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2015年青少年読書感想文全国コンクール・中学校の部課題図書。
ノンフィクションの本から受けたインスピレーションを元に書かれたフィクション。
主人公の行く末と「青い恐怖」の謎解きの両方が気になって読んでしまいました。安心できる結末で、ホッとします。
小学校高学年位から。ドキドキハラハラする冒険もあり、男の子にもオススメです。
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1854年イギリスのブロード街で起こったコレラの大流行。その史実を元にした物語。実在の人物と創造の人物を交えコレラの流行する様と、その原因を探る科学捜査の流れを物語に乗せて表わされているので、とてもわかりやすいです。このわかりやすいというのが物語の持つ力なのでしょう。
そこには主人公イールの魅力も大きいでしょう。醸造所でメッセンジャーボーイとして働きながら、とある理由でお金を稼ぐ理由がありテムズ川をさらい、スノウ博士の動物たちの世話をする。その理由の謎も物語を引っ張る要因ともなっていますし、イールの健気さも示されます。周りの人々がコレラで倒れていく中、自分に何ができるか考え、新たな知識を吸収し、それに則り行動する。そんなイールの視点で物語を見るので、とてもわかりやすいんですね。史実に関する著者の解説も巻末にあり、関心を持てば一層奥まで案内してくれるのも嬉しいです。
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1854年英国ロンドン、ブロード街にコレラが広がり人々をパニックに陥れるという実話を元にした話。
主人公13歳のイール(架空の人物)はスノウ博士(実在人物)を手伝い感染源を追究するために奮闘します。
当時、コレラは≪瘴気説≫空気感染だと考えられていたそうですが、スノウ博士は経口摂取による感染、今回は井戸水を介して広がったと考え、その説を立証するためにイールはデータを取り、緻密な地図を友だちフローリーの助けで作り上げていき、感染源を明らかにする。
『ブロード街の12日間』のタイトルの通り、8月28日から9月8日までの12日間と限られた緊迫した時間の中で、コレラが広がっていく恐怖と時間との勝負、謎から解決へと話は一気に盛り上がっていく。
人類は様々な伝染病を克服してきましたが、次から次へと新たな伝染病が出現し、今またその恐怖に直面していますが、人類はきっと克服できると信じられるお話でした。
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コレラに包まれた街にすむ少年が博士のもとで解明に尽力する。
誠実なところと少年の心の弱さのあらわしかたがよかった
C8097
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ストーリーは本当にイギリスであったお話に
フィクションを加えて 作ったものでした。
が、とてもわかりやすくって
良かったです。
コレラって 始めは空気感染と思われていたのに、
水が原因と 突き詰めていった 博士の追及心は
素晴らしいと思いました。
いつの時代にもこのように素晴らしい人が生まれて、
人間の苦難を取り除いてくれるものですね。
この本の中では
子供が 問題解決には 何が必要か、そしてどう行動していくと良いかと
いう事が 書かれていました。
子供にお勧めの本ですね~~~
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1854年にロンドンのブロード街でコレラが大発生した。この事実を基に書かれたのがこの作品だ。主人公のイール(ウナギ)と呼ばれている男の子は川の泥さらいや街の大人たちの手伝いをしてわずかな賃金をもらい、それを必死に集めていた。彼にはそうしなければならない大切な理由があったのだ。
当時、汚れた空気でコレラが広がると思われていたが、スノウ博士はそれは間違いであると考えていた。助けを求めに来たイールと一緒に原因を突き止めるために街を歩き、人々の話を聞いてゆく。
スノウ博士は実在した人物だ。疫学と麻酔学のパイオニアだということだ。作者が創造した人物と混ざり合って話が深みを増すのだろう。コレラが急速に広がり、大切な人たちを失うショックや悲しみと、自分たちの努力が報われた時の喜びが胸に迫ってきた。いろいろな問題が解決される結末に本気で安堵した。
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未知の脅威から人類を守る統計的手法、疫学ってすげぇ!!
薬理凶室の博覧強記の魔獣、亜留間次郎氏の著書で本書が紹介されていたのがきっかけで拝読。
ビクトリア朝時代のロンドンで発生したコレラの流行を、ジョン・スノウ博士が疫学を用いて解決した史実をベースに作られた物語。
スノウ博士は街を恐怖に貶めている原因不明の疫病に対し、いつ?どこで?誰が?何を?という基本的な問いを深く追求した。そして、why何故作用するのか?が判明していないにも関わらず遂には感染を食い止める事に成功した。
そのメカニズムが現段階での科学技術では証明出来なくても、統計的な情報から危機を回避する事ができる。「疫学」というものを象徴するような話だった。
主人公イールと仲間たちの話もハートフルで、子供でも読みやすいおすすめの一冊。
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舞台は1854年のロンドン。貧困や差別、犯罪...当時青い恐怖と呼ばれ一瞬にしてロンドンの人々の命を奪ったコレラと闘う少年と、人々の姿を描いた物語。
何の予備知識もなしで表紙とタイトルに惹かれて読んだら史実をベースにした内容で、実在の人物も登場するということにまず驚いた。
当時のロンドンの衛生環境(きっと世界的にも同じ状況...)や貧困層の人々の暮らしぶりも、物語ということで多少脚色はされているだろうが、改めて知るととても暗い気持ちになる。
今では考えられないような困難な状況下でも、大切なものを守る為に必死に奔走する主人公イールや、明るく日々を生きるフローリーたちを思うと、胸がいっぱいで苦しい。
児童書だと軽い気持ちで読み始めたけど、彼らの幸せを願って止まないし、自分はどうだろう、自分は今を精一杯生きているだろうか?と考えてしまう。
恥ずかしながら、実在したスノウ博士やホワイトヘッド牧師、ファー博士など当時コレラの研究や収束に貢献した人物達もこちらの小説で初めて知った。コロナ禍の今この物語と出会えたことには何か意味があると思う。スノウ博士のコレラ研究に関する本もあるようだし、この機会に関連本も読んでみたいと思う。
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親もいない家もない13歳の少年イールが寝床にしているのはロンドンの下町ブロード街。そこをすさまじいスピードで「青い恐怖」=コレラが街を覆いつくしていく。イールはスノウ博士の助手として奔走。常識と考えられていることが時にいかに厄介なものか。信じる何かがあることや救いたい誰かがいることからくる強さがその常識を覆し世界を変える。最悪の状況でも助けてくれる人はいると思いたい。
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古本屋で、なんの気無しにジャケ買いしたんですが、読んでみたらなかなかの名作でした!小学高学年くらいから読めると思うので、大人も子供も是非読んでみてください。イギリスの貧民街でまだ未知の病だったコレラが大流行し人がバッタバタと無くなっていくのですが…。当時の人々の暮らしや、疫病の事とかよく書かれてます。面白くて読みやすくてあっという間に読んでしまいました。
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「ヴィクトリア朝時代、ロンドンのブロード街でコレラが発生。当時、原因が不明だったコレラ感染が、ロンドンの水と関係していることを突き止めた実在の人物、スノウ博士を登場させた歴史ミステリー。」
「コレラ発生の原因からイーリー個人が抱えている謎まで、いろいろな謎のからんだ歴史ミステリーとして読み応えじゅうぶんだ。1883年のコッホによるコレラ菌の発見に先立つこと二十九年、ひたすら状況証拠を積み重ねることにより原因を特定したスノウ博士とイーリーの活躍は興味深い。」
「それに加え、ヴィクトリア女王治世下のロンドンが活写されているのも、この本の魅力だろう。」