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もうなんにせよ長い。あと主人公の語り口とか性格が苦手。ストーリーとか謎とか前にイライラした。自分の名字読み間違えられることあるからわざと何度もそう呼んでくる津田さんのことは好きになれないと思う。わたしは苦手だけどそうじゃない人もいるだろう。人間関係も小説も同じだな。
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周りくどい、けど面白い。
津田の語りが絶妙で、ふと、思いついたことから順番に語っている感じがあって、時系列がバラバラでもそれらしくなっていて面白いと思った。
が、読みにくいのは事実で、「この続きはどうなるんだろう」というワクワク感ではなくて、「一体これはどうなっているんだろう」という好奇心で読み進めた感じ。
鳩を掴んだ原因、鳳凰を手放した原因はともかく、アタッシュケースの中から最初に掴んだものが鳩という不運を笑ってやりたい。
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私の評価基準
☆☆☆☆☆ 最高 すごくおもしろい ぜひおすすめ 保存版
☆☆☆☆ すごくおもしろい おすすめ 再読するかも
☆☆☆ おもしろい 気が向いたらどうぞ
☆☆ 普通 時間があれば
☆ つまらない もしくは趣味が合わない
2016.7.26読了
上巻に併せて記載
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一行目;幸地家の幼い娘は父親のことをヒデヨシと呼んでいた。
とある作家が、実体験と想像で作品を作っていく。回りくどい文体(わざとだと思うが)がスルスル入ってきて、結構いい。
最後まで想像でしかないのだから、どうなるかわからないところもあるのだが、ラストの鳩(偽札)の流れは面白い。
好みで評価がわかれると思うが、私はかなり好きな作品。
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独特の文体で、私小説的な感じで物語が進む。面白い。いろんな伏線が散りばめられて、それがいろんなとこで絡んできたり、明らかになったり。
もっと黒社会の話が出てくるかと思ったけど、その辺は抑えられた感じかな。
一昨年までおった中野が懐かしい。理髪一番、通ったなぁ。
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白くまを食べながら、この小説のレビューを書いている。佐藤正午の小説を読むたび、主人公が佐藤浩市に思えてくる。実際の佐藤正午は俳優の佐藤浩市とは似ても似つかないし、佐藤浩市が佐藤正午の原作の映画に出演したこともない。それなのに、物語の津田役は佐藤正午であり、その姿は佐藤浩市なのだ。この物語に出てくる人々のほとんどはどうしようもない人たちだ。そのどうしようもない人たちの誰かにシンパシーを感じるかといえば、晴山になる。横顔の美しい人妻と情事を重ね、その挙句、殺されかける。自分とはかけ離れている分、憧れが半分、愚かしさの蔑みも半分だろうか。映画にするなら、晴山は妻夫木聡なんてとこで、元女優の人妻は深田恭子かなあ。歳が近すぎるから、妻夫木じゃなくて、岡田将生かなあ。そして、津田役は当然、佐藤浩市で、ついでに倉田の役もやってもらえるといいのになあ。
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『そのていど起伏に富んだほうが喜ばれないか。なかでも本の筋書きだけ追って得意技の一気読みをして、泣きましたとか言いたがる女性には受けないか。』
『Uターンしろって言うのも酷だけど、Uターンたって東京で途中下車だから、Uまではいかないわけだ、ぎりJだ。』
「スピンは栞ですよ ー 本の栞」
「ああ。そういうことか。なるほどね」
「幸地さんいわく、です。ほんとかどうか知りませんが」
「わかるよ。ペンキが乾くのをただ見守ってるだけだもんね」
「なんですかそれ」
「人生だ ー そんな台詞聞いたことない?」
「ないですね」
「この店で酒を飲むことが栞になるわけだ、退屈で、味気ない日常の。そうだろ?」
「パン、なんじは、なんの、だれなのだ?」
「なぞなぞですか?」
「いや。ピーターパンに出てくるフック船長の台詞。きみは何者なの? と訊いてる」
「だれにですか。あたしにですか?」
「うん。いやフック船長はピーターパンに訊いてるんだけどね。ピーターパンは、じぶんがなんであるのか、だれであるのか、知らないんだ。でもみなみさんはもちろん知ってるよね。去年いちど、どこかで僕たちは会ってるんだよね? なんじは、なんの、だれだったのだ?」
『私は、ひととして、まちがったおこないをしました。その点は、認めるに、やぶさかではありません。ただし、自分の信念からしたことですから、たとえこんど、おなじ状況に置かれたとしても、神に誓って、私は、おなじことをします。』
「そうだね。SOSは、やっぱりなにかの略なんだろうか。ASAP、as soon as possible、可及的速やかに、みたいな」
「自分でも知らないうちに、夫には言えない心の一ばん内がわの箱みたいなのを抱えてないか? 生身の津田伸一の手で、あたしを悪い女にしてほしい、そういう下心は露ほどないのか?」
「ないですね」
「CMH?」
「CMHとは」
「cross my heart、神に誓って?」
『別の場所でふたりが出会っていれば、幸せになれたはずだった。』
『ただ避けようのない事情やもののはずみが重なって、気づいたら、ぬきさしならない場所に追い込まれていただけだ、なぜそんなことになったのか彼女にもわからないんだ、過ちとは、本来そういうものだ、わかるか?』
