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20151118~1202 著者のソマリア・ソマリランドに対する片恋があふれている…最後の方でちょっとした戦闘に巻き込まれているけど、この人戦場カメラマンではなくて、あくまで『探検家』だもんねえ、無事帰国できて何よりでしたww今後もソマリア関連の作品は書いていくのかしら、楽しみです。
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相手(ソマリア)の事を知りたいし、自分の事も知ってもらいたい。それはもうほとんど「恋」のようなのだ。
高野さんならではの手法(言葉、音楽、料理)で彼の地を理解したい!と努力奮闘するせつない冒険譚を辿るうち、日本ではほとんど知ることのできないソマリアの人々の現実の生活や暮らしがリアルで身近に感じられる。暗殺や銃撃が当たり前にある日常。ジャーナリストも権力者も命懸けだ。それにしても「恐怖の大王降臨」は、本当にお気の毒。参りました。面白かった。
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『謎の独立国家ソマリランド』でソマリ地域の社会や政治に関する潜入ルポを試みた著者が、今度は文化にターゲットを絞ってその様子をまとめ上げた第2弾。
著者がソマリ文化に心から心酔し、友人たちの助力を得ながら地元の住宅に招かれて料理を習ったり、ときには紛争地域で銃撃戦に巻き込まれたりと、息をつく間もなく怒涛のような出来事の連続に、読み手は強く惹きつけられる。
日本人の生活や文化における価値観とは全く異なったものがそこにはあり、それはそれで良いのだ、という当然のことをありありと見せつけられる様が本当に面白い。
重要な指摘だと感じたのは、ソマリ南部を支配していたアル・シャバーブ(著者が銃撃に巻き込まれたのもこの集団からと推測されている)や、かつて著者がルポを書いたアフガニスタンで抗争をつづけるタリバン等のいわゆるイスラム過激派が、マオイズム/農村主義の一種ではないかとみなしている点である。文化大革命に代表されるようなマオイズムは都市文化を批判し、農村にこそ人間の生活の本質があるという一種の思想であるが、西洋文明/都市文明を批判し、禁欲的な生活を強制するイスラム過激派にその類似性が見られるのではないか、という考えである。そのような観点で眺めてみると、日本においても「農村へのノスタルジー」のような弱いレベルでの農村主義は確かに存在するし、もう少しその度合いを強めればまさにカルトとしての「ヤマギシ会」のような運動もまさにそうであろう。つまり、我々はイスラム過激派の運動を自分たちの文明とは切り離されたものとして一見考えてしまいがちだが、そこには一種の共通する部分もあるのではないか、そここそがこの指摘の非常に重要な点ではないかと思う。
そうした難しい話はなしにしても、ルポとして読ませる一冊。これからのルポにも期待したい。
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『謎の独立国家ソマリランド』の続編。前作より一歩踏みこみ、「普通の人たち」の生活や文化が高野節で生き生きと描かれ面白く一気に読めてしまうが、なぜここの人たちがイスラム過激派(アルシャバーブ)を支持してしまうのか?という件は考えさせられるものがある。とにかく高野氏が無事でよかった。
ツボは、「ソマリ最大の秘境」と、知事ツアー(?)3日目の村の雑貨屋へお買い物に行くところ。
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現地の本当の生活(食)へと入りこんだり、銃撃戦まで遭ってしまったり、理解も緊張も更にアップした一冊。ニュースでは分からない情勢も分かるけど、国民性はちょっと無理かな…。決して自分では足を踏み入れたくない場所ですが、もっと読みたいとは思ってしまいます。情勢的に難しくなってると思うので、命を優先に考えるとできれば、という思いですが。
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語学の天才による最新作。海賊の国・ブラックホークが墜ちた国・無政府の国というイメージしかなかったソマリアにここまで入り込んた彼の功績は大きい。前作「謎の独立国家ソマリランド」の続編的な本。写真も多く挿入。よくぞここまでトンデモない旅をするかと半ばあきれながら、ページをめくる手がとまらなかった。2015年1月第一刷。
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「謎の独立国家ソマリランド」に続く、高野さんのソマリア本第2弾。
「内戦が続いているソマリアで平和な独立国家があるってどういうことなん???」という色んな謎や疑問点、そして今まで映画「ブラックホーク・ダウン」と「何か海賊?がおって日本の石油とか積んだ船が通られへんらしいで?」というイメージしかなかったソマリアという国が少しづつ明かされて行く過程が面白かった前作とは違い、今回はソマリアに関する知識がそこそこある状態で読み始めたので、インパクトはトーンダウンしてるんやけど、ワイヤッブやハムディの後日談として楽しく読めたと同時に、日々変わりゆく情勢を見るに少し寂しい読後感もありました。
高野さんが終盤イスラム勢力のアル・シャバーブの待ち伏せをくらい九死に一生を得るところでは、それまで中東へ行きイスラム過激派の人質になったり、命を落としたりするジャーナリスト、ボランティアの方たちのこと、自分からは遠い世界のニュースだとぼんやり思っていたのですが、高野さんもソマリアで命を落としてニュースになる可能性もあったんやな〜と思うと急に身近な話に感じられて、よくある危険だと分かっていてなんでそんなところにどうしても行かなければならない必要性もないのにわざわざ行くのか、という批判が何だか的外れなものに感じました。また、アル・シャバーブの勢力が落ちてきてモガディショの街が復興しつつあるのと同時に今度は政府批判を繰り返すジャーナリストたちが(アル・シャバーブとの戦闘が激しかったときよりも)命を落とす危険にさらされている、というのも衝撃的でした。
