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渋谷通り魔殺傷事件を起こした犯人が喫茶店に立てこもり、逃亡を図るために警察と電話で取引きしようとする話。
犯人が事件を起こすシーンは、被害者一人一人の人物像だったり背景が描かれていたし、臨場感があって引き込まれるものがあった。
ただ、立てこもった後からが長すぎる。ここまで長くするなら、身勝手ながらも犯行を実行するに至った心情、渡瀬の焦りと葛藤をもう少し描いて欲しかったし、なぜ横川が不可解な言動を繰り返すのか匂わせて欲しかった。
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こんな時代だからこそ、刺さった。
警察の2人の判断。
どちらが正しかったのだろう?
解説にも少しあったが、高橋を「人間」として扱うか、「大量殺人犯」として扱うかで変わってくる。
人間として対話し、理性的に解決しようとする渡瀬。
分かり合えない存在だとして、最初から殺すつもりだった横川。
分かり合えない存在を都合よく切り捨ててしまっていいのだろうか、、、?
だが、横川の判断も間違っているわけではない。
潜在的な大量殺人犯に対しては、どうしても後手後手に回ざるを得ない。
事件を未然に防ぐのは難しい。
「大量殺人犯は殺される」という見せしめは結果的には未来の大勢の人間を救っただろう。
膨らみ続ける風船は、いずれ割れてしまう。
割れる前に誰かが処理しなければいけないのである。
物語では横川の行動を渡瀬は「殺人である」として非難しているが、必要悪なのではないだろうか。
もみ消そうとする態度には引っかかったが、、、
「誰でもよかった」に罪のない人間が殺され、「誰でもよかった」に未来の人間が救われた。
これは現代版のトロッコ問題だと思った。
高橋を「人間」として扱い、未来の人間を見殺すか、「大量殺人犯」として、みせしめて殺すか。
どちらが正しい判断なのだろう?
残念なのは、物語と現実では状況が変わってしまったことだ。
今の時代、「大量殺人犯は殺される」というのは抑止力には弱い。
いわゆる"無敵の人"にはそんなのは関係ない。
私たちはいやおうなしに薄氷の上を歩かされている。
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「誰でもよかった」の2つ目の意味が明かされたところでゾクッとした
横川の行動が意味不明でこの人はなんか怪しいと思いながら読んでいたけど最初から結末を考えていたとは…
これはこれで横川の正義だったのかもしれないけど、責任を取って辞職するつもりとか言いながら報告書を自分の都合がいいものにしようとしていて、さらに上との何かがあるのでは?と疑ってしまった
渡瀬が高橋と交渉しているところはドキドキしながら読んだ
めちゃくちゃ応援した
それだけにこの結末は悔しかった
でも面白かった!!
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犯人は30歳前後のフリーター男性。
渋谷スクランブル交差点に軽トラで突っ込み無差別殺人を引き起こす。
センター街にある喫茶店にたてこもるが、
特殊事件捜査係の刑事が交渉にあたる。
作中描写で、犯人の社会から隔離されたような心情が出てくるが身近にもそう感じてる人は多いのかもしれない。
一種の社会問題。
タイトルの"誰でもよかった"は犯人の無差別殺人を指すものだが警察側も見せしめとして殺すのは誰でもよかったのである。
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うーん。
詰めが甘いかな。
最後の横川と渡瀬の話にどんなオチがあるのか期待したけれど、中途半端。
一気に読めただけに残念。
結局「誰でもよかった」のタイトルありき?
それはいいけど、ラストでどんでん返し的な物を期待したから、中途半端だと感じてしまったのかも。
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秋葉原の無差別殺傷事件を思い出す。
読みやすく、終盤までは面白く読んだけれど、最後あっけなく終わってちょっと拍子抜け。
もっと最後に盛り上がったらよかったかなあ。
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図書館で事務所に保管されていた本。凶悪殺人の話だからかな?
たくさんの登場人物が出てきたが、一気に読破してしまった。
警察の動きや犯人の動きがわかりやすくて、特に最初の高橋が犯行を行うシーンはドキドキしながら読んだ。何の罪もない被害者たちがいたたまれないし、自分がこの立場だったらと思ってしまった…
最後はミステリー好きとしては、どんでん返しや横川さんの裏切り?なども勝手に期待してしまったけど、呆気なく終わってしまって拍子抜け。でも、渡瀬さんの真っ直ぐさ、横川さんのズルさ、対照的な刑事の描写が面白かった。
実際の事件をモチーフにしているということで、こういうことは現実では絶対に起きてほしくないと強く願う今日この頃。
事件が起きた時に、写真を撮ってる野次馬の描写があったが、これも現代を表しているなぁと。今の世の中何か事件があったら、写真や動画を撮る人ばかりな気がする。自分はどうだろう。そうはなりたくないなって改めて考えさせられた。
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ちょっとものたりなかったですが、最後まで読むことでこのタイトルが秀逸!
渋谷で発生した無差別殺人事件。11人を殺害。
さらに犯人はセンター街の喫茶店に人質を取って籠城。
交渉人との攻防が始まります。
犯人はなぜこのような事件を起こしたのか?
ある意味、承認欲求を満たしたいということかとも感じました。
犯人にすれば「誰でもよかった」
良くありがちの、誰かを殺すためのカモフラージュではありませんでした(笑)
交渉人による辛抱強い会話。一方で、解決を急ぐ、理不尽な警察上部からの要求。度重なる課長からの不可解な判断と指示。
現場って大変ですよね。
犯人はどうなるのか?
といったところから、
最後明らかになる真相という展開です。
「誰でもよかった」
秀逸なタイトルでした。
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〜と言った。ーと呟いた。が多かった。
あっさり結末を迎えたが実際に起こったらこんなもんだろう。
タイトルもうまく回収したと思う