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東京の下町、日暮里は谷中の商店街にある小さな喫茶店「トルンカ」を舞台にした3話で構成されるハート・ウォーミングストーリーの短編集の続編。
舞台となる純喫茶トルンカに集う常連客の千代子おばあちゃんが人生の流れの中で心の奥にしまいこんだ思いのエピソード第一話「午後のショパン」、トルンカの看板娘、雫の幼馴染の浩太の自分の有り方、人へのあり様の葛藤を描いた第2話「シェード・ツリーノ憂鬱」、トルンカの常連イラストレーターの絢子の混沌とした日常からの脱出を描いた第3話「旅立ちの季節」。
三話共、とある日トルンカをロケ地にした「映画撮影日」の前後という共通した時間上で3人のエピソードが描かれ、それぞれが何らかの過去に囚われ、今の自分を見失いかけた心の葛藤とその姿を描きくことで日常の中で傷つき埋もれて行く「自分の心」の救済と治癒という一見、重いテーマをコテコテの「昭和なホームドラマ」の演出のほのぼの感中に描く作者独特のストーリー展開は健在。
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ものすごーく期待をして読んでしまったため、「あれ?こんなだっけ?」と戸惑いながら読んでいていつの間にか終わった感じ。三作ともイマイチ弱かったな。そこまでぐっとこないというか。
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この人の本の世界観は映画を見て知っていたので、ちょっとほっこりしたいなぁと思って購入しました。
思った通り、とてもほっこりしました。
この本を読んである間は時間の流れがとてもゆったりしてるような気がして…
良い時間を過ごせました◎
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谷中の路地裏にある喫茶店トルンカの常連客に起こる奇跡。
喫茶店や珈琲を題材にした作品は多いですが、この作品も優しい気持ちと、明日も頑張ろうと言う気持ちにさせてくれました。
全3話のショートストーリですが、一番のお気に入りはシェードツリーの憂鬱でした。男の子は女の子を守るもの。でも、たまには女の子に守られることも必要なんですね。
過去は必要ないと言うひともいるけど、「再会とは、人生における一番身近な奇跡である」の格言が良かった。
別れてしまった最愛のひとに再び出会ったとき、そのひとに少しでも相応しいひとでありたい。そして、少しでもそのひとに追い付いていたいと思える作品でした。
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少し前に読んだ「純喫茶トルンカ」の続編。前作と同じく三編から成る短編集で、トルンカの常連客やトルンカに関わる人物にスポットを当て、一人ひとりの人生や生活について丁寧に描かれている。
古めかしい喫茶店のゆるやかな時間の中で読むのに相応しい、という感想は前作と変わらずで、基本的に善良な人間しか出てこないから、ストレスもなく最初から最後まで穏やかに読めた。
そして三編ともほろりと来る場面があり、温かい気持ちに。
ありのままで生きること、無理をしないこと、人との関わりを大切にすること、日々を丁寧に生きること。という、簡単に出来そうでその実忘れがちなことを思い出させてくれて、温かいながらも背筋が伸びる。
前作でこの先どうなるのかな?と思っていたことも続きが分かったし、一人が去ってまた一人が現れ、という人と人の出逢いと別れもあったり、素晴らしい再会があったりして、ありふれた日常なのだけどその日常こそが大切なのだと改めて思った。
「再会とは、人生における一番身近な奇跡である」
読めば読むほど、そして自分に置き換えて考えて、確かにと思う。
この著者の「森崎書店の日々」の映画も個人的にとても良かったから読んでみたい。きっとこの小説と同じく、温かく穏やかな作風なのだろうと想像。
にしても、純喫茶トルンカのマスターが淹れるコーヒー、飲んでみたい。笑
文章なのに本当に美味しそう!
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トルンカ第二弾。
第一弾で気になっていた登場人物のその後も書かれていて、ものすごくホッとした。
シェード・ツリーの憂鬱には、泣きそうになった。
珈琲の木は、シェード・ツリーに守られて成長する。
人間にもシェード・ツリーの役目を果たす人がいて、シェード・ツリー自体が誰かに助けてもらいたい時はどうしたらよいのか?
