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私はカウンセラーではないのにカウンセリングの役割を強いられ続け、私自身がおかしくなってしまいそうでした。この本を読んだのはそんな自分の感情に折り合いをつけるためですが、著者は他者の感情の動きを非常によく観察されているのだなと感じました。そして、そう考えると納得の行く事柄がとても多かったのです。反射、共感、感情の気付きに導くこと。感情に溺れている人にいくら真実を突きつけても、それを受け入れる余裕はないと思います。けっきょく、自分で気づかせるしかないのです。
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カウンセリングの基礎となる「共感」がどのようなことなのか教えてくれる。
共感は、相手と同じ感情になることではなく、自分の自然な感覚であり、相手との関係性の境界を響き合わせるような関わり方だという指摘や、受容だけでなく、それをフィードバックすることの重要性の指摘は、とても新鮮かつ重みをもって響いた。
「淋しいんですか?」など、疑問形での応答を避けるなどの具体的な技術も大いに参考になった。
15-43
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プロのカウンセラーが日々の仕事の中で得た知見を分かりやすく開陳してくれた貴重な本である。
カウンセリングで大事なのは、傾聴と変化である。結果と言い換えてもいい変化を意識しすぎると、傾聴による信頼関係が弱くなり結局変化しないという結果になりがちである。そういう豊富な事例からTIPSとしてまとめたのが本書である。
また、相手に共感しすぎていると見えることも、ある狭い範囲に固定して共感しているに過ぎない場合が多い、という知見はハッとさせられた。共依存もそうだが、視野狭窄になってしまうと変化しにくくなる。しっかりと共感をした上で、立ち位置を変えてより広い範囲を見ることで別の解決方法も見えてくる。これがカウンセリングの本質なのだろう。
人間関係苦手だとする人、なぜか人間関係が上手くいかないと思っている人は読んでみるのも良いかもしれない。
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2015年の56冊目です。
相手に共感することを、自分の信条としていました。
特に、女性の話を聞く時は、共感を心がけようとしていました。その共感とは、相手の感情に同意するというレベルだったと思います。相手「凄く、苦しかったです」。私、「そうか、それは、苦しかったですね」。相手と同じ感情を抱くといえば、少し高度な感じがしますが、それが私の理解している共感でした。
しかし、著者は、共感は個人の境界を超えることだと定義しています。境界を超え、響き合うことだと述べています。
本のタイトルからしたら共感のKnowhowが並べてあると思いましたが、そのような表面的なことはほとんどなく、そこからさらに踏み込んだ経験的考察による考え方が説明されています。カウンセラーが良く行う「オウム返し」(悲しいよ。悲しいんですねみたいな感じ)=反射にも、多様なバリエーションがあり、相手の状況を観察して、自分から何かを付けたすことが無い範囲で、具体的な反応をすることも反射の一つとしています。まさにプロカウンセラーの言葉だと納得できました。
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自分の気持ちを素直に感じること。自分の意見は脇に置いておいて、相手の気持ちを受け取るように聞く。
おかしいなどと価値判断をしない。葛藤の両面に触れる。共感の気持ちを表現するなどということが書かれていた。
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2016/3/15
・当たり障りのない相槌だけでは、「そのカウンセラー」に話を聞いてもらう意味はなくなる。
・「聴く」だけではなく、その間に「よく観察する」ことが大切
・Aさんの行動に対するBさんの愚痴を聞くときは、Aさんの行動ではなくBさんの気持ちを描写してもらう
言葉は心の遣いだなぁ。
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現役のカウンセラーによるもの。
全体的にホワホワとしていて感覚的に書かれたように私には思えて、ハウツー本的なものなのに不思議な本だった。
考えずに感じること、価値判断しないでただ受けとめること、等々もやもやすることが書いてありました。たとえばカウセリングをしている人はこれを読んで「そうそう!」って思えるのだろうか?と疑問に思った。私は今まで、それだけ共感が何であるか知らずに人とコミュニケーションして来たのか…と考えた。(あ、ここでも感じないで考えてる?)
