投稿元:
レビューを見る
今年(2014)もインフルエンザが流行りました、例年より寒くなったせいかもしれません。私の勤務している部署でも若手を中心にインフルエンザと診察されて、数日間出勤停止となった同僚がいました。
インフルエンザを予防するために、ワクチンを接種するのは半ば常識のようになってきました。私は、数年前にこの本の著者である母里氏の本(インフルエンザワクチンは打たないで!)という本を読んで、ワクチンを打つより、インフルエンザにかかっても早めに体内で抗体を作る方が重要であることを理解しました。
気がかりであったのは、その本が2003年の頃に書かれたもので、その後の新型インフルエンザについての彼女の意見を確認したく思っていました。その考えは最近でも同じであることをこの本で確認できて嬉しく思いました。
ワクチン研究をずっと行ってきた母里氏が書かれたから納得感もあると思います。一人でも多くの人がこの本を読んで、ワクチンに頼るのではなく、健康に留意して、自然治癒力を高める生活をするようになってほしいです。
以下は気になったポイントです。
・厚生省が「積極的勧奨はしない」とした、子宮頸がんワクチンは絶対に打ってはいけないもの。がんを防ぐかもしれない、と希望的観測で作られた実験的ワクチン(p18、22)
・「予防する効果を期待されています」とは、効果があるかどうかまったくデータがとれていないことを意味する(p27)
・薬は病気の人にしか売れないけれど、ワクチンはすべての人に売ることができる。健康な人を脅せば、一歳あたり百万人の需要が確保できる(p33)
・肺炎球菌ワクチンは、元気な人には必要ない、そして、免疫力の落ちた人には効果がない、というものである(p42)
・インフルエンザワクチン等の不活性化ワクチンは、死んでいる病原体を使っているので、体内に入っても増殖しない、ごくわずかな免疫抗体をつくるのみ(p53)
・天然痘を撲滅できたのは、天然痘ウィルスは人間にしか感染せず、感染した場合には、頭部や顔を中心に大きな発疹が現れるので、患者を囲い込める(p66)
・人間の体には、異物を排除するという自然のしくみが備わっている。死んだ病原菌を入れても十分な免疫抗体をつくらず追い出してしまう、そのためにアルミニウムや油などの水に溶けない異物であるアジュバンドを加えて、それに死んだ病原菌をつけて異物にする(p76)
・インフルエンザワクチンの副作用が大きくなり、1992-1994年にかけて予防接種裁判は国が和解に持ち込み、患者側の勝訴となった。そして学童への集団接種は廃止となった(p82、112)
・インフルエンザは、のどや鼻の粘膜にとりつき、30秒後には感染する。自然感染すれば、粘膜にも免疫抗体が作られるが、ワクチンでは血中にしか抗体は作られない(p111)
・60歳以上の方は、インフルエンザにかかった後に無くなった方よりも、ワクチン接種後に無くなった方のほうが多かった(p126)
・発熱は、自分の体を守るための生体反応、熱中症など、外から熱された場合は危険である(p129)
・3年間にわたる闘争の後、膨大な元データが公開され、2014.3の最終結論によれば、タミフルには肺炎や入院を減らすという科学的根拠はなかったことが判明した(p133)
・インフルエンザの流行を防げない一番の理由は、元気な人が感染を広げている、感染しても熱も出ない元気な、不顕性感染という状態の人がたくさんいる(p137)
・インフルエンザを発病しない最強の予防法は、インフルエンザにかかること(p140)
・予防接種は努力義務、努めるべきであるがしなくても処罰の対象にならず、選択は個人の自由に任されるという意味(p161)
・スペインかぜで3千万人も死んだ原因は、アスピリンのせいとも言われている(p178)
2014年12月31日作成