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クオリティ国家を目指せ。 - 今世界で本当に隆盛を極めているのはBRICSではない。スイス、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、アイルランド、シンガポールなど、人口が500-1000万人の小国であるそれらの国々は成人おクオリティも教育のクオリティも、クオリティオブライフもあらゆる面でクオリティが高い、クオリティ国家だ。クオリティ国家がなぜ強いのか、それを真摯に研究することが、日本の繁栄につながるのだ。P49
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昨年末時点での大前さんの論点の数々。
基本的にどの本でも同じことはいっていると思いますが、これはプレジデント誌に連載していただけあって分かりやすいです。
ビジネスマン必読、とまでは言わなくても、読んでみて損はない本です。
ドイツに対する見方と、靖国問題、安倍さんへの分析なんかは方向性賛成です。
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意識高い系になるなら、これくらい読んどけ。現代日本の指針を示す一冊。もう一度明治維新前の藩政地方自治のススメ。
この人の言うことが完璧な正解ではないけれど、正解の一つであることは間違いない。あとは、社会に生きる人々がどの正解を実現していくかだ。
そのためには、中央集権国家は足枷にしかならない。いったん分権を図って、日本全体の国力を高めることが必要。現代の北条早雲みたいな人が独自に活躍できる環境が必要だ。
橋下に北条早雲だけの器量があったかはわからないが…。とはいえ、かつての戦国武将はかなり荒々しく、粗暴だったろうから、橋本は賢すぎてダメだったのかもね。
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p4 バラマキ
自民党の常套手段バラマキ。選挙で勝つために地方に金を誘導する作戦が自民党の常套手段。結局、交付金依存で成長はしないし、日本全体のためにならない。
消費税を導入した竹下政権も「ふるさと創生」という名目で地方にカネをばらまいた。安倍政権の「地方創生」も同種だろう。残念
p21 日本の五か年計画
「鉄は国家なり」「産業のコメは半導体なり」という言葉で、日本の重工業、軽工業は発展し成長を遂げてきた。日本の五か年化計画の成功例である。しかし、経済成長を仕切った日本ではもうこの産業計画は成功しない。労働集約的産業はもう日本の領域ではない。
まったく毛色の違う五か年計画を望む
p27 中進国のジレンマ
経済成長国の発展国が、次第に人件費が高くなって労働集約的な産業で競争力がなくなること。発展したら安い労働力に頼らない独自性やブランド力で勝てるようにならなければいけないという、成長が反面、衰退につながっているというジレンマ。日本は真っただ中、BRICsはこれから、これから。
p30 コンサルの人数の意味
コンサルは複数いるというのは意味がない証拠。多数のコンサルがいれば当然コンフリクトが起きて、集中的投資ができず、中途半端な政策実行になる。
「有名なコンサルを何人も雇いましたよ。」は政権のパフォーマンスだと覚えておくこと。
p47 東京の西高東低
首都圏の地価は西高東低の傾向。東京の湾岸エリアは都心に近いが地価が安い。しかし、田園調布とかの高級住宅街は都心の西のはなれたところにある。サラリーマンは通勤時間という金よりも重要な資本を無駄遣いしている。時給換算すると障害で4000万円近い損である。その分自分への投資に使うべきである。
これはもう、自分を持てずに周囲の目に迎合したアカシだよね。もっと自分本位になっていい。
p68 見えない大陸
『新・資本論』に掲載された理論。従来の経済理論とかが通用しない分野がこれから加速度的に生まれてくるという。固定観念にとらわれない人が踏み出していける領域だから、相応の覚悟が必要。こういう分野に踏み込んでいけるチャレンジ精神あるものを育てることが大事。
p82 大鑑巨砲主義
PS3のソフト制作時代には大鑑巨砲主義で失敗があった。据え置きゲームというオワコンに開発費用を投資しても回収が難しい���しかし、PS3は美しい画質だからソフト作成には莫大な経費が掛かる。大鑑巨砲主義のソフト作成ではコスパが悪い。だから、PS4も同様にうまくいかないだろう。
コモディティ化した物でいくら高品質をたたき出しても限度がある。そこを見極めるのが経営者。頑張れ。
