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加門七海さんは、何となく気になっていたけど、何となく読んでいませんでした。偶然パラ見したら面白そうだったので、今回が初。
タイトルの如く、霊能力を持つ、あるいはそのように言われのある動物について、伝説や神社、著者や他の体験談を加えて解説してます。
一番印象に残ったのが、最初の章になる「狼の部屋」。三峰神社の話から何から、話の端々に怖いくらいの力が語られていました。
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学者顔負けの史料調べはさすがですね。
狼、狐、龍蛇等々の霊能に関わる動物に関するエッセイです。
動物を畏怖する心は現代もしっかりと根付いている。その心を忘れた時に人は人でなくなるのかもしれないな。
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狼、狐、狸、猫……。古来より現在に至るまで、人と動物は、複雑な関係を続けてきた。
愛玩物として可愛がる一方で、道具として使役する。
神様または神の使いと崇める一方で、忌まわしきモノとして排したり殺したりする。
民俗学が動物にまつわる神秘・深秘を解体する一方で、学問の範疇を超えるような神秘・深秘が未だに残ったり現れたりしている。
動物と人間との一筋縄ではいかない関係を、“此岸”である「民俗学」と“彼岸”である「実話・実体験」の両面から軽く考察してみた動物エッセイ集。
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民俗学と怪談、両方からアプローチを試みているため、どちらか一方が好きな人はその内容に「中途半端」という読後感を持つだろう。だが両方が好きで両方に好意的な人が読めば、そのハイブリッドな内容に「刺激的で面白い」という読後感を持つはずだ。
視線を感じた方に顔を向けて、そこに何らかの動物がいた時――。
その時は、ただ「いた」という事実だけでなく、時に何らかの「意図」または「意志」の有無について思いを巡らして――みようかな?
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神や仏の眷属となっている動物を加門七海独特の口調で描いている。狼、狐、蛇、狸、猫等々。これらの動物は昔から人と深くかかわってきていて、人は時には恐れ時には愛らしく思っていたのだと感じた。
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神に近い場所にいる動物の話。
説に多少強引なところはあるが
私は読み物として楽しんでいるので
気にならない。
狼と狐の考察がおもしろい。
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「霊能動物館」加門七海◆狐、狸、猫…そこは様々な霊能動物に出会える場所。ただの不思議な話で終わらず、文献(宇多天皇が書いた、愛猫を褒めちぎる文章は傑作)を用いて歴史的な検証がなされているのが面白い。呪われるのも憑かれるのも御免だけれど、彼らが今の時代にもひっそり生きていると良い。
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著者が小説家なので、決して文献ではないのでそのつもりで読むと結構面白い。
学者並みの資料検索に小説家としての創作力を加えると結構面白い読み物になるなあと実感。
読ませてくれました。
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マンガに小説、映画とジャンル問わずにネタとなる妖の獣たち。彼らの成り立ちについての入門、といった扱いでしょうか。
作者自身は、存在証明できないので大声で妖の伝承や民話が真実とはいえないけれど、全てが嘘とは言い切れないという立ち位置。
世の中の不思議は不思議のままでもいいんじゃないの?知ることが出来れば楽しいけれどね。という感じです。興味が先走って敬意を払っていないわけではないです。
良い立ち位置ですね。自分以外の考えをきちんと尊重する、ということです。
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動物に纏わる民話は数多い。
著者が取材&体験した、動物にまつわる不思議な現象をまとめている。
人と動物たちとのコンタクトは、昔の人たちと現代人とで大きく異なると僕は思っている。
数多くの民話や童話が残っているのもそのためではないかな。
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このところ動物関連の本が続いている。こちらは民間伝承に現れる動物、神社の眷属といわれる狐、狸、龍(蛇)などについて書かれたもの。ほかにも狼(山犬)、馬、鳥、猫、人魚まで出てきます。
加門さんはこのジャンルの書き手らしく(スミマセン、これがはじめてです)体験もまじえてリアルに、よく検証して書かれています。それぞれの考察に、うなったり怖くなったりしつつ、興味深~く読みました。
私は鳥好きなので、神話や神社の縁起にかかわるたくさんのエピソードを知れたのが嬉しかったです。
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日常的に見かける動物といったら、犬、猫、カラスくらいかな。もっと多くの動物を身近に感じながら暮らしていた世界があったのだなあ。
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狐や狼、蛇など、古来より霊力を持つとされてきた動物たちについて、文献や民間伝承を踏まえて民俗学的に考察した本。憑き物筋や、犬神、オシラサマみたいなキーワードに反応してしまう人におすすめ。
加門さんならではの実体験や、実話系怪談に近い話も所々に出てくるので、研究書よりはやわらかく、サブカルチャー寄りになっている。
「神としての狼の性質とは」とか、「狐と狸の化け方の違い」とか、いろいろな問題について論じているけど、結局「よく分からないなあ」みたいな感じでお茶を濁したり、単なる推測で終わっているのが多いのはちょっと残念。
でも、関西で狼を神とする信仰があまりなく、稲荷信仰が根強いのは、藤原氏の氏神、春日社の神の使いが鹿であり、狼はその敵であるからだという説は、ちょっと強引だけどおもしろいと思った。
メジャーな動物たちの中で、異彩を放っているのは人魚の章。動物に分類していいのかも不明。たしかに八百比丘尼の話は有名だけど、人魚の前にもっと別の動物はいなかったのかとツッコミたくなった。
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小説かと思って読み始めたら、コレが大違い^^;神や神の使い、あるいは妖怪や憑き物として扱われる動物たちについての民俗学的考証の本でした。とはいえ、専門の学者ではなく作家さんの考証なので、適度に緩いというか…読み物としては十分に面白いかと思います。
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久しぶりの加門さん。身近だけどもいつもと違う動物達の話しで面白かった。今回はここまでだけど、続きも出たら読みたい。
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著者は、様々な怪異らしきものが、”見える” タイプの人だという。”見る”に限らず、様々な経験をされているよう。
で、本書もバリバリに”入り込んでいる”、同じタイプの人でないと付いていけないか、余程の”好き”(見えなくても)な人のモノなにかな?...と危惧したが...
そこまでではありませんでした。
むしろ冷静で客観視し、丹念に情報収集しつつも”判然としないものは仕方が無い”と割り切りつつも楽しんでいる。
章立て毎に対象とする生物が違うが、”たぬき”の章は明るいノリで軽快に読めた。
章立ての構成が少し面白いなあと感じていたら、あとがき的な終章に来て、その全貌を描いて見せてくれた。
なるほど!、著者らしい世界観と表現方法はこれをベースにしていたのか!.....と。
数百年の昔に至る資料検証がベースになっているので、じっくり全文を読み下そうとすると腹痛を起す。
余程、歴史ネタが好きで、国語力と記憶力が素晴らしい人には相応の楽しみ方が出来るのだろうが、自分には無い。
所々を抜き読みしながら、一応読了とさせて頂きました。