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著者初読み。
ネット犯罪などを主に扱う作品を書いている作家さんと言うことで、何となく目に留まった3冊を読んでみることに。
ここ数年で、爆発的に増えたネット犯罪。それに伴い、企業側や国家などのセキュリティ対策が急がれるところだが、なかなか追いつかない日本の体制をあざ笑うかのような内容。
優秀なハッカー軍団が、個人情報の流出やセキュリティの甘さでシステムが一時ダウンして、顧客に多大な迷惑をかけておきながら、謝罪しないような企業をターゲットにし、その謝罪を求めていく。
主人公の安部響子が5分しか人と接することが出来ないとか、少しラノベっぽい要素も加えられているが、専門用語も多く、内容自体はかなり本格的。
ミステリーとしての要素も、かなり作りこまれていて、面白い。
と思ったら、「ばらの町ミステリー大賞」の受賞者だった…
やはり、「ばらの町ミステリー大賞」はすごい…
公には謳ってないが、今作で登場するラスクのメンバーは、その後の作品にも登場する。
登場人物の設定はラノベっぽいのに、内容は本格派。何だかハマりそうな感じ…
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すらすらと読めたしストーリーも面白かったので良かったが、
最後が簡潔に終わっているのと色々と疑問も残ってたのでそこをマイナスにした。
例えば監視されているであろう佐藤はどうやって空港にたどり着いたのかとか、
なぜ吉沢は肇をメンバーの一人だと思わなかったのかとか。後者は技術力の有無でそう思ったのだろうとは思うけど。
河野の一人称をオレとして、男だと思いこませようとした設定は面白いと思います。
自分も、自分の経験や河野を語る部分の文章の硬い書き方で最初の方はこの人は男なんだなと無意識に思ってしまいました。
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著者初読みです。
タイトルと表紙イラストに軽い抵抗があってなかなか手を出せずにいたのですが(ごめんなさい!)、期待値よりもずっと上のおもしろさでした。
ネット情報恐ろしいって印象と、でも怖すぎず興味を持続できる程度に書いてくれていることで、(ハッキングなんて全然分かってないけど)無理なく読み進められました。
というか犯罪メインではなく、全体に暗くない&テンポ良いストーリー。幾つか腑に落ちない点は残るものの、総じて好印象(^^)
いつか記録を見返した時のために追記。
今現在、新型コロナで大混乱中の日本。テレワークも推奨されていますが、知識不足なのかセキュリティ面は大丈夫なのかな?とちょっぴり不安に感じる自分です。
世界も社会も自分も、どんなふうに変化していくのかな。
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頼んだ覚えがないラスクの請求があった。
始まりの次が、ラスクの話。
一体どうつながりがあるかと思っていたら
最終に繋がっていました。
ここから、最初のあそこまで、の間の話ですが
濃いというか何というか…。
泣き落としでハッカー仲間になった主人公ですが
それ以外にも視点が変わってみたり。
最後の最後で、なるほど! という仕掛けもあったり
誰が仲間で誰が裏切りものなのか、と悩んでみたり。
どんどんと先が気になり、ヒントがあるのに読み飛ばし
そうか! と最後になって思い出してみたり。
しかしラスク、美味しそうでした。
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クレジットカードの不正利用もネットでのなりすましも、現実にも起こっていることで、その手口にぞくっとしました。
これはフィクションだけど、実際に被害に遭う可能性もあるわけで。
技術さえあれば、こんな簡単に個人情報って集められてしまうのかと。
天才ハッカーが作ったハッカー集団。
実在したら確かに正義の味方に見えるかも。
犯罪だけど、悪い奴をこらしめるって、正義に見えますもんね。
犯罪だと知りながらハッキングを続ける彼ら。
彼らに心酔する学生たち。
ハッカーを捕まえたい警察。
ミスリードされて、終盤でかなり混乱して、また前の方を読み直して、やっと理解できました。
先入観って怖い。
ハラダのラスクが食べたくなります。
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天才ハッカー安部響子を追い詰める吉沢。しかし、いつもその追手を気持ちいいほど出し抜く、とても爽快な物語でした。
響子さんは一体どこまで先を読んでいるのか。その遠大さがとても楽しい。
同時に響子と肇の恋愛模様がなんとも言えず微笑ましい。ハッキングに関しては天才の響子が恋愛に関しては中学生レベルだというこのギャップが可愛らしい。
私の大好きな書評家の大矢博子さんの解説にも書いてあったとおり、2人が手を握るところが2人の恋愛の最大の盛り上りになるぐらい純愛です。
この2つの面の展開が、次へ次へと読みたくなる本でした。