p121 コモディティ
「デジタル化はコモディティ化を加速する。」デジタル化すれば同業者が同じような品質の製品を開発できる。だからアナログ・フロンティアの業界の発展に臨むしか家電業界に芽はほとんどない
p127 食費=情報料
情報料をどれだけかけていいかという質問をよくされるらしい。食費と同じにしろと言う。確かに情報量が人生を左右しうる世の中になったからなぁ。
それに、金をかけるということは本気度が図れる。本気なら金がかかるなんて気にしないはず。自分に必要な価値ある情報に金をかけるようにすれば自ずと情報料がきまるんだろう。
p133 パンドラ
自民党が55年体制以降、独自路線を貫いてきたせいで、他党が政権交代しても潤滑に運営できないようになってしまった。例えば、原発政策を進めたのにしても、ベース電源から外せない物を採用しておきながら国民に説明不十分にしてきたから、いざ問題が起きてそれを廃止しようとしてもできない状況にあるのだ。そのパンドラの箱を開けたのが民主党だが、結果、国民に大っぴらにしたら原発ゼロにしなければいけなくなった。現実には無理なのに。
無暗にパンドラの箱を作ってきた自民党の悪い物がいよいよ表出してきたのが現代である。これからそれをいかに、目をそむけずに直視して、打開していくかが大事。大事。大事。
p166 シェールガスとTPP
シェールガス革命はTPP問題よりも深刻。アメリカでは安価なエネルギーが手に入るようになったから、アメリカ製品は圧倒的な競争力を手に入れた。今、アメリカに工場の進出が進む。そうなると、農業生産物どころではなくて、ほとんどの工業製品がアメリカから輸入されて、TPPで日本の農作物が打撃を受けるどころではなくなる。
p171 アメリカの肚積り
アメリカはこれからエネルギー輸出に慎重になるだろう。安くエネルギーを売っても国内総生産には効果は薄い。安い原材料費を武器に、アメリカへの工場進出を促して国内総生産を高める肚積もりなのだろう。日本はエネルギー依存国だが、アメリカにはきっと売ってもらえない。産業の空洞化が進むかな。
p176 アメリカと中東の変化
アメリカはサウジアラビアの石油に依存してきた。しかし、この度エネルギーの自給自足が出来そうな見通しが立った。アメリカの中東離れが始まるかもしれ無い。アメリカの軍事費の八割は中東政策である。その赤字が緩和されればアメリカ経済は回復する。シェール革命は可能性を変える可能性がある。そうなると種々のプレゼンスは意味を失い、新しい世の中に対応しなければいけなくなる。
p208 神の見えざる手
ドイツでは神の見えざる手が機能してる。ドイツは連邦制を導入している。たとえ経済的に遅れいる地域があってもそれは投資的に魅力ある地になる。人件費が安い後進地域は次なる投資先になり自然と開発が進み、自然と全��的な経済発展が成される。日本も中央主導的な地方発展よりもこういうスタイルが良いと思われる。
p211 ドイツのプレゼンス
ドイツはナチスドイツの反省を生かして、ヨーロッパにおいて「でしゃばらない」存在を貫いている。
フランスやポーランドやロシアとの国境問題は棚上げにしてうまくやり過ごしている。大人である。だから、世界で最も尊敬される国になった。日本は順位を落とした。今のドイツを嫌うのは緊縮財政を迫られているギリシャくらいだろう。
日本もそういう世界をうまく大人の対応をできる国になればいい。しかし、安倍政権がやっているパフォーマンスは幼稚もいいとこだ。うまく国際社会の信用を得られる存在になってほしい。
p232 領土について
ドイツはもう、フランスのアルザス・ロレーヌ地方気にしていない。ポーランド回廊のオーデルナイセも気にしていない。ロシアとのケーニヒスクローネもきにしない。そういう大人の考えが大事。日本も領土問題はそういう大人の対応が大事。
p237 台中関係
台湾で中国とのサービス業取引の自由化を巡って市民のデモが起きてうやむやになった。しかし、発展してエレクトロニクス系で世界トップになった台湾が今更中国の労働力を恐れる必要はない。実力や知力のない下層サービス業階級の人たちが自分の職を奪われると不安になって決起したのだ。台湾としては中国に進出して新たな市場で勝負できる方が設けられる。馬英九の狂うしい所。
p242 安保闘争の頃
60年70年の日本安保闘争では「アメリカの言いなりになったらロシアに近い日本は真っ先に攻められる。また戦争国家に成り下がる!断湖反対だ!」という主張だった。しかし、日本は戦争をしなかった。あれから半世紀、もしあの時アメリカではなくてロシア側についていたら、今頃ウクライナのようになっていたかもしれない。
