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「利己的な遺伝子」などの著書で知られる世界的な生物学者であり、また徹底した無神論者としても知られる著者が、「宇宙の中で進化すること」をテーマに子供たちのために行った特別レクチャーの内容を収録した講義録。
ダーウィンの進化論をベースとして、生物の遺伝子が自己複製するために、「自然選択」や「自促型共進化」と呼ばれるプロセスによって、人知を超えた長い年月をかけて、“乗り物”である生物を漸進的に進化させてきたことを、豊富な実演を取り入れた講義によって分かりやすく伝えている。
そのような進化の産物である人間の脳が、進化の時間軸でみれば“つい最近の出来事”として「目的」をもつようになり、宇宙の謎の解明に挑む一方、その想像力が生み出すテクノロジーが“諸刃の剣”となっていることに対し、著者はダーウィンの“後継者”らしく、科学的なアプローチによる真実の追求こそが解決策であると説く。決してお子様向けでは片付けられない、大人にも十分に読み応えのある良書。
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人体にあるヘモグロビン分子は6×10^23個。それらは毎秒400兆個のスピードで生産されている。
脳内の神経細胞をすべてつなげると、地球を25周するほどの長さ。端から端まで情報を送るのに6年もかかる。
などなど、人体の壮大なデザインと不思議さを、お得意の進化論に立脚して解説しています。
科学書ビギナーにも読みやすいと思います。
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科学的であることが何よりも重要、そんな著者の思いを込めてダーウィンの進化論をとても分かりやすく(元々子供向けののレクチャーを書籍にした)解説し、返す刀で神秘体験なども切る科学の啓蒙書です。終章のインタビューでAIDSに耐性をもった遺伝子がアフリカで見つかったとの話には驚きました。人類は今も進化している!
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2015/09/08
創造説を切る所が面白かった
目 翼
単純な目でもないよりは便利
不可能な山に登る
※下れない
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「利己的な遺伝子」の著者リチャード・ドーキンスが1991年に英国王立研究所で行った、子どもたちを対象とした「進化」についてのレクチャーと著者へのインタビューをまとめた一冊。進化論と科学への啓発で、分かりやすくて面白い。しかし、「私たちは、DNAがひたすら同じDNAのコピーを作るために組み立てられた機械なのです」というメッセージは、おそらくそれが事実なのだろうが、特に子どもにはショッキングな内容で、レクチャーの中でケアが必要な気がする。
このメッセージの解釈は人それぞれだと思うが、我々人間は生きる意味や目的を求めてしまう生き物である。しかし、デザイノイド(デザインされたように見える物体)である我々には、本質的には生きる意味や目的は無い。ということは、意味や目的が欲しければ、自分の意思で決めればよいのではないだろうか。生きる意味がないからといって悲観的になったり、死に急ぐ必要はない。「生きる」ということに意味はないが、「生きている」ということ自体は信じられないほどの幸運である。そうであれば、この幸運に感謝しながら、自分の意思で好きなことをすればよい。ドーキンス自身は、この幸運がどのようにしてもたらされたのか、つまり宇宙は一体どうなっているのか、生命とは何かといったことを追求する「科学」に時間を費やすのが最も有意義だと考えている。
このように解釈すれば、とりあえずショックは軽減される気がする。さて、私は何のために生きようか。
・第一章 宇宙で目を覚ます
・第二章 デザインされた物と「デザイノイド」(デザインされたように見える)物体
・第三章 「不可能な山」に登る
・第四章 紫外線の庭
・第五章 「目的」の創造
・第六章 真実を大事にする―吉成真由美インタビュー
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『利己的な遺伝子』で有名なドーキンス氏の、1991年に行われた講演+編訳者によるインタビュー。
豊富な実験を示しながらのレクチャーで、進化論の予備知識などなくとも分かりやすく、楽しめる。
創造説をバッサリ斬り捨て、科学的真実の美しさを語るドーキンス氏の語り口は痛快の一言。
科学への興味が増進すること間違いなし。
子供にも読んでほしい本。
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英国王立研究所で、電磁気学・電気化学の研究で有名なマイケル・ファラデーが1825年に始めた“クリスマス・レクチャー”において、現在最も注目される進化生物学者のひとりリチャード・ドーキンスが『宇宙で成長する』と題して、1991年から5回に亘って行ったレクチャーの内容を編集・邦訳したもの。