その答えを読んだ時、ハッとした。
『珈琲の木があるから、シェード・ツリーは初めて存在できる。それってお互いに守り守られているってことじゃないの』って。
『再会とは、人生における一番身近な奇跡』って言葉も好き。
当たり前だけど、人はいろんな出来事を乗り越えて、生きてる。
一見、ものすごい幸せに見える人でも、たくさんのものを抱えてる。
それを癒してくれるのが、トルンカに関わる人々。
その人たちは、特別に強いとか、癒そう!とか思っているわけじゃなくて、普通の人々。
自分の気持ち、人生を大事に生きてる人々だなーと思ってみた。
やはり、トルンカに行ってみたい(笑)
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「純喫茶トルンカ」の続編。
1話ずつ別の主人公が1人称で語る連作短編集というのは
前作と同じ手法。
そしてやっぱり、大きな事件など何も起きなくて、
それぞれの普通の日常がトルンカを通じて流れていく。
ホッとするような優しさに包まれた物語。
登場人物は、ほぼ固定されているものの、
去る人もいれば来る人もいて、
人の出会いや別れというものは日常的にあるものなのだと、
改めて共感する。
こんな喫茶店(あくまでもカフェじゃなくて)、
近くにあったら常連になりたいー。
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前作未読。
進行には支障はなかったが、前作で何かあったんだろうなと思わせる部分が意外に多かったので先に読んでおけば良かったと思う。
一人称で描かれている地の文が(1話目を除き)無理して若者の口語っぽくしている感じが少し痛々しい。
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純喫茶トルンカ第2弾
前作に続けて読破。今回も語り手がかわる3つのお話。どれも温かく優しいお話だった。
連続短編集のかたちそのままに、何気ない日常をおくる全ての登場人物に物語はちゃんとあって、巻き戻ったり見つめ直したり帰路に立ったりしなが自分の物語を切り開いていく。たくましくも心優しく馥郁たる温かさを味方につけながら。マスターの淹れるコーヒーは人の背中をやわらかく推してくれる。素敵な旅立ちの目立った今回はそれを強く感じた。
前作ではまだ少ししか集まっていなかったものが今回繋がっていたのも嬉しいかぎり。
その本のお供のコーヒーを、いつもより少し丁寧に淹れたのはきっと私だけじゃないはず。
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八木沢里志さんの「純喫茶トルンカ」に続く「しあわせの香り」(純喫茶トルンカ2)、2015.2発行です。午後のショパン、シェード・ツリーの憂鬱、旅立ちの季節の3話、連作でもあり、同じシーンを別々の人物に焦点を当てて描き直していく手法も採用されてます。第1作と同様に女性が主役、男性が脇役、でも主役と脇役が見事に噛みあい、しあわせの香りを漂わせています! 読後感がさわやかな物語です。
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おいしいコーヒー片手に喫茶店で読みたい本です笑
でも、二話目の二人がちょっと気にいりました。いいなって思いました。
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1作目より内容に厚みが出ており、飲食店を舞台にしているとはいえ、よくあるハートウォーミングストーリーや安楽椅子探偵ものとは一線を画した独特の作風となっています。
長篇でも短編集でもなく、この長さの中編集だからこそ、トルンカ関係者たちの複雑な事情が解きほぐされていく様子を程よく表現できるのだと思う。
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「純喫茶トルンカ」シリーズ2作目です。
良いですね。
今回は、トルンカの常連・千代子ばあちゃん、イラストレーターで花屋のアルバイト店員・絢子さん、雫の幼馴染・浩太の3人を主人公に、それぞれの挫折と再生を描いた長めの短編3つです。
「ありふれた」と言ってしまえばそれまでかもしれません。谷中の裏通りにある古びた喫茶店。ちょっと訳ありそうなマスターと常連たちとの暖かな交流。シチュエーションからいえば『珈琲屋の人々』池永陽や『虹の岬の喫茶店』森崎明夫など沢山あります。
それらの中で飛びぬけた特徴がある訳では無いのですが、人の配置が良く、丁寧に暖かな語りは心地良く。
このシリーズはもう少し続くのかな。謎めいたマスターの奥さんが最後の主人公かもしれません。
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谷中の街の純喫茶トルンカ。
お客さん3人のそれぞれの話。
それぞれの年代にあった話で、どれも、好きだなぁ。
おばあちゃんも高校生も
迷える20代女子も
みんな同じ谷中の街で生きている。
でも、一番は高校生のお話「シェード・ツリーの憂鬱」
固ーくなった心を
ゆっくりやさしく解きほぐしてくれる
温かくて優しい人達。
素敵な純喫茶。
さらなる続編をお待ちしております。
あーコーヒー飲みたい。
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前作から変わらずほのぼのしたお話。
どこにでもありそうな話で、結末も予測できるけど、
ほっこりするいい話で、登場人物も魅力的。
登場人物たちがどのように変わっていくか気になるので、
また続編が読みたくなりました。