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先生の口調が端々に出る作品だった。とっても面白かった。
とくにのめり込んでしまったのは、博物館の全体像を丁寧に追ったところ。スペクタクルと、氷河期を中心にして整理されていた本は初めて読んだので、とても参考になった。
そこからうまれてきた思想の受け継がれ方も丁寧に記述してあって、とても好感を受けた。そのあとの「美術館について」の議論をする人が少ないというのは確かにそうかもしれない。それについてばしばしと最後まで記述されている本は珍しいので、とても参考になる。
私も来館者研究をしながら、「ミュージアムについて」書けるようにしたいなと思った。一言来館者研究についても記述してあることがとても参考になった。
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メディア史、メディア論的な視点からのミュージアム、博物館研究。
博物館研究として久々に面白いものを読んだ。国内文献では初めてかもしれない。
分野の違いかもしれないが、文献の引用や先行文献の評価にはかなり違和感を持った。
とはいえ、国内での博物館研究としては類例のないほど優れた研究であることは間違いがない。
著者は京都精華大学に勤めていたことがあり、同大学のまんがミュージアムに関する著作もある。そこでの経験も生かされているのだろう。
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経営論からでなく認識論から見たミュージアム。西洋からの流れも汲んだ日本の博物館史の流れも掴むことができた。ポピュラー文化を取り扱う展覧会には行くけども、あまり声を大にして言いたくないという偏見を抱えていたので特に5章、エピローグで語られた内容は目からウロコだった。