そんな、しんみりすることも多かった「恋するソマリア」ですが、一般ソマリ家庭におじゃましてソマリ料理を習ったり、ソマリ女子が美白に夢中になってたり、はたまたソマリNo.1のミュージシャンにインタビューしたり、ほのぼのエピソードも健在で楽しい1冊でもありました。
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タイトル「恋するソマリア」には二重の意味が込められています。
ひとつは、ソマリアを振り向いてくれない美人女性に見立て、追えどもつかまえられない片思いの相手として描く。
もうひとつは、実在の若き美女・ハムディ姫への恋です。
わずか17歳にしてケーブルTVの世界に入って、政治家へのインタビューでカネをひきだして支局員を食わせるという政治力・経営力を発揮する。美しく、胆力があり、知的。いったい高野が惚れこんだこの女はなにものなのか。
「私は有名になりたいの。目標は大統領になること」
「有名になりたい」ということばの率直さ、力強さ。さわやかな立身出世主義の到達目標が大統領というのがすごい。
いいぞ剛腕ハムディ姫。統一ソマリアの大統領になった姿をぜひ見たい。
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20年以上危険地域に指定され、国際的に認められていない「ソマリランド」なる国まで存在するソマリア。そんな国に突撃し、社会や文化、政治背景を取材した著者。時にはゲリラとの戦闘に巻き込まれる事態に遭遇することも。ドラマティックな展開と映画のようなスリリングなストーリーが軽快な語り口で綴られる。
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超異文化交流。
人間としての通じ合えるところ、違うところを熱意をもって探究する高野さんがすごい。
世界で最も治安の悪いソマリアに行き、現地の本当の姿を体当たりで体験する。高野さんにとって現地を本当に体験するのは、「言語」「音楽」「料理」である。外国人にとって、現地の料理(ふつうの家庭料理)を楽しむのは実は至難の業であり(特にイスラム文化圏では女性と接触する、家の中に入るのはほとんど難しい)、高野さんはその壁を越えようと果敢に挑戦し、ついに家庭料理を一緒に作ることに成功する。
治安の悪い、危険な地帯に行っているはずなのに、終始ほんわかしており、文章も読みやすく、どんどん読み進められる。
高野さんがテレビで、本を書くにあたって、仲の良い友達や、家族へむけて、話しているように書いていると言ってたが、本当にその通りの文章。
親密で、気さくで、落ちがついてて、笑える。
最後の銃撃戦のシーンで一転現実に戻され、身が引き締まるような思いになる。
いろいろな意味でリアリティーのある物語だと思う。
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著者は「謎の独立国家ソマリランド」を著した人。
ソマリアへの興味は「ソマリランド」だけでは終わっていなかった。
ソマリの一般家庭の様子、いまだ危険な情勢にある南部ソマリアの様子など、「ソマリランド」取材時には見きれなかったソマリアの姿が描かれている。
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「謎の独立国家ソマリランド」の続編ともいうべき本書。既にこの本を読んだ方には、続編として必須。前回は、ソマリ人の国家、特にソマリランドを中心にその国家政治体制や社会構造など、さらに海賊で成り立っているプントランドの経済などの社会科学的著書だったが、こちらは庶民の生活を中心にしたソマリ人の生態?を紹介した本。
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「謎の独立国ソマリランド」の続編
ソマリをより深く知ろうという著者の情熱はつきない。
美人ジャーナリスト ハムディーへ恋慕の念もつきない。
カートを食べて、ソマリランド人と和みたい。
ソマリランドに対する熱情が 意味もなく高野さんを突き動かす。
行ったことのない地方もみる。できるだけ現地の生活を
体感する 料理をならう。など
なんとかこじ開けて 入り込んでいく。
その執念が実り 最後は テロの標的に・・・・
なんとも 凄まじい異文化体験。
全くちがう 文化でも 同じような考えがあったり
なかったりで、納得したり、驚いたり、恥じ入ったりしながら
高野さんは 人類の営みについて より深く
体験したのでした。
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今のソマリアの現状を書いたルポドキュメントというか、旅行記というか、そのようなもの。
どうやら別の本の続編のような扱いになるようだが、これだけ読んでも面白い。
ライターでもカメラマンでもある著者が、ソマリアに知人を作り、ソマリ語を勉強し、「ソマリアの日常・普通を知る」ために奮闘するエッセイ。
現状のソマリア、ソマリ人の特徴、政治のあり方、ソマリアでのイスラム、そして著者の念願でもあった家庭料理を学び、食べるレポート、モガディシュ以外の南部ソマリアへの旅。
知ることのできないソマリアを知ることができる。
想像すらできなかったソマリアを知れて面白い。
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日常と戦闘が隣り合わせのソマリア南部。
そこで暮らす人々の意外なほど素朴な暮らしぶりや文化の違いは非常に興味深い。
なぜ外国人ジャーナリストが狙われるか、
ということの理由もソマリアの内部にいることで見えてくることがある。
あまりにも衝撃的な、戦闘に巻き込まれたエピソードをはじめとして脳裏に焼き付く鮮烈な物語が満載。