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好きだなぁ、これ。
シャアの話が切なくて、それ以前とガラリと印象が変わる。
大人になってはじめて、失ってはいけないものだったとわかる、子どもの愛の脆さが胸に痛い。
「身の丈なりの暮らしにもかなしみの降るとき、道歩けば彼らは必ず贈ってくれる。笑う力を。」
寂しいような、でも幸せなような、主人公の日常が、とても美しい。
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犬や猫を見る姫野さんの目線がいいな。
鳴き声クオン、を久遠、と表現するなんて。
『シャア』の子供の時間はとても長く子供の愛はとても脆い…深いです。
干草のベッドで戯れる17歳のジャン=ロボに会いたいです。
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私も犬を飼っています。世界一かわいい犬だと思っています。テレビやネットで有名な犬にも決して劣っていません。
若いときはかなり元気すぎたのと、毛の生え変わりがあまりに激しいので、ブルブルしたたけで周りが毛だらけになるというはた迷惑な性質なので、あまり日がな撫でまわすなどは敬遠しています。
もう11さいなので、若いときほどやんちゃもしなくよく寝ています。
うちの犬は本当にかわいいので、よく家の前を通る人が見つけるとよく立ち止まって覗いています。知り合いなら名前を呼んだり、気づいてもらえるまで声にならない声をかけているようです。
そんなのに遭遇するとかわいいでしょ!と自慢に思うより、箱入り娘のごとき悪い虫がきたかと思います。
うちは犬を飼うのに必要な条件を全て満たしているので、犬も幸せだろうと奢っていたかもしれません。
姫野カオルコさん。あなたに近い人、少なくないのでしょうね。
これからはあまり気味悪がらずに幸せを分けてあげようかなと思います。
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かつて飼っていたハスキー犬は、誇り高い犬だった。
片目が黒く、片目が青。
ぬいぐるみのように、ムックムクの足。
ぴんと立った耳に、凛々しい眼差し。
家族が大好きで、旅行から帰って来たら踊るように喜んだ。
泣いている時には、そっと寄り添ってくれた。
我慢強さは類を見ず、出産を静かに成し終えたと感動も冷めないのに、ガリガリになりながら、子ども達にエサを与える姿は神々しかった。
病気になり、立てないくらい弱っているのに、決して家の中を汚さず、
用を足すのは、必ず家の外だった。
いよいよご飯を食べなくなった時、この子はもう受け入れているんだなと思った。
その命が尽きる直前まで、もう立てないはずなのに、
スッと凛々しく、力強く立ち、窓から外を見ていた姿が忘れられない。
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我が家では犬を飼っているので、私自身犬は嫌いではないけれど、うちの子以外の犬は、実は苦手。
姫野カオルコさんは、ホントに犬がすきなのですね。
著者のフィルターを通して見る犬達はみんなとても可愛く、今回も、犬への愛情をひしひしと感じる本となっていました。
要所に記される昭和的な表現や物を、検索しながら懐かしみながら読みました。
著者の目の付け所が秀逸。
楽しい読書でした。
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いくつかの理由から犬猫が飼えない、その理由が私の思う条件と一致していたので安心して読むことができた。
イラストが目を惹くリアルな可愛さで、そこからどんな性格の犬なのか想像するのが楽しかった。内容を読むに、よく特徴をとらえているように感じた。
犬との話でありながら飼い主や関わりのある人や自分の話でもある。
ラニと飼い主の話は、特に空気感が好き。やさしく大事にされてきたからこそ他者にやさしくできる、それは一理あるなぁと感じ入った。なんだか私には滋味深い話だった。
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姫野カオルコ作品で初めて読んだ本。
ああ、犬が飼いたい。せめて触りたい…!と終始思いながら読んだ。
子供の頃庭で飼っていた雑種の中型犬を思い出す。
賢くて従順で辛抱強い犬だった。
今思えば、もっとかわいがってもっとかまってやればよかったなぁ。
犬と一緒に思い出す、あのにおいあの毛のバシバシした感触、まだ若かった父と母。
そういうものが一気に思い出される小説だ。
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昭和の犬に続き、読んでみた。
私小説だと断りはあるけれど、エッセイじゃないのかと疑いつつ。
この方の犬との接し方は大好き。私もこう考えるし、こうしたい。
それとは別にこの方の意地悪感覚というか、程よい悪意みたいなものも私には理想的。
つい、正しくいい子的に振る舞ってしまう自分を省みる。
その感覚が自分嫌いから発していることをまっすぐに見つめ、腹に落として犬を愛する。
私は姫野カオルコさんを忘れないし、好きな作家さんだと伝えたい。
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動物好きでも、住まいの環境で飼えないときは、ご近所のペットたちと仲良くなるべし!
引っ越しの時に別れた猫の姉やとの話は、せつなかった。
訓練中に微動なにしなかったロボ、格好よかった!