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★★★★☆
【内容】
NPO法人の代表・神代氏が殺害された。
一方、刑事の綾乃は、孤独死と見られる陽子の裏付け捜査を始めた。
【感想】
500ページ超なのに、面白くて3日で読みきった!
神代の事件と、綾乃の捜査、"あなた"として語られる陽子の過去。
そこには事故捜査の闇や保険の闇、が絡んでくる。
途中で予想した結末は予想ハズレだった。
映像化は行けるかもしれないが、最大の驚きは表現できないだろう。。。
【感想】
人は戦って自由を手に入れるんじゃない。人は自由だから、戦うんだ。あなたには、生きる自由も、死ぬ自由も、戦う自由も、諦める自由も、全部ある。好きなものを選べばいい。
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ラストのサプライズ自体は今更格別驚くことはなかったんだが、ああだからこの構成でこの語りなのねということを納得させるエンディングはなかなかに凄かったです、ある意味究極の母娘小説かも。
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棄民をテーマにした社会派小説でもあり、母娘のあり方にこだわった小説でもあり、もちろん犯罪を扱った小説でもある。文体を変え飽きさせない語り口で一気に読ませる。決して幸せな人生ではないが、金魚の弟の幽霊ではないが、それも陽子の自由の有り様で、一種清々しい感じがした。
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孤独死した女性の過去を刑事、本人のそれぞれの視点で描かれていく。弟が自殺し、父親が蒸発、嫌いな母親には捨てられて育った女。そのあとも、どんどん落ちて行く様がゆっくりゆっくり書かれていて、なんとも身につまされる。
保険金殺人を繰り返しながら、最後、すんなり終わらないところもなかなか面白い。暗いお話だけど、引き込まれた。
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つかみのグロさに引くけれど頑張ってそこを越えると面白くなり、ずるずる引き摺られるように最後まで読み終えると、そうでもなくて。。。
ただえげつないだけのイヤミスとは思わないが、かと言って、現代社会や1女性の深淵をえぐって問いかけてきているとまでも思えない。
結局なんだったのだろう。実態のない幻を追いかけているようだ。
陽子は誰でもあり、誰でもない。
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2つの事件が絡み合い、繋がっていきます。
どこでどう繋がるのか、主人公の変容ぶりが、見事に描かれています。
倒叙物ですが、ただの倒叙で終わるのではなく、最後のどんでん返しが見事です。
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最初から女性の変死体で始まる構成が上手い.どうやってそこにたどり着くのか、気持ち悪い不安げな肌触りを感じながらも一人の女性が落ちてゆく経過につられて次々とページをめくってしまう.そして最初の場面にたどり着いたと思ったら!
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最近あったあのニュースを思い出しました。どんどん転落していく人生にページをめくる手が止まりませんでした。ミステリーとしての要素と、人生ドラマとしての要素が詰まっています。
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読みやすい文体で、なぜこうなったのか?とぐいぐい読ませるミステリー。
負の連鎖。マンションの一室で見つかった死体の女性はいったいどうしてこうなったのか。生まれた時からの不幸が止まない。恐ろしい事件。手口が…
いろいろ知らなかった裏の世界?闇の世界?というのを少し見てしまった感じ。
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途中までは、息苦しくてつらかったけど、最後はスカッとする展開。なんとなく「ゴーン・ガール」の感じもあるな。
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初めて読む作家さん。
最初がグロ過ぎてなかなかページをめくれず…
これ読み切るかなぁと思いつつ読み進めると
どんどん引き込まれていき、途中から一気読み!
ラストは少々混乱した(´・ω・`)
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登場人物の背景や造形が、インターネットで目にする日本の暗部、マイルドヤンキー的なものが多々取り入れられているように思う。その意味でものすごくインターネット的なミステリーだ。
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「ロスト・ケア」で日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞、話題の作家さんの作品。
マンションの一室で女性の死体が発見される。孤独死とも思われたが、鈴木陽子というその女性の過去を調査するうちに不可解なことが。並行して貧困ビジネスを行っていたNPO代表者の殺害事件も調査されていく。
女性刑事の視点の章、「あなたは・・・」と語りかけるような形で鈴木陽子の人生が語られていく章、NPO代表殺害事件の関係者の証言の章と形式が凝っている。
ラストも含め、扱っている内容自体は目新しいものではないが、内容の深さや陰湿にならない語り口、読みやすく面白かった。
(図書館)
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圧巻。絶叫というタイトル通り、主人公の叫びが聞こえてきそうな本だった。そもそも最初の現場の凄惨さ。血の匂いは全くしないのに、本当にこんな現場に入らざるを得ない警察の人に同情する。
また主人公は転落の一本道だと思っていた。それがいい意味で裏切られるのも良い。
決して好きな分野での本ではないが、枠を超える面白さがある。
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国分寺にある単身者向けマンションで、10頭前後の猫の死体に囲まれ、頭皮の一部を髪の毛を残して肉がない骸骨…死後4~5か月は経っているいるとみられる人間の死体が1体見つかった。国分寺警察署刑事課の奥貫綾乃も現場に駆けつけ、捜査を開始する。
最初少し読みにくかったのと、最後少し「あなた」と「私」で混乱したが、読み終えてみると、貧困ビジネスや保険金殺人などの仕組みを含め、よくできてるなぁと感じる。鈴木陽子という女性の一生が描かれているのだが、ここまで不幸な境遇の女性はなかなかいないだろう。しかしそれでいて、いつからか自ら率先して落ちていく道を歩んでいるようにも感じる。どこかで彼女を本気で思ってくれる人が1人でもいたなら、ここまでひどい人生にはならなかっただろうに。最後、生き残っても決して救われていないのが悲しい。