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『これは土の匂いのする経済小説だ!』
前作「限界集落株式会社」で持ち直した止村には、外資(村外全般、と言う意味で)による巨大なTODOME・マライアモールが建ち繁盛する。やがてその外資は止村の目と鼻の先にある上元商店街に目をつけ、再開発を画策し始める。ブラック企業の馬脚を露すマライア、利権に群がるハゲタカ・ファンド。対するはコトカフェ率いる草の根資本主義!?
物語中盤、「これだけ立派な再開発を考えてもらってるのに」「これだけ頑張ってくれてるのに」と無茶苦茶他人事な再開発派の住人の台詞が気になった。でもこれってひとつのカリカチュアで、リアルの私たちもこんなんなってしまってるんじゃないかとか少し背筋がひんやりとした。
にしても、多岐川優がもう谷原章介さんでしか思い浮かばないんですが(笑)!
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限界集落株式会社の続編ですが…、
舞台は、前作の隣町に移っており、
田舎の駅前のシャッター商店街の、
再生vs再開発が主軸となります。
前作では、うまくいき過ぎるご都合主義に、
多少しらけ気味な面も散見されましたが…、
本作では、再生側、再開発側ともに、
無理のなぃ展開で、面白みを満喫できました。
作者さんの意図はわかりませんが、
作中で、再開発側の計画の骨子が、
コンパクトシティ構想といぅのは、
結構、いぃとこ突いてるな~と…。
地方都市のコンパクトシティ構想は、
軒並み、うまくいっていませんが…、
それは、ある意味当然のことでして、
本来のターゲットは「限界集落」…。
日本の金融資産1500兆円の80%を、
老齢世帯が保有しており、特に…、
限界集落の老齢世帯が保有する、
休耕地(ストック)を買い上げてキャッシュ化し、
これを、市場でフローさせるといぅのが、
コンパクトシティ構想の裏にある財政政策ですが、
さらに、老齢世帯が保有する土地を買い上げた後、
コンパクトシティに押し込み、その使用料として、
あの手この手で買い上げたキャッシュを回収する、
その仕組みが、偶然にも?うまく描けていたかな。
一方で、再生側の頑張りは、とても清々しく、
カウンターパート(悪役)である再開発側が、
とてもよく活きており、とても読了感のよぃ、
エンターテインメント小説でした!!
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展開そのものは都合が良く、勧善懲悪に過ぎるんだけれど、胸が熱くなるし、明日への活力になる。前作はあかね、今作はつぐみが旧時代的なマドンナ。語り古されたマドンナが、可愛らしくみえるノスタルジーが限界集落にあるんだろう。
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限界集落株式会社の続編。表紙中央の赤いエプロンがつぐみで,青いエプロンは健太。端に不良の木崎。虎爺は裏面~TODOME株式会社の経営は順調に滑っていったが,優はさらに成長戦略を採りたく,美穂は現状維持を採りたく,多岐川夫妻は別居を始めた。美穂は幕悦駅の近くの商店街・上元にある未亡人が経営するコトカフェに出向し,地域コミュニティー作りに協力している。一方,優の友人・佐藤は,TODOMEとベジタ坊を使い,TODOME・マライアモールを立ち上げ,近隣からの客も呼んでいる。佐藤は,駅前にも第二モールを作る計画を立て,再開発でコンパクトシティを作ろうとしている。コトカフェは年寄りの憩いの場だけでなく,モールで働く主婦から子どもを預かることまで始めた。東京から空いたシェアハウスに移ってきた長谷川健太はアルバイトのつぐみが気になり,働こうとしないハウスの仲間を引き摺り込むほど,地域に溶け込み始めた。美穂の妊娠が判明し,偵察に来ていた優は佐藤の戦略に対抗する参謀となる。料理研究会は移住してきた研究家やツアーディレクターを巻き込み,止村で農業体験をした後,コトカフェ3に立ち寄って,食材を購入するようになるが,佐藤は再開発準備委員会を立ち上げ,モールへの抜け道になっている商店街は歩行者天国と青空市を実現する。役場から出向している金森は佐藤が駅前を外資に売り渡そうとしている計画を嗅ぎつけて,上司の井筒に告げるが,取り合おうとはしない。佐藤の説明の最中に壇上の金森はそんなのは嘘っぱちだぁと叫んでしまった。投票が延期されたのは,大きなテナントであるマライアが引き上げ,出資元の外資系ファンドが契約を楯に,簿価での株の買い取りを役場に求めたらからだった。金森は善根展開する家電量販店の地元出身の社長と連絡を取る~前作の「何だか少し方向性が間違っているような気がするが,大きな金が動かないと元気にはならない。星野リゾートや・・・と思うが,地元の農業は残らないかな。休耕地にユンボを・・・だ。手間と時間を掛けるより,金を・・・。