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もしもこの事件を新聞で見たとしたら、この犯人に対して一ミリの同情も寄せなかっただろう。
何の落ち度もない被害者たちの、その恐怖と無念を思い心の底から犯人を憎んだだろう。たとえ彼の人生が理不尽な排斥によって追い詰められた結果の凶行だったとしても。
けれど、けれど、と不安になる。彼の語るあの瞬間を私は待っていなかっただろうか、と。
ナイフを握る彼の背中を押しはしなかったか、と。
彼のこの人生はきっとこの国のあちこちで同じように何度も何度も繰り返されている。その一つ一つが彼と同じとは言わない。どんなに悔いても贖える罪ではないとはわかっている、けれど。
こうなる前に、何とかならなかっただろうか。誰かが手を差し伸べられなかったのだろうか。
何十人もの彼を押しとどめる何かを私たちは考えなければならないんじゃないだろうか。
彼の背中を押さないでいられるために。
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半分くらいまで読んで、あとは流し読みしてしまいまいした。なんというか響かない。
この人でなくても書けるこんな話じゃなくて、もっと野ばらちゃんにしか書けないものを期待します。
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あまりにも、悲しかった。
でも、野ばらさんの新境地というか、今の野ばらさんにしか書けない話だと思った。
ワーキングプアで、だんだん貧しくなっていくところがめちゃくちゃ怖かった。
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流れは好きだし過酷な労働状況とか落ちていくところとかしっかり書いていたけれど「DQN」「コミュ障」って言葉が上っ面で浮いてて違和感…。最近の言葉をむりやり使いたがっている気がして響かないどころかイタかった。
タイトルがネタバレすぎるのもどうなの?最初はいつ通り魔出てくるのかなーって読んでいたけれどすぐに展開とオチが読めてしまって、あとは惰性だった。まあ予想通りの終わり方。
好きな作家さんなのでショックが大きいです。
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絵に描いたような、人生の転落。
ぐーっとのめり込んで読んでしまう文体で。
井吹満をまさに疑似体験した感覚。
後半、どんどん所持金がなくなっていく
細かな金額の羅列は息がつまりそうだった。
この本の登場人物に
いい人は一人もいない。
現実はもう少しましだと思いたい。
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不幸な生い立ち→コミュニケーション障害→ストーカー→ネットカフェ難民→通り魔。
荒んでいく心は見える。だけど、関係ない人を殺す心はどうしても見えない。
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なんて悲しいんだろう。
通り魔になってしまった主人公をけして憎むことができない。指を差すことなどできない。
私たちだって一歩間違えばこうなる可能性があるのだ。
現代社会の闇を描いた、作品。
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コミュ障の男の子が社会に馴染めず転落していく話。
暗い、生きていくのが怖くなる。
その日暮しというのはこういうものなのかと初めて知った。自分は今失業中だけど選ばなかったら職に就ける立場だから恵まれている。けど、人生何があるか分からないからきちんと生きないといけない。
でも、主人公も一回誤った道にいっただけであとはまっとうに生きていたから人生どう転落するか分からない。
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久々に野ばらちゃんの小説をきちんと読み終わりました。
ここ最近の作品とは違い、小説という体はなしていますが、美しい野ばらちゃんのストーリーとは似て非なるやるせない話でした。
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コミュニケーション障害を抱え、同級生や職場の同僚はおろか、母親とも上手く会話ができない主人公。そんな彼が度重なる辛く理不尽なことにも耐え忍び、何とか生きていこうとするが、方々で裏切られてしまい、最後には恨みや妬みが爆発しとんでもないことを起こしてしまう。物語は終始、主人公から読者へ語りかける形の構成。最後まで主人公に対して感情移入も共感もできず。そして作者がこの本を通して読者に何を伝えたかったのかは分からなかった。配管清掃の場面に象徴されるように、終始どこかに閉じこめられたような閉塞感が漂う一冊だった。
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自分のこれからが怖くなった。
コミュニケーション障害の少年がストーカーをし、それを周りに知られて都会に逃げる。生きるだけのその日暮らしをする。唯一信じていた人に裏切られる。給料が振り込まれない。ふと気付くと街には幸せな人がたくさんいる。自分は笑ったことすらないのに。
主人公の彼の気持ちを思うと、あの時ああすればよかった、こうすればよかった。などの解決策すら思いつかない。
彼がしてしまったことの否定も馬鹿にすることもできない。
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序盤のフルーツバスケットのくだりまでは「わかるわかる!」ってなりながら読んでたけど、レポート用紙10枚分から「ねーーーよ」となりながらも、人と器用に距離がとれなかった昔の自分と重なりつらくなり、しんどかった。
でも後半は「わかるようでわからない、わかりたくない」の繰り返しだった。
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読んでいてつらくなった。
主人公に共感できるからこそ、なおさら…
社会に適応できない人は本当にたくさんいて、そうであることは本人にいかんともし難いことだし、仕方ないからそれを責めるのは違うと思ってる。
でも適切なサポートを受ければ、生きづらさは少しでも軽くなるし、社会に適応することだってできる。
それを受けられなかったばかりに、つらい思いをしてる人がたくさんいる。
主人公が、最後「なぜ手を差し伸べなかった」と言ってるのは、最もだよなあと思ったけれども。
けど社会はそれで許してくれるほど甘くない。
理解してくれない。
たぶんこの主人公は悪くない、し、頑張ったと思う。
けど頑張り方を間違えてしまったのかなあ。
野ばらさんがこういうのを書くのはちょっと意外でしたけど、考えさせられる話で面白かったです。
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負の連鎖。
職も、住も、食さえも、
どこかで、どうにか、ならなかった。
自分にも、誰にも、止められなかった。
世界は平等ではない。平等ではないけど、努力して、地位や、お金や、幸せを手に入れている人に非があるわけではない。
そして無関係な人が巻き込まれる。
こんなこと、きっと、これからもおこるのだろう。
こわい。
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タイトルからして、いずれ事件を起こすだろうと思いながら読み進めていくものの、余りにも主人公に対して理不尽過ぎて、『もう事件を起こしても良いのではないか?でも残りのページはまだある…』と残りのページ数を気にしながら主人公の行く末が気になり一気に読んでしまいました。
本を読んだ感想としては✩5ですが気分的にはだいふ塞いでしまいました。