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久しぶりの桐野小説。ドキドキしながら読みました。
ナポリに暮らす、整形を繰り返す母親と無国籍の娘。ときおり訪ねて来る偽名のオトコ。この設定だけでももう何が起こるのか気になって途中では止められない。
謎と不自由ばかりの暮らし。母は何を隠しているのか、自分の苗字は?そもそも自分はいったい誰なのか?
底辺と思われた自分の生活が、実はもっと悲惨な人生を歩んできた友たちとの出会いで変わっていく。いや、変えていこうとする、主人公マイコの芯の強さに救われる。
それにしても七海っていったい誰なんだ。実在するのか?とこれもまた謎。
しかし実在するあの狂気の宗教家はあえて出さなくてもよかったんじゃないのか、とも。あの事件を下敷きにしているとしても。
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なんだか分厚いので躊躇したけど、読み始めるとドンドン深みにはまっていく。
「おぉ」「おぉ」と、うなる反面、話のバランスが取れないことに違和感が。
そのうち、残りページ数が少なくなっていくのに、どんな展開が待っているのか想像もつかない不安。(残念なことに「ワクワク」ではない)
読み終えて、「最後、締切に間に合わせたんだろか?」と、少し心残りというか残念な気持ちで終わったというか…
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初出は文芸雑誌GINGER L.、ジンジャーエール。アラサー向け女性雑誌GINGERの姉妹誌に連載された小説は、今を生きるその年代がリアルにホットに感じるだろう事柄が盛沢山。ハラハラドキドキの連続だが重くなり過ぎずに読み終える。スカスカの行間は、読者の知識欲と努力で埋めるためにあるのかも。桐野夏生氏は安定した筆致で最後まで引っ張ってくれるから台風待ちの連休中、ふらふらと揺れる気持ちで読むのに最適でした。
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整形を繰り返し顔を変え続ける母とアジアやヨーロッパの都市を転々とし、ナポリのスラム街に住み着いたマイコ、18歳。
国籍もIDもなく、父親も知らず、友達もおらず、かろうじて小学校を卒業した後は、バイトと家の往復だけの生活を送っている。
ある日、「MANGA CAFE」と書かれたチラシを手にする日本人男性に呼び止められたことから、マイコの人生は変わっていく。
面白かった!!
屋根のある部屋で安心して寝られることが、どんなに幸せなことかと思い知らされる。
ラストは良かった。ほっとした。
(図書館)
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スリリングな内容に一気読み。なんだけど・・・まぁ桐野夏生さんの本はいつもそうなんだけど、どうにも主人公が好きになれない。自分が平和ボケしてるからか、理解に苦しむ行動が多々あり。
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とてもスリリングな話で一気に読めるのに、ラストは、いつもの桐野夏生の救いようのない謎めいた終わりでなく、中途半端なハッピーエンドに最大の謎の手紙の相手の存在が意味不明。女性誌の連載期間のせいか、女性誌だからのハッピーエンドか。残念。
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その時代にしか通用しない話題の盛り込まれた小説が増えた。しかもこの本で取り上げられているものは若干古い。なぜ今、と不思議に思う。
それから、マンガ、が出てくる。主人公はマンガを通して日本をイメージするのだが、このラインナップを読んでもその日本のイメージにはならないだろ、どう考えても。と思う。
作者は読んでるのか??この名前を挙げたマンガたちを。私はほとんど読んでるぞ。
後半部に行くほど情熱が薄れるのがわかる。なんとなくいろんな描写が雑になるから。非現実味も増す。主人公の意識が曇ってきているのを表しているととれば、非常によくできている、と言うべきか。
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主人公のマイコは謎の多い母と二人暮らし。無国籍である自分とどこか境遇が似ているからと、TVで知った七海宛に手紙を書くところから物語は始まる。初めて読む日本のマンガの虜になるマイコ。マンガで描かれる日本の「マンガチック」な現状。
エリスとアナの壮絶な過去。三人が暮らすナポリの街が何故か日本の近未来のようにも思えてくる不思議。
久しぶりの桐野夏生さん。相変わらず怖くて怖くて面白かった。
(11/1ブランチで紹介)
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ナポリのスラムに住む国籍の無い日本人少女、想像もできない話でついていけないかと思ったけど、母親の秘密とか、先が気になっていっきに読めました。知らないだけで、こんな生活をしてる子供達が世界にはいるんだろうと考えさせられました。
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手紙形式になっていたので、私には最後まで読めるかな?と思ったけど大丈夫でした。
現実的じゃ無いようだけど、こんな犯罪事件の関係者いるかも?と考えながら読んちゃいました。
しかし今の私の心境には重かったですね。
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一章は手紙になっていて読みやすく、続きが気になって一気に読んでしまった!
残りのページで伏線回収できるの?とドキドキ……結果、なるほど〜という感じ?何がほんと??とも思うけど満足な一冊でした。普通じゃない暮らし。から抜け出して一気に外の世界に染まっていく様はとても気持ちよく読めました。
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平和ボケと言われる日本でも劣悪な境遇の子どもたちはいる。
しかし、自国以外で暮らさざるをえない子どもたちの苦労はいかばかりか。
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(2015/6/30読了)
星3つはおまけ。桐野さんの本で外したのは初めてかも。
あまりに突拍子のない内容で、投げやりになってか面白がって、とんでもない方向に持っていっているんじゃないかと思うくらいにぶっ飛んでいる。話がどこに行くのか、どこに到着して収めるのか想像出来ない。そんな変なところが少し楽しかったこともあるけど。
手紙を使った手法は面白いけど、相手に関してどんな風に出したのかとか、詳細が書かれてない。必要ないと思ったのかな?これだけの長編なんだから、知りたかった。
(内容)
私は何者?私の居場所は、どこかにあるの?どんな罪を犯したのか。本当の名前は何なのか。整形を繰り返し隠れ暮らす母の秘密を知りたい。魂の疾走を描き切った、苛烈な現代サバイバル小説。
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桐野さんにしては読み易かった。
そして希望があった。
シュンの家族が実は金を持っていたと私は解釈した。
マイコはとっさに、シュンではなく母親とエリスを信じたのだと。
結果それが正解だったのだと。
真実は分からないけれど、一番、シュンにとってもマイコにとっても希望のある物語の想像をした。
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前半のつかみは見事。飽きさせない、目が離せない展開。
でも、後半の謎解きには正直がっかり。
エンターテイメント性は充分あるが、この本で作者が問いかけたかったことが見えてこない。
再読はしないでしょう。