その手を一回しか使わせないには理由があるのだろうが,なぜだか・・・。」という疑問に答えてくれたが,努力が報われない悲劇仕立てにするという手もあるよね。いや!P181の「BMWの・・・,国産の軽のRVを・・・。キーを回し,エンジンをかけると,優は勢いよくアクセルをふかした。」って,今時空吹かしは,ニュートラルに入れておいて発進しようとしたという間違いでしかやらないでしょ。P235「経営活動は,・・・プロダクト・リーダー戦略,オペレーショナル・エクセレンス戦略,そして,カスタマーインティマシー戦略の三つのうち」とぶちまけておいて,後で高級戦略,効率戦略,交流戦略と言い直す必要はないですよね。最初から日本語で良いのであって,優君の悪い癖が又出ちゃったって云う設定かしら? しかし,詳細情報リークなし匿名の内部告発っていのと,何でもお見通しの登場人物って嫌ですね
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こんなにうまく行くはずがない、そうは思っても、
こんな風にうまく行くことを望む心がこの本を喜ぶ。
気持ちのいい本です。
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今、転勤になった鳥栖はここまでの田舎ではないけど、根っこでは東京から来た自分とここまでのすれ違いがあるんだろうなぁ。
人の心が一番大切。
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止村の 復活から 4年後、次は 寂れた 商店街を!! それぞれの キャラクターが よい味を 出していて テンポよい ストーリー展開で 面白く読めた♪
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前作から、物語の筋を外していないのはイイと思う。が。ストーリー展開が池井戸作品に近く、ハラハラドキドキが展開できそうだったのに、いきなり『賛成派』が自滅。書ききれなくなってサジを投げた後は、おめでたい話題で無理やりエピローグ。なんだかとても勿体ない。
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NHKのドラマの原作と思って借りた本だが、ドラマの続編だったとは…シャッター街となった商店街とビル開発の対決、町長の利権を巡る裏話もあり老人達と共に外資に町を乗っとられないよう立ち向かう若者達の話。シャッター街の店の活性化はその町特有のオリジナルがない限り難しい問題かな。
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過疎化が進んだ限界集落の農村を蘇らせていく話。
独立前に祖父の住んでいた田舎の村に帰ってきたキャリアの優と、村で農業に精を出す美穂がぶつかりながらも農営組織を軌道に乗せていく。
真面目な問題を取扱っているが読み口は爽やか。
テンポ良く読めた。
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2015年14冊目「脱・限界集落株式会社」読了。
限界集落株式会社が面白かったので、続きの本書を読んだ。一作目の農業思考とはちょっと視点は違うけど、相変わらず面白い内容だったので一気読み。一作目と登場人物も繋がっているので、両作品とも併せておすすめ。
自分もリタイヤしたら考えたいと思う田舎暮らし…まあそれは数十年後のお話。
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過疎化した村の復興サクセスストーリー。
もっと困難で大変な展開なら良かった。何かサラッと困難を乗り切った感がして少し物足りなかったかな。
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続編。
寂れた商店街を巡る、地域交流優先個人事業者vs巨大資本コンサルタント。
勧善懲悪の胸のすくストーリー。
前作よりも読みやすかったかな。
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ドラマ化された限界集落株式会社の続編ではあるが、止村の話でもないし、農業の話でもなく、今度は巨大資本のモール構想とシャッター商店街の再生の対立って感じでしょうか。主人公も多岐川優に美穂はまあ出てくるが、主人公ではないように感じるし、父の大内夫妻はちょい役。でも、これも面白かったですわ。前作もそうだけど、まあ現実的にはいろいろ難しいんだけど、こう云う方向に進めばいいですね。
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ストーリーとしては、ありがちな勧善懲悪ではあるが、それほどベタベタではなく読後感は悪くない。
もしかしたら、経営学のサブテキストとして使えるかとも思ったり・・・