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あの尖閣諸島沖での漁船衝突という、日中間の関係が悪化するきっかけになった事件の年に出したという本書は、日本人がふだん気づかない、日本のよさ、日本人の面白さをつぎつぎに特集し、多くの中国人の心をとらえているという。すでに25号まで出ていて、そのテーマは制服、猫、明治維新、漫画、武士道、礼儀、雑貨、手帳といった、身辺にころがっているもので、写真をとても芸術的に配置していて子憎いほどである。猫の特集は受けたが、犬はそうでもなかったとか、暴走族をテーマにしたが、中国ではそのようなことが許されないのでうけなかったとか、予想の当たり外れが面白い。日中の関係悪化後、日本人は中国へあまり行かなくなったが、中国人はどんどん来ている。この差はなんだろう。改めて考えさせられる。わたしたちは、この本の特集から、中国人、あるいは外国人が日本のなにに興味を持っているかを知ることができる。観光業に携わる人には必読書であろう。ところで、本書は雑誌のようだが、書物の形式をとっている。しかも、23号が欠けている。それは、このような本を出すには当局の審査があることで、雑誌だといいかだめかで終わるのを、本の形式にすることで被害を最小限にとどめているのである。23号は日清戦争特集だそうで、歴史上の事件を扱うことの難しさを垣間見ることができる。
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春節期間の中国人旅行者の激増、爆買のニュースを見ながら読む、
旅行者は富裕層から次の階層に広がっているのか? この知日という雑誌を読む層がかなりいるのだから、
権力と富を独占する富裕層は土産物なんか買わないだろう、
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先日(2015年2月頃)、NHKの夜のニュースで「知日」という中国の雑誌のことを取り上げていて興味を持ち、購入した。
中国人の編集者が、日本文化、しかも結構マニアックな一面の特集を組んだ雑誌を定期刊行している。そしてその雑誌が、日本文化に興味がある中国人読者に売れている、というニュースは、政治的な日中関係からすると意外で、日本人としては嬉しいものだった。
この日本人向けの書籍版は、「知日」という雑誌の特集の内容、創刊に至る経緯、中国での反応等をかいつまんでまとめたものだ。この書籍版には、本誌の一部が抜粋して掲載されているが、奇抜で美しいデザインの誌面があったり、特集の内容も、かなり徹底的に取材しているようで驚いた。
本書を読んで中でも印象的だったのは、本書の主筆の毛丹青氏と内田樹氏の対談だった。日本人の「知的廃退」「情報格差」が危険だという指摘は、昨今の売れる本やテレビ番組の風潮を考えると実感がある。
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読むのが楽しみでした。もっと読みにくい本かと思ったら読みやすい本でビックリ。
『知日』のアーティスティックさにも感動した。
この雑誌を作ってくれた著者と携わる人たちに感謝する。ずっと続けて欲しい。
中国語ができない事を残念に思います。
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帯文:”中国で大ヒット中の「日本大好き!」雑誌、ついに日本上陸!” ”親日でも反日でもなく、『知日』!!!”
目次:序にかえて 『知日』という希望の扉 毛丹青、知日グラフティ 2011~2013、インタビュー 反日でなく親日でもなく「知日」1創刊まで、「知日への旅」中国人が見た日本、知日グラフティ2013~2013、対談 内田樹+毛丹青、知日グラフィティ2013~2014、…他
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製作者の”日本愛”が強く伝わってくる。
”反日でなく、親日でもなく、知日”という編集長自身のインタビュータイトルがなかなか上手く表現しているように思える。なかなかマニアックなテーマも追及しているようなので、日本語で発行されても日本でそれなりに受けそう。
”中国では日本の事物を見て、何かと言えば、源は中国だといい、そこから思考停止している人が少なくない”と述べているが、なんかわかる気がする。北京に居ると、日本は中国の文化(文字等も含め)を盗んだというような表現をする人や、日本にある源が中国のモノが現代中国のモノと違うモノになっていると、日本が曲解したというような発言も聞いたことがある。確かにそこで相手方を否定してしまって終わっているな・・と思う。