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全体として、家族の物語の短編集。
男女間の暗めの物語と思っていたので、意外だったけれどこれはこれでとても良かった。
なんて言葉にしていいのか分からないけれど、そう、これなの、この気持ちが私にもあった!って所がたくさんあった。
家族の形も問題も関わりも様々。凄い感動とか凄い衝撃とかはないのに、一編一編読み終わる時必ず涙ぐむ。悲しい涙ではないもので。
ママ友、祖父と父、障がい者の妹がいた母、夫と妻、母親が変わった娘。色々だったなー。
何が凄い!とかはないんだけど、とても良かった。またいつか読みたい。
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2020.9
それぞれの家族や夫婦のお話。
短編集で読みやすく、共感できる部分もあり、読んだ後にほっとした気持ちになった。
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いつも周囲からの評価を気にしてビクビクしているセレブママ、知的障害の妹がいるために「もしも自分の娘も障害児だったら・・・」と不安で仕方がない専業主婦、父親の再婚によって継母とその連れ子との新しい生活が始まった女子高生etc
同じ幼稚園に子供を通わせる5つの家族のヒリヒリした日常と、その先にある一筋の微かな光を描いた作品。
窪さんの描く家族はリアリティーがあって、いつも心を掴まれる。特に自分が辛い時には周りの人がものすごく幸せそうに見えるけど、どんな家族にも小さな棘のようなものがあって、皆それをなんとかして乗り越えているんだなということを感じさせられる。今回はどのお話もハッピーエンドで、読んでいて元気付けられました。
帯の推薦文に朝井リョウが書いた、「小説で誰かを救う。そんな大それたことは言いづらい。
だけど、それに本気で挑戦している作家は確かにいるのだと、窪美澄を読むといつもそう思う。」という言葉は言い過ぎでも、大袈裟ではなかった。
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窪さんって、こんな感じの作品書く人なんだ~。ちょっとヒリヒリとした不穏な肌触りの日常の中に見出す希望の光。。
やっぱ、子は鎹、なのかな?
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5つの家族の物語。
きっとどこかにチクっとするものを感じながらも、誰かに共感出来ると思います。
窪さんの作品って、リアリティーがあって、何かどこかをすごく揺さぶられます。
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読み終えた本は、習慣的に何をも考えずにプリンターの上に積み上げてあります。
十日に一度ぐらい、積み上がった山からそれぞれに分類し仕舞うことにしています。
窪美澄・著 / 水やりはいつも深夜だけど
申し訳ありませぬッ! ・・埋もれておりました。
11/15発売予定だったプルーフ本、今朝、プリンターの上から採掘し、一日かけて読まさせていただぎした。
5篇の短編集でした。
タイトルの付け方といい、短編本作の始まり方といい、どうにもスカしたお姉さんのオハナシか・・と、いきなり読み込むテンションが下がりかけましたが・・。
初読の作家さん、窪美澄さん、お名前と周五郎先生の賞をお取りになった作品タイトルぐらいは知ってはいました。
その受賞作も本作も、タイトルが・・。
もう少し普通(万人に嫌気を持たせない)のタイトルてあったらば、もっと早く読むことになっていたかも知れませぬ。
FBやTwitterで、フォロワーを競うゲームを傍目で見てる様な人たち(即ち、含/俺)に、久し振りにきちんと読まさせてくれる一冊だと思えました。
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初めて読んだ作家さんだったけれど、すごく良かった。視点の異なる5つの家族の短編なんだけど、どの話もあぁ、分かるなぁ、、とか私もこうなりそう、こうなるのかなぁ、、という要素が必ずあって、恐いというか何というか。身近な人を大切にするって、一番簡単だけど実はすごく難しいことだ。もうすぐ親になる時に出会えてよかった一冊。
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植物の名前がタイトルについた五篇の短編からなる、家族がテーマの短編集。
主人公は小さい子供がいるママだったりパパだったり思春期の娘だったりするのだけど、どの話にも自分の心にカチリと響く言葉があって、思わず涙がこぼれそうになったページもいくつか。
四番目の「砂のないテラリウム」は自分の体験のB面みたいな話で思わず苦笑い。状況はいろいろ違うけれども。
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家族をテーマにした5つの短編集。窪美澄作品で性的な描写が無しとは珍しくもあり、新鮮でもある。人間って誰しも不器用なんだなと実感。この5つの短編集に登場する人々、みんな不器用だけど不器用なりに一生懸命に生きている。そして、周りや家族の力を借りてその不器用さをプラスに変えているところに強さを感じる。子育て・ママ友・夫とのすれ違い。現代の女性の生きづらさをリアルに描き、再生していく作品。スカッとする。