それでも当時の人間は「当時の若者の正義にあふれた純粋さは美しかった」と自分を合理化する。当時を反省すれば、自由と保守、どちらが大事だったのか、参考にできる。
p247 毛沢東の呪縛
今、中国を縛りつけているものは毛沢東の呪縛である。中国共産党を作り上げた男は、今、もはや宗教のようになってしまった。それを否定することができないから、いつまでも中国は広大な国土を抑圧によって統治するしかない。
中国も、チベットやモンゴルや、ウイグルやに自由を与えて冊封体制を築けばもっとうまく行けるはずだが、それができないのは、中国共産党の存在意義である毛沢東のことを蔑ろにしかねないからだろうか。
p268 アラブの春と同じ
民主党の政権交代劇はアラブの春と同じ様相を呈した。アラブの春は、アフリカ各地の独裁政権を打倒して民主化を目指したが、結局カオスしか訪れずにイスラム国の拡大を招いた。それは独裁政権を打倒しても、その後の統治機構の存在が確約されていなかったから、結局、権力闘争が起きて暴力が支配した。
日本の民主党の政権交代もこれと同じになった。自民党が政権の引継ぎをできないような仕組みにしていたから民主党が十分な運営をできずに、失敗した。特に、自身で原発問題が起きて、対処の仕方がなく��どうしようもなかった。民主のせいだけでなく、自民のせいもある。
p276 密約
日本の自民党の取り交わした外交密約3。
①「尖閣棚上げ論」…田中角栄と周恩来の尖閣諸島という領土問題は棚上げにする代わりにその他の外交問題を緩和しようと約束したもの。文書化されていないから自民党の一部しか知らない。この前提があるから日本の領土問題に中国は憤慨した。石原のせいと言えるな。
②「戦後賠償問題」…日本の対中戦後賠償問題は、日本がODAで援助するからそれで肩代わりしてくれと言う了解を自民が独自にしていた。そのため、日本のODAに対してそれほど感謝を示さない。それに対して反発を覚える日本人がいるから中国政府も困ってる。自民の説明責任不足が招いた問題であるのだ。
③「A級戦犯問題」…戦争責任をA級戦犯に押し付けるという日中両国の共同認識を周恩来と田中角栄が約束した。中国も日本もA級戦犯に煽られたから過ちを犯した。だから日本も被害者だったという。
だから、日本の首相が靖国に参拝することに過敏に反応するのである。約束を反故にされたのだから。それを国民に説明しないから混乱を招く。自民党は戦後日本で勝手しすぎた。
日本の外交問題の混乱の原因は根本的には自民党が造った物だという認識をしっかりわかるべきである。これは氷山の一角かもしれない。こんな風なら、もはや日本は自民党しか政権に発てない。国民が期待するなら、自民党がまともな政権運営をすることを願うだけである。むなしい。
p280 小選挙区
民主党の失敗で分かった通り、日本は自民党でしか運営できないようになっているようだ。そうなると、小選挙区代表制と言う選挙制度は良くない制度であると思われる。
自民党が政権を失っても、その後の政権がやりたいことをできないなら、無駄に混乱を招くだけである。下手に世間交代がしやすい小選挙区制を実行して死票を多くするよりも中選挙区で民意を反映させる方が良いと思える。自民党が良い政治運営をできる監視環境を作る方が現実的と考えられる。
p294 戦後日本の清算をしてほしくない
アメリカが安部さんに注意勧告したのは、日本が戦後日本の清算をしてほしくないからだと考えられる。日本にはいつまでもポチでいてほしいのだろう。
戦後日本の清算となれば、東京裁判の妥当性や日本国憲法の妥当性に言及しなければならない。そうなると、アメリカは弱い。極東裁判は明らかに不平等だったし、日本国憲法も矛盾だらけだ。(象徴天皇とかね。)もし日本がそれを始めたら、アメリカの言うことを聞かなくなることは明白である。日本はアメリカの飼い犬であり金づるであってほしいのである。
しかし、日本はそれに甘んじちゃあいいけない。冷静に戦後日本の清算を行い、これからの日本の進み方を本気で考え行動しなければいけない。
p306 政治家
政治家にできることは二つしかない。「現代に生きる国民や世界の人に対して、日本が世界最高の国家であると思わせること」「諸外国に、日本の植民地支配は意味があった。」と肯定させることだ。
以上のように将来をよくするべきことが政治家の仕事である。安倍政権のように過去の前提を書き換えて未来を変えようとするのは、大問題である。
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やはりいいことを言っていた。新しい気付きに出会えた、感謝!