上記のもやもやポイントは、私にとって理解しにくいことであるのと同時に「なるほど」ポイントでもあって、他にも「カウンセラーは人の話を聞いておうむ返しの相槌をするだけ、というのは実際には違う。話を聞きながら『反射』はするが、単純なおうむ返しとは異なる。」という部分が特におもしろかった。
これだけ読むと「?」と意味がよくわからないが、著者の例によれば、「もう頑張れない」という人に対して「もう頑張れないんですね」と単におうむ返しで応じるのではなくて、「限界まで頑張ったんですね」と返すのがカウンセラーの反射らしい。
この人の言った「もう頑張れない」という言葉は、「限界まで頑張った。(=だからもう頑張れない)」というのと同じ意味、だということだそう。この括弧内の言語化されていない部分を感じとって、言語化して返すのがカウンセラーの共感と反射というわけで。共感の意味がなんとなく理解できてきたような感じがしましたまる
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うつ病からの寛解を勝ち取った今、願っていることがある。
この経験を人のため、社会のために活かしたいということだ。それには、病気に対するきちんとした知識を身につけたい、と思っている。
リワークプログラムに通っている時にある心理士のスタッフから言われた。
「皆さん方は、下手な医者や心理士より、メンタルヘルスについての専門家です。病気の辛さと回復する感覚を、実感として持っているから」
題名にある「技術」という表現は、誤解を招くかもしれない。しかし、きちんとした「技術」なく対話の現場に出れば、大火傷をしてしまう。
共感とは、優しい癒しのイメージで捉えらがち。しかし、それは勇気の挑戦であり、一種の賭けでもあると著者は語る。
疲れるし、エネルギーも使う。
だからこそ、報われた時の喜びも大きいのだと。
「苦しみは分け合えば半分になり、喜びは分け合えば倍になる」
心は工なる画師の如し。
対話によって、共感によって、自身を見つめ、心を通わせる。
多くの現場を踏んできた著者のわかりやすい具体例の数々。
知恵は現場にあり、だ。
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★★★★傾聴するときにどんな言葉を発して何は言わない方がよいのか。ただ聴くだけでなく受容して行動変容を起こさせるには。考えずに感じることなど、共感の方法について細かく深く、具体的に書かれている。実践していきたい。
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ただ聞くのではなく、話し手の発言の裏にある意図とか気持ちの部分に注目するのは、大事だけどなかなかすぐにはできないと思う。
反射の技術もあらゆる表現を持っているとすごく有効な気がした。
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どこがいい、と表すのが難しいのだけれど、読んでよかったなあと思える本。一般向けで平易に書くことを心掛けられているとよくわかる。もちろん専門職にも役立つ。
内容をかいつまむと
・「寂しいんですか?」と「淋しいんですね」はまったく違う
・共感しすぎるというのは、共感の焦点が固定していること
・共感は自然のままでは進歩せず、ありのままの反応を放出するよりは共感的なふりをする(模倣する)こと。そこからはじめられるものがある
・共感できないときはそれを認める。自分も相手も責めない、そのうえでどうかかわるかを考える
・病気や孤独の受容は共感能力を高める
というあたりが印象的
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苦しみは分け合えば半分になり、喜びは分け合えば倍になる。
共感とは、ただ相手に合わせるだけではない。
相手の気持ちを素直に受け入れる気持ちが大事なんですね。
とても参考になりました。もう一度じっくり読みます。
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共感することは大切だけど、「わかってる」とは言うべきではない。相手が欲しい言葉を観察することで発見し、さらに相手が気づいていない言葉を引き出す方法が書かれていてとても興味深い。しかし当然ながら難しく、おそらくそれを生業としている人じゃないとコツは掴めないかなぁと思った。
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受容と共感、そして変化促進
話し手に寄り添い、受け容れ感じる。自分の思いは棚上げにして相手の思うことを感じ取る。
一言難しい。
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文字通り、プロカウンセラーの共感の技術について書いた一冊。
共感について深く知ることができた。