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罪を憎んで人を憎まず。これほどこの言葉が沁みたことはないです。
最初から罪を犯す為に生まれてくる人間なんていません。
ですが、胸の内に他人への殺意を秘めている人間なんてごまんといるはず。
わたしも頭の中では何人も殺してきた。
誰もがこうなる可能性があって、決して他人事だと思えない主人公の心情に苦しくなりました。
同情も肯定もしないけれど、否定もできない。
どうすれば良かったのかもはっきりと浮かばず読了後しばらく暗い気持ちをひきずりました。
野ばらさん作品は好きでよく読みますが、なかでも心に残る一冊でした。
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堕ちていく人生を擬似体験しているように思えた。
特にどんどん無くなっていく所持金の描写がリアルだった。
個人的には最後のシーンで赤い服を纏った人をターゲットにしたところで鳥肌。
篠田のハイブランドを着たいという報われない想い、資本主義社会に対する抵抗、誰も助けてくれる人はいないという絶望感を背負って犯行に及んだシーンでは複雑な感情だった。
関わる人が悉く冷たすぎる!と思ったが、その日暮らしをしている人の現状なのかな。怖い。
ラプンツェルのくだり以外野ばらちゃんぽくない作品だと思ったけれど、これはこれで面白い。
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野ばら氏ぽくない作品。
これはこれで好きです。
しかし、毎回読み終えると、虚無感に苛まれる。
蒲田ってドヤ街だったの?
そんなに治安が悪いの?
特にネカフェのキッチンスペースにあったソース無し麺を食べるシーンが読んでて辛くなる。
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『自分がこの状況に陥ってしまったらどうする?』
と考えさせられるような小説でした。
信じられる人もいなくなり孤独でお金もないそんな状況です…
SNSが広まっている今、SNSの危険性についても考えさせられました。
気になっている方は是非手に取ってほしいです!!
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著者の本は初めて。コミュニケーション障害を抱えた主人公の独白形式。文体が少し変わっていて、ですます調が時々崩れる。漢字の使い方も独特で、「一寸」など使うため、古い作品を読んでいる気分になった。
不穏なタイトルに向かって、ゆっくりと追い詰められていく感じ。どこの選択を変えたらよかったのか、誰なら助けられたのか、と考えてしまう。
直接関係ないのだが、警察の取り締まりや派遣会社の登録などの方法はこんな風になっているのだな、と少し知らない世界を知れた気がした。
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嶽本野ばらってこんなテンションで文章書いてたっけ…??
ちょっとびっくり…。いや、ブラックな感じはあった気はするが…。
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読んでいて辛すぎた。
生まれついた環境は自分でどうにかできるものではないのに。どんどん堕ちる描写が辛い。
少しだけでも、主人公を助けてくれる何かがあれば。と思ってしまう。
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主人公の伊吹満くんが端的に言うとコミュ障の根暗であり、彼が出会う人が次から次へとクソなので精神的に読んでて楽しいという感じではないのですが…。
でもどこか自分も伊吹くんや彼をとりまく人に被るところがあり、怖いもの見たさで読んでしまいました。瘡蓋をあえて剥がしてしまうような。
最初から最後までなんだか救われないです。
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殺人鬼の話と思い読み始めた。しかしながら、主人公の色々な言動は私自身も身に覚えがある
他人事に感じなかった。
でも最後に時間が戻っても同じ事をやるとは、虚しく感じた。