こういうことを書いておけば意識高い系に見えるだろうか。
日本がこれからこの大前さんが言うような方向にはいかない気がする。やはり高齢者が多い世の中は変化しない。
でも変えていかなければいけない。そのためには一人一人がこの本にあったような考えを自力で実現して社会を変えていくことしかできない気がする。
すでに移民が多い世の中になってきている気がするけれど、彼らを質の高い人間にするのがものすごく大事だね。
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ちきりんの日記で紹介されてたから、つい買って読んでしまった。
日本の数ある論点の内で一つに絞り込むとすると、1000兆円を越える国家債務をどうするか、これが日本の一番の問題だと筆者は指摘する。
最近だと集団的自衛権が政治でフォーカスされてるけど、ぶっちゃけ俺としてはどうでもいいんだよね。
まぁ、俺に関係ないしなぁと思ってたけど、最近自民党の誰かさんが「若者は戦争に行く覚悟がない」とかわけわかんないことツィッターで呟いて、そんな奴らが政治やってるんだったら反対だわ。頭おかしすぎる。
程度にしか思ってない。
そんなことより、1000兆円の借金をどうするんだよ!?という問題の方が国民生活に直結しているのに、誰も議論しようともしていない。
40兆円の歳入しかないのに毎年100兆円の予算を組んでいるこの状況を誰も疑問に思わないのか。
年収400万円のサラリーマンが毎年1000万円の支出して、すでに借金が1億円を越えているのと同じでしょ。自己破産不可避でしょ。
どーすんの!?マジで!!??
銀行が国債買ってるからいいの?でも、その金の出所は国民の貯金でしょ。今はジジババばっかりだからいいけど、明らかに国民の総貯蓄額は減る一方でしょ。
銀行が買い支え出来なくなったらどうすんのさ。日銀がお金刷りまくる?インフレでしょ(昨今インフレが賞賛されてるけどさ)。
という大問題を序論に据え、日本の25の論点を挙げる。
いつか誰かがどうにかしてくれるだろうと悲観的なのか楽観的なのか良くわからないままずるずる引き延ばして、文句は言うけど行動できないのが日本のメンタリティーだと思う。
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大前氏の多眼的なものの見方で、日本の現状がどういったものか知る上で大変ためになった。
この本の中で、コンサルティングは人材が全てとあったが、まさにその通りで、人材の良し悪しで決まる業界であると思う。他国の参謀ってどんな感じなんだろうか・・・
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目からウロコ。新聞やテレビだけではわからない見方が盛りだくさん。全てを真実として受け入れるかは別として、なるほど!こういう見方があるのかーと面白く読めた。やっぱり知らないことが一番怖いこと、いろいろな知識、考え方を吸収するって大切。
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タイトル通り日本を取り巻く政治、経済、社会情勢から問題点とその解決策を提示している。
人口減少、中国・韓国との外交など各問題毎に別れているが、どれも非常にわかりやすい。説明がわかりやすいため、読者も自分の頭で考えながら読み進められると思う。
大前健一氏の著作も読み漁りたくなる。
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前作に続き、1年遅れで1年前の日本が抱える日本の論点を把握。いろいろな角度から物知れて視野が広がる。起きてる物事には必ず原因がある。その原因を的確かつ共感できる考察で鋭く分析されており、おそらく規制も多いであろうニュースメディアから情報摂取するよりも核心的で濃い。そしてなにより大前さんの本はだいたいとても面白い。
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なかなか難しくてずっと素通りしていましたが、大前さんの文章で初めて原発関連設備の仕組みをちゃんと読もうと思いました。
あと情報収集の方法は大変為になった。
SNSを情報収集の手段として有効活用しよう。
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この人は何をやるべきなのか、この対象ならこんなことをやったら素敵だなというアイディアを考える。自分のインタレストを捨てて、この人を輝かせるためにはどうしたらいいかだけを考える。嫌われてもそれでもいい。参謀の仕事だから。大将の能力、力量を見極められなけれbあ、参謀は務まらない。
デジタル化の際立った特徴の1つは消費のコモディティ化を加速すること。後発dめお商品の基本性能に代わりはない。情報というのは自分から取りに行かなけr場価値は生まない。毎日の情報の流の中からいかに自分に役y脱ものを取り込んでくるか。
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2013年、2014年ごろの社会情勢、国際情勢を論じているので、時事ネタとしてはやや旬は過ぎている。しかしながら、我々からすればすでに起こった未来を答えにして、将来を予測する仮設の立て方を参考にするのは大変面白い。予測内容が結構当たっているので、読んでて何度も愕然とした。
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過去を振り返りながら読んでみると、あのときはこうだったのかと思い起こすことができて面白かった。
論点の当否はあると思うが、現在まで繋がっている問題もあり、特に、自民党の文書を残さない体質をこの時から指摘していたのは興味深かった。