これはちょっとご都合主義的で、冷めてしまいました。残念。
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パピルス2014年2月から8月連載の穫れ立て。献本でいただきました。ソマリアには行ったことがなく、自衛隊の活動は新聞で知るだけで、深く調べようとしたことがなかった。有川浩の自衛隊ものが題材として広く小説として取り上げられる中、海外活動を語る物として貴重。参考文献がしっかりしていて、ソマリアと自衛隊の海外活動について勉強してみようという気になった。
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すごい本だとは思ったけど、なんか説明がくどすぎるような気がした。
一気に読めるので、さらっと読んだらいいと思う。
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自衛隊の行動綱領が大きく変わりそうな懸念がある今。
一息に読んでしまった。
この本で戦って散ったものも、生きて残ったものも
みな素晴らしい男たちである。
ソマリアの人道支援に赴いた自衛隊の隊員たちが
一人の現地女性を保護したことで
民族紛争の只中へ放り込まれ、
欧米各国や中東の政治組織とつながる
武装部族に狙われることとなる。
かくして、生還をかけた戦いは開始され、
彼らは圧倒的な戦力差の中を生き抜こうとする。
12名いたはずの隊員のうち、帰投したものは3名。
しかしその決死の行動の全容は、
アメリカとの政治的パワーバランスの前に
なかったこととして「処理」される。
筋立ては確かに、アメリカや日本のよくある
アクション映画さながら。
ヒロインも確かに「よくある」
でも、読ませてしまうパワーがこの本にはある。
面白かった。キッチンを磨かなきゃ、と思いながら
ページを捲る手は止められなかった。
海外で国際紛争に巻き込まれ、
我が国の人々が命を落とす。
そんな事態はもうお話ではない。
自衛隊の方々も、私達が知らされていず、
小説にも出来ない、当事者じゃなくては
理解できないようなご苦労があると思う。
実際公僕というものは、
「有事の保険であり平穏時はあって当たり前の
日常を維持する」から公僕なのである。
公務員や自衛官バッシングは後を絶たないが、
敢えて言う。
公僕に存在感はいらない。
存在感がないということは
そこが平穏だからだ。
皆忘れているが、公僕の担っている職責も
仕事である以上
「普段から仕事していなければ回らない」
おまけに
有事になってから準備しても間に合わないものだから
ぶった切ればいいというものではないのだ。
また、逆に、公的機関であれば、
自衛隊の活動がいるほどの状況に
一般人が巻き込まれたら、あれこれ言わずに
助けるべく行動すべきなのだ。
だって公的機関は、税金で賄われ、
法治国家である以上、個人の責任の上をはるかに
超える事態には、やはり動くのが責務というもの
だからだ。
話がそれたが…
自己犠牲と勇気と鍛錬と…命への執着と。
そして誇りと。
一体いくつの物があれば困難は越せるのか。
弱さを越えたところの極限の姿は、
なんだかんだ言っても
感動するし心は震える。
困難な任務につく人々に、
安易に戦争行為を求めることは、
だからこそしたくない。
自分達は一発の銃弾も撃てないのに
ひとを戦争に駆り立てることはしてはいけないし、
同時に自分以外の誰かなら、
無抵抗で傷ついてもいいわけじゃない。
言えないことの重み。
知らされていないことの重みを、
下手な報道以上に考えた
そんな本だった。
私自身が元公僕であるゆえに、
多少ラジカルな事も書いたが
これは小説としても非常に面白い。
小説だからこそ、ソマリアの大地を私自身も必死で
逃げて、帰投後の主人公たちと涙できたのだ。
陳腐というならば言え。
読みきって、夢中になってこその小説だ。
2冊めは人の生き残るお話を、
ガラリと空気を変えて
描いていただきたい。
(確認すると、すでにシリーズ作なども上梓されている。
アニメの脚本家でもあられるそうで。
上に「陳腐」と書いたが、
決してこの方は下手なのではない。
感情に訴えるツボを、
「知っている」
と思いながら押される。
そんな文章なので、読む方によっては、
「どこかで見たことがある感じ。」
「こう言うと思った。」
と感じる人がいるだろう。
でも、決してそれはつまらない、
というのとは違うのだ。
かと言って時代劇風のお決まりではなくて…。
知っているけど、そう来られると心のほうが反応する。
そんな感じなのだ。
それが好きか、残念か。それは人による。
それを言いたくて「陳腐」と書いた。
ちなみに私は他の作品も予約をした。
つまり、否応なく面白かったのだ。
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ストーリーは単純だが、敵兵との戦いの描き方に迫力があり、一気読みです。現実でもこういったことが起きているかと思うとぞっとする。文句なしの10点をつけたい!