ドーキンスは、ダーウィンの思想的後継者とも言われる学者であるが、本レクチャーの中で、様々な実験・実例を使って、進化の問題を考える上で最も重要な以下のようなポイントについて、易しく見事に説明している。
◆現存する生物の進化のためには長い時間が必要であったが、人間にその長さがイメージできないだけで、実際にはそれに十分な時間が存在していたこと。
◆(神が世界を創造したと考える)「創造説」論者が、「神こそがデザインした」と言うようなデザインの生物(瓶のような食虫植物や小枝と見間違うようなナナフシ等)こそ、ダーウィンの「自然選択」という考え方で説明可能であること。
◆「創造説」論者が、「進化途中の中途半端な状態では役に立たない」と言う眼や翼のような機能でも、無いよりはあったほうが生存競争には有利であり、進化とは長い時間の中で幸運を僅かずつ積み重ねて、不可能と思われた山に登るのと同じであること。
また、本レクチャーのテーマである「宇宙で成長する」とは「権威や伝統や個人的な啓示ではなく、証拠とオープンな議論とに基づいた、しっかりした科学的な宇宙観というものに移行していくということを意味する。・・・「超自然的な解説」というものに逃げてしまわずに、実際宇宙がどのようになっているかを知ろうと地道に努力を積み重ねていくことを意味する」と言い、今我々が存在するこの世界が如何に驚くべき素晴らしい事実に満ち溢れているか、そしてその美しさを詳らかにするのが科学の力であることを繰り返し語っている。
訳者はあとがきで「ドーキンスの著作のエッセンスが網羅されているので、彼の世界への入門としても格好の書」とも述べている。
進化論の世界を実感として捉えられる良書。
(2015年1月了)
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GROWING UP IN THE UNIVERSE -
http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/113780.html
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ドーキンスのレクチャーを書籍化したもの。
豊富な実験で、レクチャーが分かりやすく説得力のあるものになっています。
動画で見たいですね。
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元は講義なので非常に平易。
この講義を実際に聞きたかった。
出張の1日目の午後で読み終わってしまった。
後2日、何か買わないと・・・
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ドーキンス博士のクリスマスレクチャー「Growing Up in the Universe」を書籍化した一冊。
講義の内容をそっくりそのまま書籍に落とした感じなのでライブ感を感じれる一方、ストレートに諸々のエッセンスを吸収するのはかなり大変だった...。(自身がエッセンスを本当に理解できたかは謎です...。内容も簡単そうで簡単じゃなかった。)
本講義はYoutubeで観覧できたりするので(2019年11月時点)、1H×5setとヘビーであるが、後でじっくり鑑賞予定です。
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文系脳の私でも読めた科学の本であり、この世界や生き物をできるだけ理解しようと、前向きになれる一冊。
この本は、リチャード・ドーキンスが91年に行った子どもたち向けの「進化」についての講義を書籍化したもの。子どもたち向けなので、難しい数式とか図とかは一切出てこないし、わかりやすい例えや図で文系脳の私でも苦なく読めた。
読んでいると、自分という存在を俯瞰しすぎて不思議な感覚に陥る。
太陽系が終焉するといわれる2億世紀の中のいち部分を生きている自分、デザインされたように見えるけど、進化の結果として生まれた自分、共通のDNAをもつすべての生命の中の一種としての自分。スケールの大きさにも気が遠くなるが、そんな世界を解き明かせる科学の力に驚かされる。
そして、科学は、世界や生物に対しての素晴らしさを教えてくれる。進化を経た今を生きていることの貴重さと一緒に、何か温かい気持ちになる。
古賀史健さんの書く人の教科書を読んでから、「一冊の本を読むように世界を読む」ことを意識しているが、それを更に後押ししてくれるような本だった。
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今から30年ほど前に行われたドーキンスの講演録である。
地球上のあらゆる動物の存在理由は遺伝子の複製であり、進化とはその複製過程で生じた突然変異が生存に有利に働いた場合に次の世代に受け継がれる、という営みが数千数万世代繰り返されて漸進的に達成される。
私たち人間が精々100年程度の時間感覚しか持ち得ないため、数億年をかけて実現される進化の過程にピンとこないのだ。