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社会派の秀作ミステリーを多く書いている薬丸岳。これもいわゆる負け組が稼ぐ手段として犯罪に手を貸したがゆえに巻き込まれてしまった不運を描いています。
母親の再婚相手に同い年の息子がいて、あっちは出来がよく、こっちは駄目駄目。劣等感の塊になった主人公の仁(じん)は家を飛び出し、日雇いで食いつなぐも仕事がなくなる。所持金がわずかとなったときに助けてくれた男からも裏切られ、このままではホームレス。一発逆転を狙って闇のサイトで仕事仲間を募った結果、金持ちの屋敷で強盗を働くことに。しかもその途中で殴られて意識を失い、気づいたときには殺人の容疑者。
テンポよく読めるハードボイルド風小説ではありましたが、オチがイマイチ好きじゃない。真犯人には驚かされても、現実離れしているからスッキリとはせず。とはいうものの、実際にこんな目に遭っている人もいるのかもしれないという思いは拭えません。勝ち組と負け組のちがいは騙すほうか騙されるほうかなんて思いたくはないけれど。
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クライムサスペンスとしては、ありがちな内容だと思います。振り込め詐欺、性にまつわる話は時勢。登場人物が多く、やや混乱しながら読みました。テンポのよさ、ノワールであってもそこまで暗くならない感じは、著者ならではだと思います。
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クライムサスペンスって言うんでしょうか。本作までに読んできた薬丸岳作品とはずいぶん趣が違っていて、本当に同じ作者?と思ったほど。
作風が違ってもスリリングでダレない展開は変わらず。特に黒幕が誰なのかが気になって気になって、ページを飛ばして答えを知りたくなって仕方がなかったほど(必死に我慢しましたが)。
ただ、主人公たちやそのターゲットになった人物たちが基本的に身勝手で感情移入できなかったため、読後感としては今ひとつな印象。ハードラック(不運・不幸)というより、自業自得なんじゃないかと……わずかながら同情の念を抱いたのは成海に対してのみで、彼が主人公だったら印象は多少違っていたかもしれません。
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薬丸さんの本は11冊目。
母の再婚相手の息子と何かにつけ比べられながら育った江原仁。
高校卒業後に勤めた会社を辞めたあと、地元を離れ東京で派遣社員として働く。
しかし、そこでも派遣切りにあう。
人を信じては裏切られた仁が最後にたどり着いたのは、ネットの闇掲示板。
そこで自分と同じような境遇の仲間を集め、一発逆転を狙う。
集まったメンバーは皆、闇を抱える者たち。
仁の考えていた”一発逆転”とは違う方向に進んでいく計画。
仲間に引きずられるように計画に参加した仁だったが、気が付けば強盗放火殺人犯に仕立てられていた。
自力で真犯人を捕まえようとする仁だったが…
仁の周りには怪しい人ばかり。
真犯人はいったい誰なの、とページを繰る。
意外な犯人!
社会派ミステリーと言われる薬丸さんのミステリー。
面白い!
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主人公の青年が、幼稚で馬鹿過ぎで、苛立たしい。そうじゃないと、深みに嵌っていかないからなんだろうけど、そうじゃなくても、どうしようもない現実に引きずり込まれてしまって、後戻りできないっていう話にして欲しかった。ま、そんな現実や嫌だけど。
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どん底の生活をしている仁。闇の掲示板で仲間を募り何か大きな事をしようと呼びかける。そして軽井沢で強盗をすることに。
どこから仕組まれていたのか、誰に嵌められたのか?
孤独とか絶望とか、本当に底なしなんだなと思ってしまう。
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とてもスピーディーな展開で、ふと気付くと息をするのを忘れてました(笑)
少しボリュームのある本でしたが、ほぼ一気読みです!
森下の優しさってどう解釈したらいいんだろう?
と言うのが読後の1番の感想でした。
楽しかったです!
