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あの名探偵が甦る。
世界有数のホームズ・ファンが愛と敬意を込めて、名探偵の「語られざる事件」を鮮やかに作品化してみせた、最高水準のパスティーシュ登場。
六編を収録。
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さすが期待通りの正調パスティーシュ。堪能した。
ホームズ正典のパスティーシュを書くためには、ホームズ聖典の内容や登場人物を十分に知り尽くしているのは当然として、その周辺のヴィクトリア朝イギリス社会の文化や時代背景にも造詣が深く、さらにはもちろんミステリを書けるストーリーテラーでなくてはならない。
パロディまで行かず、正典に近いところで勝負している国産ホームズ物は今でもたくさん出ているが、上のどこかで引っかかるケースが多いのもまた真実。
どうもホームズやワトソンのセリフにピンとこなかったりとか、舞台となるロンドンの雰囲気がいまいちだったり。逆にその辺の知識は完璧なのにミステリとして今ひとつだったり(これは小説家というよりはシャーロッキアンである人が書いた本にありがち)。
こういったハードルをクリアできるのは、日本だとやはり北原さんぐらいだろう。そして実際にその期待に答えていただいたと思っている。ある意味安心してこのパスティーシュを読んでいられた。
パスティーシュはおいそれと量産できるものではないだろうが、ぜひとも継続して書いていただきたいところ。
余談。「憂慮する令嬢の事件」は、どうしても『クリスティ・ハイテンション』のイメージで読んでしまいますな(笑)。
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『遅刻しがちな荷馬車の事件』
『結ばれた黄色いスカーフの事件』
『ノーフォークの人狼卿の事件』
『詮索好きな老婦人の事件』
『憂慮する令嬢の事件』
『曲馬団の醜聞の事件』
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星の数程あるホームズ関連本。昨今ではドラマの影響もあってさながら大宇宙の一つの銀河(他にも銀河はたくさんある)の深淵を見るようですが、パスティーシュもまた星の数程。
本家が好きであれば、パロディやパスティーシュは確かに気にはなるけれど、なまじ本家と同じ「文字でストーリーを作り上げる」ものであるため、玉石混合の幅も広く、その中でも好みのものに当たるのはなかなか至難の業。
とはいえまず装画が鈴木さんのホームズという時点で買いなのですが、北原さんならまず間違いはない。
パスティーシュは本家を読むのと同じだと思っているので、純粋に物語を楽しむ。あまり仕掛けだとか、本家への布石だとかは気にせず、たまに転がっている石なんかを見つけると、ちょっとにやっとする程度で、それが自然に出来るのが、自分の中での良いパスティーシュだと思っている。
これはもうまさに心地良く本家の新しい世界を見せてくれ、しかも「語られなかった事件」を埋めてくれる趣向が良い。「語られなかった事件」を埋めるという形式も珍しくはないものの、ある種「お題」が決まっている訳で、その方が書きやすそうに見えて、実のところ結構こじつけ感がわかりやすくなってしまったり、お題に囚われすぎて意外性だとか妙な技を入れてしまいたくなったり、案外うまくいっているものは多くはない気がする。
しかし日本の作家でも昔の作家のパスティーシュとなると、文体を旧式にしたりもするけれど、海外作家ものを日本の作家が書く場合は「翻訳された文章」を書く訳で、そこが読み手も書き手も面白い所だろうなあと思う。やっぱり「この単語を使うとこう訳されそうだよねぇ。あるある!」とか思いながら書いているんだろうか。
多すぎてなかなか本家以外には手を出さないけれど、ちょうど先行で出ていた北原さんの他の2冊は読んでみようかなあ。
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正統派のパスティーシュで無理なく読めて、文体も読みやすいし面白かった。
トンデモ設定でなく、純粋に聖典に近いものを求めているならおすすめ。
逆に、忠実なので真新しい要素を求める人にはあっさりと感じるかもしれない。
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正統派。
おもしろかった。
文章によって
脳内では
『シャーロック・ホームズの冒険』の
音楽が流れ始め、
その世界観とキャストで楽しんだ。
が、何故か
ワトスン博士だけは
時々『SHERLOCK』のジョンだった 。
なんとなく…
機敏そうだし…
難しいこと考えずに楽しめる。
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翻訳の文体がどうにも苦手で、海外の作品は長いこと敬遠していたのですが、パスティーシュ作品ならそんな心配は無用。
ホームズの世界観そのままに、普通の日本語(?)で書かれているということが、こんなにうれしいことなのかと、ひとりホクホクしながら読み進めました。
派手さはないかもしれませんが、それだからこその安定感があり、いつまでも読んでいたくなる素敵な短編集です。
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パロディなし正統派のパスティーシュ。
原作にある内容を元に、こんな事件があったのではないかというホームズ短編集。
楽しめた。
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あれ、海外の翻訳ものだっけ、でも作者訳者名書いてないなぁ…と確認しちゃうほど違和感がない。
そして…ホームズと年齢を超越しちゃってる少女!もう一番ですよ!たぶんこの少女は、ホームズいなくても、その知性で解決しちゃうでしょう。ホームズと天才少女がこんなにもお似合いとは…!、と顔崩壊でした。
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北原さんのホームズパスティーシュ6篇。正典にある「語られざる事件」をテーマにしてあるが、文体といい、普通に翻訳版を読んでるみたいに楽しめた。これの執筆時に「SHERLOCK」のオマージュ版も書いてたそうで切り替え大変だったろうなあ^^;
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北原先生のホームズパスティーシュといえば、【ジョン、全裸連盟へ行く】のみ既読なんですが、【ジョン〜】の方がBBC版のパロディだったのに対して、今作は満を持しての聖典パロディ!です!!(嬉
既読作品が想像以上に面白かったので、今作のハードルもかなり高かったはずなんですが、なんのなんの!(古)楽々超えてきてくれましたわ〜o(^o^)o嬉
なぜ、優良百貨店の荷馬車は時々遅れるのか?
黄色いスカーフにまつわる因縁の謎とは?
人狼の血を引くと言われる男は、理性を失い、家畜を噛み殺してしまったのか?
詮索好きな老婦人があぶりだした恐るべき犯罪とは?
大富豪の名を騙って次々と令嬢たちに送られるラブレターの謎とは?
語られざる事件ものとか…………………
最高です(号泣)。
地の文のワトソンの文章表現とか、ホームズの持って回った言い回しとか、依頼者とのやり取りの空気感とか、もったいぶった推理披露とか、もう聖典に限りなく近いっていうか最早聖典でいいんじゃないでしょうか?(
ホロヴィッツの絹の家が聖典に列せられるなら、今作だって検討されてもいいくらいのレベルじゃないかな〜。
絹の家はね〜ラストがほんと救いがなかったからね〜。
本作はちょっぴりビターな締め方の作品もあるにはあったんですが、全体を通して「シャーロック・ホームズ」がしっかり冒険してる感じがすごくワクワクさせられたんですよね〜。ああ、北原先生、ほんっとにホームズ好きなんだな〜って嬉しくなったんですよね〜(泣)。
というわけで、シャーロキアンには自信を持ってお勧めします。って言うか、私レベルにお勧めされるまでもなく手に取られる作品だろうな、うん(笑)。