投稿元:
レビューを見る
不倫とか、道ならぬ恋とか、そういう類のもの経験したことがないから分かりかねるけど、それらってきっと夢、それも悪い夢みたいなものなのだろうなってこの小説を読んで思った。
森の伐採と不倫って少し似てる気がする。
阿守みたいな同級生に惹かれる気持ち、分からなくもない。ああいう男は絶対に存在する。
物語のラストが好き。全部夢の中の出来事にしてしまう主人公の強さ、そしてそれが本当にあったことなのか読者にさえ分からなくしてしまう著者の筆力、好きだなぁ
投稿元:
レビューを見る
途中まで読んでて井上荒野ってー
こういう書き方するよなーって思った
阿守さんの最後のセリフが人間臭かった
阿守さんとの終わりかたがいい
後味が悪い話って好きなんだよなー
投稿元:
レビューを見る
現実と陶酔の往復ゆえに止められない不倫。従属の屈辱を味わいながらも奇妙な快楽に酔いしれる。家族を欺く罪悪感を抱きつつ、家族と向き合うことはできるのか?不倫劇そのものは非常に月並で、面白くないというより読んでて胸がムカムカしてくる。
投稿元:
レビューを見る
夫に不満があるわけでもなさそうなのに、同級生と偶然会っただけでそんな関係になるものなのか。
不満がなさそうで、実は満たされていなかったとか。
ま、確かに義父母との同居のようなので、その点はわからなくもないが。
そう考えると、夫婦間での夢の話も実は作り話をしていたんだもんなぁ。多少の嘘は許容範囲じゃないのかな?
それでも、どうにかして自分で心のバランスを取ろうとするものなのかも、それが同級生との逢瀬。
しかし、悪い恋人だ。
それならそれで、もっとまともな人を選ばないと……。
投稿元:
レビューを見る
井上さん王道の不倫もの。
安心して読める(笑)
夫の家族と二世帯同居する沙知が自宅裏の森が造成されるのを機に開発業者として現れた中学時代の同級生、阿守と不倫関係に陥る。
井上さんの不倫ものらしく相変わらず唐突な始まり。
なぜそうなってしまうのか主人公にさえ考えることを許さない。
そうなることが必然のように展開する。
不倫する二人の関係も家族の関係も徹底してドライ。
不倫したことがないから良く分からないけど実際はこんな感じなのだろうか。
夜中に帰ってくる主婦ってどう考えても変だと思うんだけど。
それを全く追求しない家族も家族だし。
まあ、いいか。
リアルにドロドロの不倫関係で八方塞がりの小説読んでも辛いだけかも。
この位ドライな方がいいのかも。
それにしても女は怖い。
阿守は最後の最後で保身に回ったけれど、沙知は取りみだすことなく。
最後はまるでなかったことのように・・・。
「悪い恋人」って男のことじゃなくて女のことなのかも。
投稿元:
レビューを見る
いまいち、沙知に感情移入できなかったた。
裏の森の開発業者としてやってきた中学時代の同級生、勲と不倫するようになるけど、別に好きだからとかではなく。
勲は恐らく開発に有利な情報を手に入れるために沙知に近づいたんだろうし。
沙知は変化することをひどく怖がっていた。
義父が倒れたり、夫の様子がおかしかったり、息子がどんどん自分を避けて大人びていったりと色々な変化があるにたも関わらず。
それでも、変化を恐れていた沙知自身が一番変わってしまったんだと思う。
勲のことを好きにならないようにしていたけど、連絡が取れなくなったら、職場まで押しかけたりもしているし。
最終的には、沙知は何もなかったと自分に言い聞かせる。
なんだか、切なかったな。
投稿元:
レビューを見る
二世帯住宅の裏山が伐採され宅地開発されるのにともない、偶然あった中学校の同級生と不倫する話。
切ないとは違う、寂しいかんじ。
ドラマチックに破壊するでもなく、でも自分は何も失わず、泣いたり怒ったりするでもなく。このまま何事もなかったのように過ごしていくのだな。ただ、秘めたまま…
投稿元:
レビューを見る
人気の新刊ということで、読んではみたけれど、なんじゃこれは不倫かーい。という内容。
表題の悪い恋人
が出てくるけど決して恋人じゃないし、主人公もとてもずるい。だから何なんだといったら本末転倒なんだろうけど。旦那さんの立場からの話が一篇組み込まれていたら面白いかもね。
投稿元:
レビューを見る
キャッチフレーズを付けるなら(?)「良くも悪くも井上荒野」かな。
(一見)普通(に見える)の生活にぴったりと張り付いている薄気味の悪さ。人の思いのままならなさ、分かり合えなさ、薄暗さ。どこからが正しい異常なのか?には頷いた。
投稿元:
レビューを見る
井上荒野はよく読む作家の1人ですが独特の世界観というか空虚感が漂っていて面白いとかそういう言葉では言い表されないものがあるなぁといつも思っています。
この作品もそんな感じです。
投稿元:
レビューを見る
表紙に記載しているアモラルの意味が分からず調べてみた。
イモラル…非道徳・不道徳
⇒罪の意識を持ちながら罪を犯す
アモラル…無道徳
⇒罪を悪いこととして捉えない
今までの作品はイモラルのものが多く、背徳に対する葛藤が描かれている場合が多いが、本作品は淡々と罪としての不倫が描かれる。
日常に潜む狂気が描かれていて、恐怖を感じた。
投稿元:
レビューを見る
「悪い恋人」という題名だが、本当に「悪い」男だった。
でも「恋人」などでは決してなかった。
少し義母、義父に不満はある主婦の沙知。
沙知がふとしたことで、元同級生の勲と知り合い、速攻で深い関係に。
勲って家庭を壊す危険までおかして、付き合うような魅力のある男じゃないと思うんだけどなぁ。
自分を愛してくれない男だと分かっているから余計に、沙知は勲と関係を持ってしまうのかもしれない。
この本の題名「悪い恋人」ではなくて「悪い男」でいいと思う。
投稿元:
レビューを見る
つらい事が起きた時、平凡すぎてやりきれない時、人はそれが現実でも夢だと思い込むのかもしれない。現実から離れようとして夢を作るのかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
沙知は中学時代の同級生と不倫関係にある。
沙知の夫はそのことには触れず
義父母も勝手気ままに暮らしている。
核心に触れたらバランスが崩れしまう。
家族という関係が壊れない程度に触れ合うズルさを持って。
ときどき覗かせる人間臭さにほっとする。
沙知の夫、新太も、義父母も、そして不倫相手の勲も
人となりがイメージしやすい。
しかし、沙知の輪郭はぼんやりとして
振り向いた顔が陰になり見えない。
そんなイメージ。
沙知にイライラしたりハラハラしたり
女としてどうなの?と腹立たしく思ったり。
井上荒野さん、上手いな~。
おもしろく読了。
投稿元:
レビューを見る
私的に結構、難解というか…理解に苦しむ。そんな作品だった。主人公をどう理解するかが最大の問題だったと思うのだが、理解や共感をできる部分が皆無に等しく、作品に感情移入すらできぬまま、作品が終了してしまった。