「な? ほんとにセックスべたって言ったのか?」
「言ってた。この耳ではっきり聞いた」
「言っていいことと悪いことがあるだろ、ひととして」
「よっぽど恨んでるんじゃない? じゃあそろそろ、いい?」
「上手も下手も、相性ってもんじゃないのか、ああいうのは」
「まだ聞き足りない?」
「責任は半々じゃないのか」
「わかるよ。そういう男はどこにでもいる」
「そうなんです」
「そういう男に騙される女もたまにいる」
「あたしの親友がそうなんです」
「親友でよかったよ、騙されたのがきみじゃなくて」
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これってミステリー?文学?起きてることは、失踪・偽札となかなか不穏だけど、主人公「僕」は作家だからなのか、のらりくらりと思索にふけり、現実に起きていることなのか、主人公の新作のプロットなのかわかならい。それが心地良い場合もあるけど、本作は違う。会話の部分にしても食い違いの場面が多すぎ。いらいらしながら読んだ。最後はすっきり終わることを期待したがだめだった。私には合わなかったということです…。
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もやもやする。幸地家と本通り裏と女優倶楽部の物語として、普通にシリアスに書いたら、つまらないということなのでしょうか。この物語に津田さんいらない気がする。ごめんなさい。
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現代小説でこれほど衝撃を受けたのは村上春樹以来。物語の構成、語り口、どれをとっても素晴らしい。現在活躍している作家の中で最も技量のある1人だと思う。
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やっと終わったって感じです。
話が重層になっていて、なんなだか解決して欲しいものがしないという感じ…
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後藤明生さんの『蜂アカデミーへの報告』みたいなのをイメージしていたら全く違った。『小説家の四季』で佐藤さんの随筆を読んでいた体験となんとなくつながった。
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残念。
登場人物の誰にも感情移入できず、肩入れできるほどの描写もなく。
全てにおいて、歯になんか挟まったまま進んで終わってしまった感じ。
あと、これは完全に偏見だけど、主人公がもてるの違和感で。中年、喫煙者、ろくにシャワーも浴びない、車でも煙草、ジャンクフードばかり食べる、服も余り持ってない。見た目はともかく、絶対臭いはず。加齢臭、ヤニ臭…
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上下巻読了。確かに会話と描写から登場人物像を浮かび上がらせる手腕は素晴らしいの一言。熟練という言葉が似合うと思います。しかしプロットが納得できない箇所があり、また主人公の小説家が魅力に乏しい。どちらかというと、房州老人や床屋のまえだ、「ぬまもと」こと沼本店員、鳥飼やハラコ(ヒラコ)の方がよっぽど魅力的だ。沼本店員でもう一冊書けそうな位だ。個人的にだが、わざとなのが明確でも人の名前を間違え続けるのが非常に気になってこれも負の要因だった。伊坂幸太郎と同じでふざけすぎているところがマイナス。
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内容(「BOOK」データベースより)
「このままじゃおれたちはやばい、ラストに相当やばい場面が待っているかもしれない。おれたちというのは、床屋のまえだとおれ、それにもちろん津田さんの三人組のことだ。だけど厳密にやばいのはあんただよ。わからないか。夜汽車に乗って旅立つ時だよ」いきなり退職金を手渡された津田伸一にいよいよ決断の機会が訪れる―忽然と姿を消した家族、郵便局員の失踪、裏社会の蠢き、疑惑つきの大金…たった一日の交錯が多くのひとの人生を思わぬ方向へと導いてゆく。
どういう話なのかという説明を求められたら割と簡単に答えられます。でも話の入り組みかたと無駄とも思われる絢爛たる豪華な文章で全体像の把握にとても骨が折れますです。小説の中の現実の話と、メタフィクションが入り組み、混乱が深まっていき最終的にはミキサーでがーっと混ぜたように脳の至る所に気になる部分がこびりついて茫洋としました。これを理解して読める人はよっぽど頭がいいか勤勉な人なんだろうなあと思います。
主人公津田の情けない姿に共感できないという意見よく分かります。でも実は男はこういう奴と友達になれるもんで、自分勝手でいい方にどんどん流されて失敗していくのに、友達はいる奴って結構こういう男な気がします。モテる女に女は冷たい印象有りますが、モテる男に男は寛容です。でも本当にくずですね津田さんは。
焦点になるポイントに大量の偽札があります。この大金によって大騒動が起きるのかと思いきや意外とそうならないのが不思議でしたが、最後まで読むとなるほどと手を打ちました。叙述ミステリー否定派なので、こういう風に徐々に徐々にパーツを開示展開していく話は好きです。ストーリー自体はさほど難しいものではなく割とシンプルですが、普通つまびらかにされるであろう所が色々ほったらかしなのでそこが僕には粋に感じました。人々の過去の動きは全て津田の頭で作ったメタという設定なんでしょうね。よくこの小説を書けたと思います。素直にすごいです。普通頭こんがらがるでしょう。