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水準以上の作品であることに異論はないが
過去の日本ホラー小説大賞のような
カタルシスを得られたかというと
明確にノーと言わざるを得ない。
一言で言うと、ぬるいし、新味に欠ける。
高校生の甘酸っぱい恋愛模様を終始散りばめて、
最後は高校生がお互いを強く抱きしめあって、
甘く見つめ合いながら終わる。
私の考えるホラー小説は、こんな終わり方しない。
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島に沈没船が流れつく出来事を皮切りに次々と怪奇な事件や現象が発生。高校生の杜弥が一連の謎に迫ります。
それぞれのエピソードはバラエティに富んでいますしコンパクトに纏められているので、興味を失わず最後まで面白く読み通せました。
ただ、全体的にモダンホラーの型に嵌り過ぎているかなと思いました。特にクライマックスは『お約束』という感じだったので、もう少しオリジナリティーや意外性が欲しかったです。
また、日本の呪いとブードゥー教の呪術が入り混じり明後日の方向へ行きかける様な部分があり、ガジェットを活かし切れていない印象が残りました。
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日本ホラー小説大賞受賞作。
閉鎖的な島で次々に起こる殺人事件が、果たして論理的に解決されるのか、それとも怪奇現象なのか、途中まではどちらに転がるのかがわからずに戸惑いながら読み進めた。結局、呪いを主軸としたホラーの王道をいく作品だった。
違和感があったのは、主軸となる怪奇な事件のほかに挿入される複数の犯罪が、本筋とは無関係であること。細かく書き込まれていたので、どこかですべてがひとつにまとまり、すとんと着地するのかと思いきや、放りっぱなしだったのでちょっと裏切られた感が。がんばって盛り込みすぎたかな。
とは言え、新人ながら文章力も安定していて読みやすく、目新しさには欠けるものの謎解きも納得のいくものではあった。
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綾辻行人推薦という帯にひかれて読み始めました。呪いにも色々な形があり中盤まではかなり引き込まれました。犯人はすぐ誰だか分かると思うけど、面白かった。アクションシーンを入れたいのか、残虐なシーンを入れたいのか どちらかにかたよったほうが良かったかな。あと外国の人達の乗ったヨットの行方が気になります。
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日本ホラー小説大賞受賞作品。
うわー、もういかにも!といった雰囲気全開のばりばりホラー。こういうの大好きです。たまらない!
かなりいろんな要素がいっぱいいっぱい詰め込まれて、ややごちゃっとした印象も受けるけれど。どの要素も魅力的なので、満足満足♪ 中でも補陀落渡海のエピソードが邪悪で素晴らしい。あの人の悲惨な末路が予感させられるのにも絶句。まああまり同情はできないんですが。
ラストの怒涛の展開も圧巻。個人的にはこういうホラー、後味悪い方が好きなんですが(苦笑)。こういう爽やかな読後感ってのも意外でいいかも。
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中盤辺りまではグイグイ引き込まれていったけど、徐々におかしな方向へ…盛り込みすぎてちょっと無理がある感じ。島の中で始まって島の中で終わらせて欲しかったかも。予想とは違う展開だった。
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ホラー大賞。
スピード感があってさくさく進む。いろんなネタが混じって、それぞれのシーンを想像すると、あまりの馬鹿らしさにびっくり。つまらないかどうかより、丹波哲郎の映画を文字で見てる感じ。
ホラー大賞はばかばかしくて当たり前と思えば楽しいです。
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ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作品に相応しい、豪壮な舞台設定。小さな島の中に、よくこれだけの怖いものを詰め込んだものだなぁ、と感心しました(^-^)
そんなわけで、確かに贅沢なのですが、すべてのネタが、どれもやや食い散らかしている感があります。キレイに片付けてから次に行くか、後からでもいいから、もう少し整理して欲しかった(^^;
私も賢い人間ではないので、終盤には頭の中がグチャグチャになりました(笑)
顔取りから始まって、アレとかアレとか、登場する発想は、想像すると怖いものばかりですが、文章から醸し出される臨場感、生理描写、比喩表現などからは、怖さはあまり伝わってきませんでした。素朴で読みやすいのですが、その為に、あまり凝った文章はなく、特に気になったのは、約10ページの間に3回も「釈然としなかった」り、5ページの間に2回も「涙がこめかみに落ちていった」り……あとは、痺れたり、焼けたり、と、とにかく同じ表現ばかり使われているのです。読み飛ばしてもいいかな、という箇所がかなりありました。
小説なのに、文章にこだわっていないのは、非常にもったいないなぁ、と思うのでした。
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帯文:”狂気を宿すのは、島か少女か?本年度最恐の新人が放つ戦慄のホラー・ミステリ!”
