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短編集です。ホラーです。
相も変わらずひたひたと異常が日常を侵食していく様が怖いです。
営繕屋という職業は耳慣れないものでしたが、お家の修理屋さんということなのですね。
なので話は全て様々な家が舞台のオムニバス形式になっています。
家とは即ち生活の場です。拠り所です。それが怪異という異物によって歪むということは、安らぎを得られる場所がないということです。逃げ場がない、とも言います。それはとても恐ろしいことです。
しかし怪異が起こるには理由があり、正しい対処を行えばそれは収まる。
どの話もその理由と対処が明確にされており、作中の恐怖は話の最後で必ず解消される。だからこそ途中の恐怖も安心して怖がって読むことができるのです。
恐怖が最後の「ああ、よかった」に変わる瞬間を求めて、私はホラーを読むのかもしれません。
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大好きな小野女史の本。
また新しい作品に逢えて嬉しいです。
障りのある建物を『営繕かるかや』に手直ししてもらうことで悩みを解決するのですが、主体はあくまでも家の住人であり、困っている人達になっています。
障りのあるものを力でねじ伏せるように祓う訳ではなく、支障なく共存できるようにする といったスタンスが小野さんらしく、また 障りも身近なものとして捉えている感じがとても良かったです。
ただ単に怖いのではなく、切なさも詰まった作品だと思います。
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2014年12月30日読了。
ひとと、家とのつながりの深さを感じさせる物語が多くて、恐怖よりもじん、としたものを感じました。
素晴らしい。
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短編6編。
どれもゾゾーっとする話し。
なかでも『奥庭より』は古い家の感じと日当たりの悪い部分の雰囲気が出ている。これを実際に体験したらこの家には住めないわ。同居するんだもんね〜。
『幽』という怪談専門誌があるということを初めて知った。
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この家には障りがある―住居にまつわる怪異を、営繕屋・尾端が、鮮やかに修繕する。心ふるわす恐怖と感動の物語。
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家にまつわる怪異、障りとそれを解決する営繕屋の物語。短篇が六つ収録。
具体に何かが「出てくる」パターンよりも、正体がわからないし、何なのかもわからないパターンの方が、ゾクゾクする怖さがある。
怖い話書かせたら、この作者はピカイチ、本書の中では「雨の鈴」が、一番怖かった。
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大好きな小野不由美さんの新刊、ホラーということで、それ以上の先入観なく読んだ。だが、怪異に対して、干渉するというよりは、躱す、なだめすかすという雰囲気で、悪霊シリーズのファンとしては若干物足りなさを感じた。もちろん、様々な視点、立場での話があっていいと思うし、この話には、この話の良さがあるけど。そして、怪異に対する対応がリフォーム。正直、屋根からの足音が気になるなら、緩衝材を、という対応には、目を丸くしてしまった。でも、続きが出たらやっぱり買って読むと思う。
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B++
【読んだ理由】
小野不由美の新刊だから
【あらすじ】
短編集。訳あり物件のホラー。とその原因を推察して、直すかるかやの話
【感想】
かなり面白い。
化け物たちに悪意は無く、決まった現象を起こすだけというもの。それに恐怖するのは人間たちの勝手。わけがわからないということが怖いというメッセージがはっきりしてた。
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敢えて寒い冬の夜に怪談話。怖い話は苦手なのだが,小野不由美さんの新作とあっては読まない訳にはいかない。これは,古い家(建物)にまつわる怪奇現象を描いた短篇集。「残穢」と比べると,比較的ライトではあるが,ところどころで軽くゾワッと鳥肌が立つ。小野さんの文章は,古い家や町並みの描写にぴたりとハマる。そして,何気ない会話を含めた,人の気持ちの描写が細やかで,物語に自然に入り込んで行ってしまう。だから余計に怖く感じる。各作品で,問題の解決を担当する,「営繕かるかや」の尾端は,悪霊を退治したり,何か特殊能力を発揮するスーパーマンではない。ただ現象を適切に読み取って,自然に流すようにして鎮めるのである。大人の怪談,というのがぴったりという印象。個人的には,特に「雨の鈴」が,ミステリー・タッチで気に入った。雑誌「幽」で連載が継続中とのことで,続刊が期待できそう。楽しみである。
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短編集で、それぞれに城下町の趣を感じられ、怪談の恐ろしさだけではない良さがあった。まっすぐしか進めない女幽霊の話は怖かったなあ。
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家にあらわれたり、おとずれたりする怪異と向き合い繕っていくお話し。タイトルの営繕屋は、怪異が起きた時だけふらりと現れ、怪異が収まったと同時にいなくなる。その足取りの軽さと手際の良さに拒絶ではないスタンスと、装画の漆原友紀のせいで蟲師の、いやギンコのイメージが尾端にはまります。
「雨の鈴」が怖さ抜群。ただそうであるべく存在しているものであるからこそ、相容れない。その二つが重なり合ってしまう、逃れられないというのは怖いです。しかも、その瞬間を来ることを知覚してしまう、という。このパターンの怪異譚には安定しておびえてしまいますね。
怪異が発生した時のおそろしさと、解決した時のしんみりした気持ち。救いのあるしんみりではないけど、尾端の対処・態度が救いになることが多いです。
そこもギンコっぽいんだよなぁ。
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小野さんのホラーはすごく怖い。見えるはずのないものが見えたり、聞こえるはずのないものが聞こえるその感じが、なんだかとても生々しいんですもん。見に覚えがある、というか。それでもまあ、ホラーとしては割と地味だと思うので、全然怖くないって言う人がいるのも分かる。でもやっぱり今回も怖かった。鳥肌立ちまくり。そして、怖いだけで終わらないのがいいって思ったのは初めてかも。普段はひたすら怖いものを求めてるのになぁ。長く続くシリーズ物に育ててほしいのと、この舞台このメンツで長編一本書いていただきたい!
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どうしてこうも普通の風景の中に、紛れ込んでくる描写が上手いかな!「残穢」ぽくて胸が高まります。
くっきりと想像できる家の造りの描写も好き。なので一番怖いのは、そこにふっと現れる「異行のひと」だったりします。
「潮満ちの井戸」ではその暴挙にぎえっ、となり、「檻の外」では、どっちとくっつくのか、とドキドキしてましたよ。
落ち着いていて綺麗な城下町なのに…良い大工さんもいるのに…結構ひどい家庭が多いですね、この町は。少なくとも3組くらい。
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日常に潜んでそうな怖い話だけに、読み終わった後ちょっとした物音も気になってしまった( ;´Д`)さすが小野不由美。こーいう怖さを書くのがうまいわ…。
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短編集6編
なかなかに古い家は怖いと思わせてくれる内容で、きちんと対処すればなんでもないことでもそうでない時は怖いことになる!営繕かるかやさんは、最後にちょこっと登場して、もうスッキリと解決してくれるのに、存在感が薄くて6話も出てくるのにいまひとつ人となりがはっきりしない、奥ゆかしい人だ。もう少し知りたい気もする。