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ハードラックってどういう意味?とまずそこに引っかかりますよね。
物語の終盤にその意味は分かるのですが、うたい文句に偽りなくそれを知ったら慟哭です。震えあがります。
ストーリー展開が早く、そして読者を振り回す仕掛けが絶妙。もう先が気になって久しぶりに夜中まで掛かって一気読みしてしまいました。
どうしても主人公目線で話が展開していくので読んでいる方も気持ちが入りがちになりますが、そこを厳しく叩いてくる作者の訴えが沁みます。
薬丸さんは本当にどうしようもない犯罪者を描くのがうますぎる。どうしてこんなに闇の話にお詳しいのでしょう。
膨大な知識とリサーチのたまものなのでしょうね。
結構薬丸さんの小説は読んでいるつもりですが、いつもストーリ展開に驚かされます。
そして扱われた事件やその背景の社会についてとても考えさせられます。
小説としてとても面白いのは確かですが、「ああ、面白かった」で終わっちゃいけないんだなといつも思わされます。
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仕事もお金もなくし実家も頼れないと考える二十五歳の仁が、闇の掲示板で知り合った四人と強盗に入った事をきっかけに放火殺人の汚名を着せられてしまう。捕まれば死刑だと考え警察から逃げながら、真犯人を突き止める為仲間たちを探り、刑事たちも彼を追う。舐められているだけでないウオッカこと鈴木の小ささが憎めない。
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魅力のある登場人物がいなくて、楽しくないな〜と思いながら読んでいたが、最後には深い話になっていた。ハードラックという言葉は、振り返ってみると、この物語全体に関わっていて、そう思う気持ちは、現実の今の社会にまで広がっていった。
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話のテーマは格差社会の闇を捉えたもので、よく練られいると思う。さすが薬丸さん作品。ただ、犯罪部分に関しては若干リアリティに欠ける部分があり、作品を軽くしてしまっていると感じる。
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江原仁25歳。
実家にも戻れず、
やっと見つけた日雇い仕事をクビになり、
ホームレス寸前の生活。
一発逆転を狙って闇のホームページで人生を変える仲間を募ってみるが…放火殺人の犯人になってしまう…
仁を嵌めたのは誰なのか?そしてこの事件の真相は…
この小説、主人公がもうホントどうしようもない感じで、読み始めてなんかもう私までどんどんどん底気分に陥ってしまったのでどうしようかと思ってたら…
中盤から二転三転する内容に思わず引き込まれてしまった~
誰が敵なのか?味方なのか?信じられるのは?
お金のないことでわかるどん底生活、
お金さえあれば…お金で人生狂わされた人々
簡単につながるネットの罠
イマドキの日本の明暗の恐ろしさ…
この主人公だからこそ描けたんだろな~
いや~ホントにおもしろかった!
薬丸岳さんの他の小説もぜひ読んでみたい!
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派遣、日雇い、ネットカフェ難民、闇金、振り込め詐欺...。他作品とは趣を変えつつも、社会の闇に切り込んでいく。衝撃のラストは圧巻。序盤から終盤まで目の離せない展開で、一気読み間違いなし。
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日雇いでネットカフェに寝泊まりしながら、その日暮らしをしていた主人公。ルームシェアを持ちかけられた男に裏切られ、わずかな財産も全て失ってしまう。仕事もお金もなくなった主人公は闇掲示板で集った仲間と強盗に押し入った。最中、主人公は何者かに殴られ意識を失う。気付いたときには屋敷は燃やされ、中からは3人の遺体が見つかる。主人公は身に覚えのない放火と殺人の容疑をかけられ、警察から逃亡しながら真犯人を探すことになる。
主人公がどん底と呼ばれるところまで堕ちていくのが、とてもリアルだった。しかし、真犯人の絶望や悲しみは想像を絶するものだった。それで人を殺していいとはならないが、だったらどうやって彼は幸せになれたのだろう?と思う。それでも最後にひとつ願いが果たせて良かった。
搾取するものとされるもの。詐欺もそうだし、日雇いや派遣だってそうだ。頑張れば、当たり前に幸せに生きていける…そんな世の中では、ないのかもしれない。
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どん底のその日暮らしから一発逆転を狙い
裏サイトで強盗仲間を集めた主人公
相手を傷つけることなくお金だけ奪って逃げるはずが
気が付いたら3人もの殺人事件の容疑者に?!
ハメたのは誰か
真の犯人は誰なのか
中盤からは一気怒涛の展開
一度こぼれ落ちたら2度と這い上がれない格差社会の闇