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ジャイアント馬場の数奇な運命を辿るうちに、彼の大らかで優しい人柄に魅了されていく。全盛期のアメリカンプロレスの最前線で活躍した馬場は紛れもない世界のトップアスリートだった。現役後半のユーモラスな動きのイメージか強いが、海外で確かな実績を残した馬場の真価に触れ、いかに大きな存在だったか気づかされる。あとがきを読み終わった後に現れる、馬場のあるシーンを捉えたスナップ写真。馬場の人生を辿る旅で誰よりも彼に魅了されたのは著者の柳澤氏だったことが伝わってくる、本書の全てが凝縮されたような写真だった。
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日本人メジャーリーガーなど存在しなかった1960年代、ジャイアント馬場はたったひとりの「世界標準の男」だった-。劣等感と挫折を乗り越え、プロレスの本場を高下駄で闊歩した男の物語。
破天荒なところのあるアントニオ猪木と違って、深謀遠慮の人といったイメージのあるジャイアント馬場。それがそのまま新日本プロレスと全日本プロレスの違いに投影されたともいえるのだけれど、馬場がそういうキャラになった経緯がよく描かれていた。また力道山やルー・テーズが登場する日米のプロレス史も詳述されている。
(B)
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ジャイアント馬場。彼の印象は、ゆったりとした動きの十六文キック。晩年の馬場しか見ていないです。ようするに、社長のキックは避けてはいけない、なんて揶揄されていたころの馬場しか、自分は知りません。
なので、どれほど尊敬されているのか、どれだけ強かったのか、どれだけ人気があったのか。全く知らないまま、レジェンドという額縁に入っているんだなと思ってました。
いや、頭をカチ割られてしまえ。
思うに、馬場と猪木という二大スターがいた日本のプロレスはとても幸せだったと思います。何かと対比できる二人。この二人がいるだけで、自然と作られるストーリー。どっちも光でどっちも闇。どっちもベビーでどっちもヒール。それは観客が勝手に作り上げるストーリー。
やっぱり、ある時代のあるジャンルの寵児となる人は、見ておくべきだ。ジャイアント馬場を見ることができた幸せな人たちがいる。自分は見ることができなかったけど、まだ見ぬ人を見ることはできる。
それは幸せなこと。
ただ、こうやって書籍化されたもので知ることができるってのも、いいものです。
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某森下駅近くのもつ焼き屋店主は子どもの頃、近所のプロレスの試合をガードを掻い潜ってタダ観した。そして警備員が黙認してくれた。と本書を店で読んでいたら教えてくれた