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8篇からなる短編集。
取り返しがつかなくなってしまう恋だと分かっていても、歩みを止めることは出来ない。
そんな大人の恋が描かれている。
裏切られたことも忘れ楽しい記憶だけで
5年、10年を幸せに生きられる「修羅のあとさき」が悲しくて。全て良かった。
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こういう小説を読みたいの。もっともっと読みたいの。
修羅のあとさき、は一種のホラーともいえる。こうやって、待ち続けることができるのは、ある意味幸せなんだろうな。
千日のマリア、もありそうで怖い。
ねえ、こういう世代の話、他に誰が書いているのか、教えてちょうだい。もっともっと読みたいから。
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待ち続けている女は、誰よりも一番幸せなのかもしれない。
若いときとは違う、年を経たからこそ思うその気持ち。
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小池真理子作品らしい淡々とした短編集。
どこにでもありそうだけど他人には語れないストーリー。
誰もが持っている内緒の部分にスポットライトをあえて当ててみましたといった感じ。
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2015.5.2
やっぱり小池真理子さんの書く文章はきれいだなーと思う。なめらかで、しっとりとした湿度を感じる。
今回の短編集は人生のほろ苦さを感じるものばかりだった。特に「つづれ織り」「落花生を食べる女」「凪の光」が好き。
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小池真理子が2006年から10年かけて綴った8つ短編。
「過ぎし者の標(しるべ)」「つづれ織り」「落花生を食べる女」「修羅のあとさき」「常夜(とこよ)」「テンと月」「千日のマリア」「凪(なぎ)の光」
「生まれてから死ぬまでの『時間』。死に向かって生き続けるための哲学。この10年間、私はそればかりを考えて書いてきました」
愛と性、生と死、男と女、抗う者とたゆたいそして待つ存在をみつめる8編の短編。大きな事件があるわけでもなく劇的な展開があるわけでもない作品たちだが、人生の後半部分に差し掛かった50代の男と女には沁みる。
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生と死にまつわる8つの短編。
年齢を重ね、大切な人やものを失って、しみじみ振り返る人生。
そこにあるのは、嵐の後の凪いだ海のような静寂。
情景が浮かんでくるような、美しい言葉による描写が心地よい作品でした。
つづれ織りが物悲しくて、泣ける。
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文章が美しくその情景が目の前に浮かぶような短編集。激しいお話、怖いお話、幻想的なお話など色々あれど、どの物語の登場人物とも皆避けようもない孤独を纏い、物悲しくも静かに人生の終焉に向かって歩んでいるように思えた。
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たくさんの生き様があって、人はそれぞれ生きている。私の人生もその一つなんだなと。人に自慢できるようなものは何もないけど、それでもいいんじゃないのと思わせてもらった感じです。
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久しぶりに小池真理子さんの本を読みました。
あいかわらず細やかで美しい文章。
表紙の木漏れ日から、爽やかな物語をイメージしていたけれど、しっとりと重たい話が多かったです。
読了後、ふと表紙をながめ、深い森の中から見上げた空なんだ…と。
一番良かったのは、#凪の光
老人ホームで働く知美が、自分の今までの人生を振り返りつつ、野鳥の雛の巣立ちを見守るお話。
年齢を重ねても素敵に生きる女性、人生の折り返し点を過ぎた知美のかつての姿、新しい命の誕生、それぞれが心に深くしみました。
女性の生き様が、せつない一冊。
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「過ぎし者の標」「つづれ織り」
「落花生を食べる女」「修羅のあとさき」
「常夜」「テンと月」
「千日のマリア」「凪の光」の8編。
1篇1篇が非常に深く、濃い。
年代が近しい設定の後半4編は
しみじみ入り込んでくる。
なかでも短いものの「テンと月」が
特に気に入っている。
人生の後半に向けて
どう生きていくのか問いかけられるようだ
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人生の終盤が視野に入ってきた年代の愛と性と人生。
後悔や迷い、諦めと。。
そして「まだ大丈夫」と信じ込もうとする希望。
いろんな想いが交差する短編集。
若い人は「こんなふうになりたくないなぁ」と感じるのかも。
でも、これが、ナマミの人間、と思う。
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鳥の糞を書いても、すさんだ女性の爪の汚れを書いても
生々しくも嫌な感じにならないのは洗練された美しい文章の由縁でしょうか。
小池さんの文体はそんなにたくさん読んだことがあるわけではないのですが、いつ読んでも美しいなと感じさせられます。スタイリッシュな感じといいますか。
そして出てくる男がかっこいい。どうしょうもない男であっても女が心惹かれずにはいられないようなナニカが小池さんの描く男にはあります。
生々しい熱い愛や性の話ではなく人生の諦観を感じさせるような引いたところから描かれた短編集ですね。
これは若い人が読むよりもやはり40代後半以降の人が読んでしみじみ味わえるもののように思われます。
「過ぎし者の標」が好きですね。結局彼はどうだったのかというところがわからないままに、何かすごい関係性の変わる生々しいことが起こるでもないのに彼女の中に深く深く残された愛が、大人にはそういう愛もあると感じさせてくれます。
「つづれ織り」「常夜」「凪の光」も好きですが、やはり表題作「千日のマリア」は痺れましたね。
まさに「千日のマリア」としか呼びようがない美しく凛とした義母。読んでいて心も体もかぁっと熱くなった気が。やぁ、まだ枯れてないな、私(笑)
円熟の文章、堪能させていただきました。
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恋愛小説はあまり積極的に読まないのだけど、これは本屋でなんとなく手に取り立ち読みした箇所が印象的だったので、その後図書館に予約して読んだ。
大人の恋愛、静寂の中で振り返る過去、人や自然との繋がりの中で平らになっていく記憶。どの短編も味わい深く、たまに読む恋愛物もいいものだなと思えた。
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身近にありそうで、でも、一歩ひいて、聞いている様な気がするお話たちだった。
生と死、人間とそうで無いもの、そういった相反するもの、表現の細やかさが、心に残る本だった。
個人的には、小鳥がよく登場したので、親近感を感じてよめた。