目次:序、顔取り、和邇、補陀落、咒、亡者の海、楽土、第21回日本ホラー小説大賞選評
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伊豆諸島の一部である須栄島。
そこに赤子のときに流されて育てられた女子高生は島民から村八分の扱いを受け孤独に生きている。
彼女は秘かに巫女のような仕事を託され「災いがくる」という預言をうける。
それ以来、島は謎と狂気があふれ出る。
ストーリーがしっかりしてて続きが気になった。
面白くて細かな疑問も吹っ飛ぶ。
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伊豆諸島の東端の小島で起こる怪奇現象の数々。読み始めは島に伝わる不可思議な伝説が蘇っては解決→また起こるの繰り返しがありつつ、伏線で繋がっていくお話かと思ってたら…突然ブードゥーの呪いが出てきてビックリ!日本古来の昔話を絡めてあったので違和感満載。
でもそれを補って余りあるテンポの良さと躍動感。私は結構怖かったかなー。
最後はキレイにまとめ過ぎな感は否めないけど、この作家さんの別の作品も読んでみたいと思える良作でした♡
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海神信仰が残る須栄島。島では沈没客船が漂着したことを皮切りに謎の怪異が次々と起こり、死者がでてしまう。島の高校生・杜弥は被害者すべてが、好意を寄せる同級生・椰々子の関係者だと気づき…。
恒川光太郎や朱川湊人を生んだ日本ホラー小説大賞の2014年受賞作。梗概に「謎の怪異が次々と起こり」とあるが、起こり過ぎてゴチャゴチャしてしまった感は否めない。でも読ませる力はかなりあると思うので、作者のこれからの作品に期待。
(C)
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ホラーだわ。島民はしっかり死ぬし、ワケもなく殺されることもあるし、閉じ込められた設定で助けはこないし
いいねぇ、コレ
オカルトで少年と少女が困ってて、身近な人を疑っちゃうヤツ
章立てで恐ろしいことが立て続けに起こるっての?
やっぱ、連続しないとね、身の毛もよだつ出来事は
コレでデビューでしょ?スゴイね
ほかにナニ書いてんだろ、スゴく気になる
(6/06/'15)
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須栄島で打保椰々子に関わる人が次々と殺される.町長の息子の白波杜弥が中心になって解決する物語だが、「顔取り」には度肝を抜かれる感じだ.「亡者の海」で椰々子の生い立ちが判明するが、オカルト過ぎる.新任警官の田所が意外な役割をしているのには、気が付かなかった.楽しめる.
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以下、今年の読み初めとなった。
第21回ホラー小説大賞受賞作、孤島が舞台の民俗学ホラー、帯には選考者の貴志祐介、宮部みゆき、綾辻行人の推薦文が踊る。否応なしに楽しみな一冊だった。
読後は、ジュブナイルファンタジーとして一層光っている作品だと感じた。小学生の頃に読めたら、一層楽しめた気がする。
実際、総じてエンターテインメント小説として巧く、あっと言う間に読んでしまった。次から次に畳み掛けながらも伏線を丁寧に拾っていく物語、平易で読みやすい語り口は時に描写の凄惨さを和らげ、また時に登場人物の心象をこちらに委ね余韻を残す。各章1時間程度で読める短篇集的な構成も個人的に良かった。
ただ読みざわり滑らかであるが故、ホラー小説に欲しい「間」や「おどろおどろしさ」に物足りなさも感じたのも事実。物語の主軸も、島の因習と運命に翻弄されつつも立ち向かう主人公たちの葛藤ということで、そう考えると本書は良質なジュブナイルファンタジーという方が適当な気がする。
カテゴライズはさておき、年初からいい作家さんを知ることが出来たのは嬉しく、次回作に期待が膨らんだ。