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あとがきのあと「水やりはいつも深夜だけど」 窪美澄氏 「ごく普通」の家族の葛藤
2014/12/14付日本経済新聞 朝刊
同じ幼稚園に子どもが通う5つの家族を描いた短編5編を収めた連作小説集。どの子育て家庭にも起こりえそうな問題を生々しく描きつつも、最後に希望を示すことは忘れない。タイトルが示唆するように、多少遅くなっても愛情という「水やり」を忘れなければ、家族はやり直すことはできるというメッセージが込められているのだろう。
「以前住んでいたのは高級住宅街といわれるような町だったが、私の家はけっして裕福ではなく、それぞれの家の生活レベルは様々でした。『ごく普通』に見える家族でも様々な葛藤を抱えているはずで、それを示そうと思いました」
最初の短編「ちらめくポーチュラカ」は周囲の評価におびえて嘘を重ねたブログを書く母親、続く「サボテンの咆哮(ほうこう)」は産後うつとなった妻や義父母との関係が悪化した夫と、作品ごとに語り手を変えた。「それぞれに言い分がある。誰かを悪者にはしたくなかったので、多視点でとらえることにした」という。
各編のタイトルには植物の名前を入れた。「ポーチュラカは私がベランダで育てていた花の名前。雑誌で続きを書くとき、編集者の勧めで毎回植物をからませようということになった」と振り返る。苦労した回もあったが「主人公の気持ちを反映させるアイテムとして役立ちました」と話す。
2010年刊行の最初の単行本『ふがいない僕は空を見た』で山本周五郎賞を受賞、同作はタナダユキ監督によって映画化された。デビュー作のイメージが強すぎて戸惑ったこともあったが、「小説家にはなろうと思ってもなれるもんじゃないんだから」という先輩作家の一言に後押しされ、「やっと腰がすわってきました」。家族小説に軸足を置きながらも「引き出しを増やしていきたい」と意欲を示す。(KADOKAWA・1400円)
(くぼ・みすみ)作家。1965年東京生まれ。フリーライターなどを経て2009年作家デビュー。著書に『晴天の迷いクジラ』(山田風太郎賞)、『よるのふくらみ』など。
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どこにでもある話だけど、どれもリアルでつらくて悲しい。
同じ幼稚園のママ友と馴染めない主婦の話や、頑張ってるのに評価されない夫の話。我が子を発達障害と疑う母親の話は、自分の境遇と重なり、悩みの重さを感じました。
自分だけが頑張っていて自分だけがつらいと思ってしまいがちだけど、少し遠くから自分や他人を見れたら、少しは違うのかなと思いました。
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図書館新刊コーナーの本には弱い。つい。
短編集で家族の話だけど、最後1つ以外は主人公が母だったり妻だったり、なんだか自分と状況重ねて考えてしまったり、少々つらい。
しかし、最後は違う。主人公の設定も自分とは離れてるし、安心して読める。そして、不覚にも泣いてしまった。初めての作家さんだけど、良い本でした。
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5編から成る短編小説集。5編全てのタイトルに「花」の名前が入っています。
ママ友、共働き、義理の両親、障がい児、夫婦仲など。。。この作品のキーワードを挙げると、わざわざ小説を読んでまで疑似体験したくないような内容ですが、だからこそ共感出来る部分も多いです。
どのお話も水を欲しています。枯れそうな私たちのお話でもあります。
自ら逃げ出さないかぎり、改善しない問題や関係は無いとおもいます。枯れていなければ、水やりで再生出来る力を、花も人間も持っているはずです。
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やっぱ、窪美澄は凄い。どれもこれも染み入る話だけど、最後の話は嗚咽するほど泣いてしまった。
小説家、って想像の世界だろうけど、ここまで真に迫るというのは、私小説か、とすら思ってしまう。
幸せそうにみえる家庭だって、実状はナカノヒトしかわからない。
可哀想に、、と思われがちなヒトだって、幸福感は十分あるかもしれない。
竹内まりやじゃないけど、平常にある幸せ、をかみしめたい。
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セレブママとしてブログを更新しながら、周囲の評価に怯える主婦。仕事が忙しく子育てに参加できず、妻や義理の両親からうとまれる夫。自分の娘の発達障害を疑い、自己嫌悪に陥る主婦。出産を経て変貌した妻に違和感を覚え、若い女に傾いてしまう男。父の再婚により突然やってきた義母に戸惑う、高一女子。同じ幼稚園に子どもを通わせる家々の、もがきながらも前を向いて生きる姿を描いた、魂ゆさぶる5つの物語。(「BOOK」データベースより)
「ふがいない~」からずっと愛している地元出身の作家さん。また新刊も素晴らしかった。リアルで懸命で、ちょっと皮肉な笑顔になってしまうような。この感性はなんだろう。どうしたらこんな風に書けるのか。そんな大それたことを考えてしまいたくなる物語ばかりでした。やはりずっと好き。何作出ても。