投稿元:
レビューを見る
一見何のことは無い、西村賢太さんの日記。
しかし、味わい深し。
一日何もしていないような日も多く、
買淫も手淫も、恥ずることなく晒す。
そんな飾りのないところが大好きである。
投稿元:
レビューを見る
週刊誌の女性記者二人現れ、自分を見て嬌声を上げる。やたらチヤホヤしてくれ、随分と思い切った性的挑発の言辞まで弄してくれ、内心舌舐めずりしつつ帰り際に二人の連絡先を聞く。色々と期待と股間が膨らむ一夜。ショートメールを送ってみる。返信はあったものの、かの夜の狂的に弾けた調子とは打って変わった事務的で素っ気ない文言。追ってご連絡させていただきます、とのやんわりとした拒絶の返答。結局、追っての連絡は来なかった。華やぎの中にもそこはかとないペーソスが漂う。買淫の記述が日を追うごとにバリエーションに富んでくる。辛うじて当たり、はずれと言えばはずれ。いろんな意味でややはずれ。あたりは久しぶりが幸いした感じ。大当たり、気持ちよかった。会心とは言えず。・・・・・頸椎症性神経根症の罹患で日乗は終わる。相変わらずの自己中心的身贔屓に薄ら笑いを浮かべながら、どこかほっとしてしまう。
投稿元:
レビューを見る
第一弾以降読んでいなくて、最近文學界か何かに自分の日記を読みなおすのは苦痛とか書いてあったのを読んだら不思議と読みたくなってまた手に取ってしまった。
相変わらずすごい食いっぷり。(私の三日分ぐらいのカロリーを一食で摂っているとかざら)そして著作もついに30冊を超えたとか。ご活躍何より。この人の文章は本当飽きない。いついかなるコンディションでも読める稀有な作家。憤怒の章と『一日』も読もう。面白い。
投稿元:
レビューを見る
2013年5月21日から2014年6月19日までの日記。前作でずいぶんひどい人がいたものだと思ったが、その露悪的なところが病みつきになるところがあって、日記なので時間をおいてはまずいだろうと読んでしまう。
今回はよく仕事をしていて、喧嘩も少ない。玉袋さんと取っ組み合いのケンカをしても仲直りしている。編集者とは二人くらいともめてるけど騒動にはなっていない。
体調的には親知らずの抜歯と後半痛風と頸椎症性神経根症がダブルで押し寄せてきてる。
食べたものをベースに買淫がアクセントになりつつ快調に読めるのが魅力的。自分も少し真似て日記を書いている。
たまにおススメの作家なども出てくる。今回は藤野可織さん。自分をほめてくれる人に会うとすぐゴロニャンとなってしまう。自分は五流作家と卑下しつつ、弱い者を見ると声高になるキャラクターであり、それを嫌われるのを承知で書いてしまう覚悟がありますね。
読み続けることに意味がある日記シリーズかもしれない。初版は11月末に出ているので今年もそのくらいでしょうか。
投稿元:
レビューを見る
エッセイとかではなくただの日記である。
他人の日記を読むと言うことは人の生活を覗き見していかのような若干の後ろめたさと、少しの高揚があるとはおもうが、彼に関しては奔放すぎてそんなことはどうでもよい。ただ、喧嘩を売って、文句を垂れ、手製のなにかを作り、宝を呑んで、小説を書く。それだけだ。それを淡々と書いているだけだ。なぜだ、なぜこんなものを最初から最後まで楽しんで読んでしまうのだ。不思議だ。
投稿元:
レビューを見る
エッセイに続いて日記本の3冊目を読了。本業の小説を読んでないことに気が引けるが、とりあえず日記を全部読んでみようと思う。内容としては通常運転。日常のありがたみを感じた。
2013年段階ではまだまだ芥川賞バブルが続いており作家業だけではなくタレントとしても活発に活動している。当時TOKYO MXの番組は少し見たりしてたので、その頃をレミニスした。あとは浅草キッドの2人との関係性が深まったのもこの頃で特に玉袋筋太郎氏との悪友録的な展開の数々はオモシロかった。仲良すぎて殴り合いの喧嘩した挙句、お互いお菓子持参で手打ちしてるのは笑った。また新潮社の面々との関係はあいかわらず特別で愛憎入り乱れる感じがとても好きだった。
今の時代、手書きの作家がどれだけいるのか分からないけど、一旦ノートにあらすじを書いて、それを手書きで原稿に清書するという超ローテクの作家は今後生まれないだろうから貴重な存在だったのかもしれない。終盤、身体を痛めるシーンがあり、そこで手書きの弊害がモロに出ていた。ただ本人が師匠と崇めている藤澤清造然り、往年の作家たちの手書き原稿が高値で取引されている背景を踏まえると彼の原稿もこれから他の著名な作家と同じく取り扱われるだろうと思うと本人は天国で感慨深く思っているだろうか。
食べ過ぎの日々は相変わらず続いており、痛風をコントロールするためにビールを飲んでいるところに酒飲みの執念を感じた。この日記を読むと暴飲暴食モード高まるので自戒しつつ彼に見習ってアグレッシブな飲酒ライフも楽しみたい。